今回はフランス音楽のスペシャリストで、日本でも有名な先生らしいビリー・エイディ。彼の弾くセヴラックは、私にとってちょっと新鮮だった ♪
© Prof. Billy Eidi |
ビリー・エイディ(Billy Eidi、1955〜)はフランスのピアニストということになっているが、生まれはレバノン?らしい。
「?らしい」というのは、Google 検索には「エジプト」と書いてあるし、アマゾンの解説にはベネズエラとあるのだ…。出生については謎なのかも…(^^;)?
いずれにしても、現在はフランスに帰化していて、フランス音楽のスペシャリストであり、スコラ・カントルムとパリ地方音楽院の教授となっている。
アルフレッド・コルトーが創立したエコール・ノルマル音楽院で学び、コルトーの愛弟子マグダ・タリアフェロと、フランス6人組演奏家として有名なジャン・ミコーに師事。
フランス物を中心に15枚ほどの CD を出しているが、『セヴラック作品集』で「金のディアパゾン」賞を、『ギイ・サクル作品集』で「クラシカ・レペルトワール」誌の賞を受賞している。ともに興味深い内容だ。
ビリー・エイディは後進の指導にも熱心で、ヨーロッパだけでなく日中韓のマスタークラスなどにも定期的に招待されている。今年も秋に来日し公開レッスン(↓)を行う。
しかも「今回は特別に、レッスンを3時間以上受け、先生が実力を認めた受講生には、スコラ・カントルムへの入学が許可」されるらしい…(^^)!
✏️ピアノ公開レッスン【フランスパリ地方音楽院・スコラカントルム教授 ビリー・エイディ】参加者募集(2018年10月29日(月)~11月4日(日)@東京&京都)
✏️<募集中> ビリー・エイディ/フランス・スコラ・カントルム&パリ地方音楽院教授/ピアノ公開レッスン
こういう事情もあってか、日本人のブログなどにも「エイディ先生」は結構登場する。
✏️フランス音楽留学体験談2018
✏️ビリー・エイディ先生(松ノ木 ピアノ教室)
音源を YouTube で探したが、リャードフの「舟歌」とスクリャービンの「マズルカ」(↓)くらいしかなく、初めて聴く曲ということもあり、よく分からない。
♪ Billy Eidi, pianoforte - A. Liadov, berceuse A. Scriabine, mazurka
…ということで、今回は NAXOS に登録されている CD の中から何枚か気になるものを聴いてみることにした。なお、商品紹介のリンク先(Amazon)は、CD ではなく「デジタルミュージック」にしてある。各曲30秒ほどの試聴ができるので…。
まず、セヴラック。収録曲は「セルダーニャ:5つの絵画的練習曲」「夾竹桃の下で」「騒ぎたてるニンフ、または不謹慎な牧神」「ひなたで水浴びする女たち」。
Severac, D. De: Cerdana, 5 Etudes Pittoresques / Sous Les Lauriers Roses / Les Naiades Et Le Faune Indiscret / Baigneuses Au Soleil
かなり前にフランス物を気に入って調べている中にこのセヴラックも入っていて、「ポンパドゥール夫人へのスタンス」という曲を無謀にも練習したこともある。
そのときのイメージは、音の響きがおしゃれでちょっと可愛らしい印象だったのだが、エイディの弾くセヴラックは、もっと骨太でダイナミックな感じ。これもいい ♪
《セヴラック:音の響きがすばらしい》
《練習曲追加:セヴラック:ポンパドゥール夫人へのスタンス》
…ちなみに、上の記事を書いたときに YouTube でエイディの演奏も聴いていた…(^^)♪ 今はその音源は削除されているようだが…。
次に、来日リサイタル(11月1日、武蔵野市民文化会館(↓))で予定されているレイナルド・アーンの「当惑したナイチンゲール」を聴いてみた。
✏️ビリー・エイディ ピアノ・リサイタル
Hahn: Le rossignol éperdu
CD『アーン:当惑したナイチンゲール』の解説には「親友であったマルセル・プルーストの影響が多分にありアーンによると『涙の中で書いた』ものであり、幼い頃の記憶を辿るような感傷的で静かな音楽」とあって、私自身あまり好みの曲とは言えない。
さらに、全部で53曲もあって、さすがに途中で聴くのをやめてしまった。3時間のリサイタルを聴く人は大変だろうな…。いや、好きな人にとっては至福の時間かも…。
フォーレの舟歌(13曲もあったんだ!)があったので聴いてみた。なかなかいい ♪ フォーレは聴くといいのに、なぜか弾こうとするとうまくいかない…(^^;)?
Fauré: Les treize barcarolles
そして、最後に「クラシカ・レペルトワール」誌の賞を受賞たという『ギイ・サクル作品集』を聴いてみた。ギイ・サクルというのは初めて聞く名前だ。CD は2枚ある。
Sacre, G.: Serenade No. 2 / Chansons Enfantines / Piccolissima Serenade / 24 Preludes / Variations Sur Une Mazurka De Chopin
ちょっとまだ消化できてない?感じだが、少なくとも第一印象は良かった。作品も演奏も悪くないと思う。そのうち落ち着いてもう一度聴いてみるつもり。
ちなみに、ギイ・サクルは 1948年生まれのフランスの作曲家・ピアニスト・音楽評論家。
…という訳で、ピアニストとしてその演奏が「気に入った ♪」ということでもないのだが、あまり知られてないフランス人作曲家の作品などをちゃんとした演奏で聴こうと思ったら「まず、ビリー・エイディ ♪」という感じはした。
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