2018年7月11日水曜日

マルティン・シュタットフェルト Martin Stadtfeld ビミョー?

2002年ライプツィヒでのバッハ国際コンクールで、東西統一後初のドイツ人ピアニストとして優勝したという、マルティン・シュタットフェルト。プロフィールには「正統的なバッハ音楽の後継者として不動の地位を築いてきた」とあり、期待したのだが…。


©Yvonne Zemke /Sony Classical

本人の公式サイトはドイツ語なので、プロフィールはプロ アルテ ムジケ(音楽事務所)のページから抜粋させていただく。上の写真は公式サイトからお借りした。

マルティン・シュタットフェルト Martin Stadtfeld は1980年、ドイツのコブレンツ生まれ。上述のように、2002年のバッハ国際コンクール(今年は今日から始まる)で優勝。

その2年後、ソニー・クラシカルより「ゴルトベルク変奏曲」のCDをリリースし、グールドと比較されるなど話題になり、エコー・クラシック賞を受賞した。この CD は2012年に「ベストクラシック100」の 1枚としてリマスター版(↓)が出ているようだ。

バッハ:ゴールドベルク変奏曲




初来日は2005年。すみだトリフォニーホールで「ゴルトベルク」を弾いている。


で、まずはバッハを聴こうと思って探したが、YouTube にはまともな音源が見当たらない。仕方ないので、比較的まとまった音源を 2つ聴いてみた。

 Concierto 'Mozart: las sonatas para piano y la forma sonata' con Martin Stadtfeld

 Martin Stadtfeld Robert Schumann Bunte blatter op 99 live 2007 piano


一つ目はTV番組か何かで、モーツァルトの曲を弾いている。「K.15 kk」とあるので「ロンドン・スケッチブック」の中の一つなんだろう。残念ながら、演奏は面白くなかったので、途中で聴くのをやめた。

二つ目はシューマンの「色とりどりの小品 Op.99」。こちらはなかなかいい。14曲の小品集だが、どれもシューマンらしさが感じられて最後まで楽しめた。

…とここまでは、作曲家によるのかな?という感想。


で、NAXOS を見てみたが、なぜかこちらにはまともな CD は 1枚もない。…で、色々探していたら、ニコニコ動画に「抜粋」ではあるが「ゴルトベルク」が見つかった…(^^)♪ 2006年のすみだトリフォニーホールとあるので、来日 2年目も同じプログラム…?

 バッハ ゴルトベルク変奏曲 (抜粋) 2006年(ニコニコ動画)


キビキビとして音もいいし、オクターブ上で弾いたり、面白くてなかなかいいかも♪ と思って聴いていたのだが…。

こういう演奏は「コンテンポラリ」と言えるのかも知れないが、速くて軽くて、やや乱暴に弾き飛ばしているようにも見える。そのせいか、ミスタッチのような気になる箇所もいくつかあって、後半に行くほど印象がイマイチな感じになっていく…。

ちなみに「ニコニコ動画」でクラシックを聴いた(観た)のは初めてだが、コメントもなかなか面白い。画面に出るのは邪魔なので、横のコメント欄を見ていた。グールドとの比較など賛否両論だ…。


ちょっと釈然としない感じで終わったので、YouTube のグールドの演奏(1955年)を聴いてみた(↓)。

 J.S.Bach "The Goldberg Variations" [ Glenn Gould ] (1955)


久しぶりに聴いたが、やはり素晴らしい。申し訳ないが比較にならない。断然「音楽的」である。とても丁寧に音楽を作っている。一つ一つの音に内容というか説得力がある。

「弾き飛ばす」印象のマルティン・シュタットフェルトとは好対照。なぜ、当時グールドと比較されて話題になったのか? 個人的にはまったく理解できない。


…ということで、シューマンの「色とりどりの小品 Op.99」が割と好みだったので、曲によってはもう少し聴いてもいいかも、と思うピアニストではあるが、少なくとも今は「お気に入り」候補ではない。


【関連記事】
《2018年来日ピアニストのチェック(続)》


  にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ 

0 件のコメント: