©Martin Teschner |
ヴァンサン・ラルドゥレ(Vincent Larderet)はフランスのピアニスト。ドイツのリューベック音楽大学でブルーノ・ゲルバーに師事。マリア・カナルス国際音楽コンクール等で入賞。2016年、フランス、ストラスブールの“Piano au Musée Würth"の芸術監督となる。
で、詳しいプロフィールは、プロ アルテ ムジケのプロフィールや VINCENT LARDERET 公式サイト/Bio を見ていただくとして、その中から個人的な好感ポイントをあげると…。
- ファリャ、シュミットやシマノフスキなどのあまり良く知られていない作品にも熱心に取り組み、紹介している
- カルロス・セブロから、ヴラド・ペルルミュテールがラヴェルと共に注釈をつけたラヴェルの楽譜を遺産として受け継ぎ、その完成に尽力した
- フローラン・シュミット「サロメの悲劇」、モーリス・ラヴェルの「ダフニスとクロエより3つの抜粋」の世界初録音にも取り組んでいる
- 人道的な立場から、アムネスティ・インターナショナルなどに慈善演奏も行っている
で、公式サイトのVideos のページにある YouTube 音源などをいくつか聴いてみた。
全体的な感想としては「とてもいい ♪ なかには好みの演奏も…」なのだが、なんとなく優等生的な感じがする部分もあり、「いい演奏」の割には「惹かれる部分」が少ない。一言で言うと「ワクワク感」があまりない…?
例えば、ラヴェルの「スカルボ」(↓)も悪くはないのだが、
♪ Vincent Larderet - Scarbo from Gaspard de la nuit
リュカ・ドゥバルグのチャイコフスキーコンクールでの演奏(↓)と比べると、ややおとなしい、というか迫力に欠けるような気がしてくる。ルカ君(ドゥバルグ)の演奏も、いま聴くとかなり荒削りな感じはするが…(^^;)♪
♪ Lucas Debargue – 2015 Tchaikovsky Competition- Ravel, Gaspard de la nuit - Scarbo
ドビュッシー(↓)は、ややまったり感があって、個人的にはもう少し繊細でキレのいい音が欲しいと思うが、こういう解釈もあるのだろうとは思う。
♪ Vincent LARDERET - DEBUSSY - Préludes (live)
♪ 3 excerpts from Daphnis et Chloé - World premiere recording
また、初めて聴くフローラン・シュミットの曲(↓)も、作品自体も演奏もなかなかいい。これは後述する NAXOS の CD に入っているものだと思われる。
♪ Florent Schmitt ‒ Ombres, Op 64
♪ Florent Schmitt: La Tragédie de Salomé [transcription pour piano], Op. 50 bis
DISCOGRAPHY はかなり充実していて、NAXOS のライブラリで聴けるものをいくつか聴いたが、どれも聴き応えのあるものだ。
また、公式サイト/Download から CD の Booklet がダウンロードできるのも嬉しい。ヴァンサン・ラルドゥレ本人の書いた解説もあるようだ。
ちなみに、ブラームスのピアノソナタ第3番とベルクのピアノソナタをカップリングした CD もなかなか良かった。とくにブラームスのソナタは第2楽章を最近練習したばかりなので、興味深かった(かなり好みの演奏だった)♪
Schmitt: Piano Music
ブラームスのピアノソナタ第3番、間奏曲 Op.117、ベルクのピアノソナタ。
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おまけ。2016年初来日したときの雑誌記事(「月刊ショパン」と「音楽の友」)。公式サイト/PRESS からダウンロードできる。
【関連記事】
《2018年来日ピアニストのチェック(続)》
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