2018年7月14日土曜日

リュカ・ドゥバルグ等新録音♪メシアン:世の終わりのための四重奏曲

思わぬ記事でリュカ・ドゥバルグ(Lucas Debargue)の名前を見つけて嬉しくなった ♪ 彼は 2015年のチャイコフスキーコンクール以来のお気に入りピアニスト。

しかも、ピアノ、クラリネット、ヴァイオリン、チェロという珍しい編成でのメシアンの四重奏曲。知らない曲なのでさっそく聴いてみたが、なかなか美しい、いい曲だ。

✏️MARTIN FROST , JANINE JANSEN , TORLEIF THEDEEN , LUCAS DEBARGUE
メシアン:世の終わりのための四重奏曲



この記事での 4人の演奏者の紹介(枕詞)が面白い。

「正統派ヴァイオリニスト…ヤンセン」「ピアノの鬼才ドゥバルグ」「クラリネットの魔術師フレスト」「チェロの重鎮テデーン」。

ルカくん(リュカ・ドゥバルグ)とうとう「鬼才」になってしまった…(^^;)。彼にとっては、初の室内楽録音。上の写真はその CD のブックレットからお借りした録音風景。

Amazon での紹介文(↓)もなんだか凄い。他の 3人は恥ずかしながら一人も知らないが、有名な演奏家なのだろう。

20世紀の室内楽名作の21世紀の新定盤となるのは間違いないクラシック界気鋭の個性派スペシャリスト4人からなるスーパーユニット、2017年8月の録音

メシアン:世の終わりのための四重奏曲



録音:2017年8月28-30日 ベルリン
マルティン・フレスト(クラリネット 1-4,6,7)
リュカ・ドゥバルグ(ピアノ 1,2,5-8)
ジャニーヌ・ジャンセン(ヴァイオリン 1,2,4,6-8)
トーレイヴ・テデーン(チェロ 1,2,4-7)


この「世の終わりのための四重奏曲」(Quatuor pour la fin du temps)は、メシアンが第 2次大戦中ドイツ軍の捕虜となり捕らわれた収容所内で1940年に書きあげた作品で、初演も翌年 1月にその収容所内で行われている。珍しい楽器編成はそういう事情による。

下記の 8曲からなるが、第 3曲はクラリネットのソロ、第 4曲はヴァイオリン、クラリネット、チェロの三重奏、第 5曲はチェロとピアノの二重奏、など編成は様々である。

1. 水晶の典礼
2. 世の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ
3. 鳥たちの深淵
4. 間奏曲
5. イエスの永遠性への賛歌
6. 7つのトランペットのための狂乱の踊り
7. 世の終わりを告げる天使のための虹の混乱
8. イエスの不滅性への賛歌


NAXOS にこの CD があったので、ゆっくりと堪能した。「新定盤」となるのかどうか、過去の演奏も知らないので何とも言えないが、十分に惹きつけられる演奏だ。

これまでの「定盤」を調べてみた。おそらく「タッシ」という、この曲を演奏する目的で1973年に結成された室内楽グループによるものになると思われる。

メンバーはピーター・ゼルキン(p)、リチャード・ストルツマン(cl)、フレッド・シェリー(vc)、アイダ・カヴァフィアン(vn)の4名。下記がその CD。

これも NAXOS で聴いてみたが、なかなかいい。今の段階では?どちらがいいと言えるほど違いが分かってない…(^^;)。

メシアン:世の終わりのための四重奏曲(期間生産限定盤)



「タッシ」については下記記事などに詳しい。

✏️ピーター・ゼルキン「A to Z」パート5:スーパー室内楽集団「タッシ」の誕生


なお、YouTube には「タッシ」ではないが、ピーター・ゼルキンとリチャード・ストルツマンを含むメンバーでの演奏動画が上がっている。チェロはヨーヨー・マ。

 Messiaen Quatuor pour la Fin du Temps(complete) 世の終わりのための四重奏曲 全曲



【関連記事】
《ルカ・ドゥバルグへのインタビュー記事(メモ)》

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