2018年7月4日水曜日

その曲を弾いている姿イメージできる?合う曲?合わない曲?

次の選曲を考えていたときに、ウチのカミさんが変なことを言う。

あなたがショパンとか弾いているのはイメージできない

ん?じゃあどんな曲だとイメージできるのか?これまでに練習した曲でいうと、ベートーヴェンとかドビュッシーらしい…。確かに、自分に合うかどうかは自分でも無意識に考えているかも知れないのだが…はて…(^^)?




で、自分がその曲を弾いている姿をイメージできるか?というのを自問自答してみた。

シニアのオッさんが一人で(ポツポツと)ピアノを奏でる…そのときの曲はどんな曲がふさわしいのか? どんな顔で、どんな姿で弾いているのか? それは「絵」になるのか?

ん〜難問だ。あまり考えたことがなかったことなので…。


まず、合わないだろうと思うのは「乙女の祈り」みたいな「かわいい系」?の曲。これは分かりやすい。ピアノの発表会で小さい子が弾くような曲。

ショパンで言えば「子犬のワルツ」とかもその類になるのかも…。そもそも、ちゃんと弾けないかも知れないが…(^^;)。

それから、今どきの「ポピュラー系」も無理。…といいつつ、どんな曲があるかさえ知らない…。例えば、『月刊ピアノ 2018年7月号』に載っている楽譜で言えば、「イノセントデイズ/Sexy Zone」とか「シンデレラガール/King & Prince」とかだろう、たぶん…。

そもそも、この雑誌の表紙(↓)からして「年配者お断り」感満載だけど…。




それから、弾けないので、自分が弾いている姿を想像できない「ヴィルトゥオーゾ系」というのも「合わない曲」と言えるかもしれない。

今ちょっと興味を持って調べているエチュード系(↓)などはその代表格になるだろう。本当は、ショパンのエチュード練習中…とか言ってみたい気もするが…。

《現代音楽家などのピアノ・エチュード》


似たような感覚で「ひけらかす」ような曲もあまり好きではない。なので、自分に合うとは思えない。例えば、リストのそういう感じの曲(やや偏見かもしれないが…)。


じゃあ、自分に合ってる曲は何だろう? これが意外に難しい。これまでは、合ってるか合ってないか考えもせず、好きな曲、初めて聴いて「いいなぁ」と思った曲などから、弾きたいと思った曲を選んできた。

なので、昔から(聴くことが)好きだったベートーヴェンとかバッハは、弾いている姿がイメージできるかどうかはさておき、何となく自分に合った曲だと思っていた。

逆に何となく苦手意識があるのは、「感情移入」をして「気持ちを歌い上げる」的なロマン派…かな? …といっても聴くのは好きだったりするのでややこしい。


途中で好みがガラッと変わった作曲家もいる。その代表例がシューベルト。昔は「繰り返しが多く冗長な印象があり」聴くのもあまり好きではなかった。それが、いつの間にか、聴くのも弾くのも大好きな作曲家の一人になっていた。

村上春樹の『意味がなければスイングはない』に書いてあったことが、私の今の感覚に近いような気がする。なので、シューベルトは今の私には合っている ♪

《村上春樹が語るシューベルトのピアノ・ソナタ》

シューベルトのピアノ・ソナタの持つ『冗長さ』や『まとまりのなさ』や『はた迷惑さ』が、今の僕の心に馴染むからかもしれない。そこにはベートーヴェンやモーツァルトのピアノ・ソナタにはない、心の自由な "ばらけ" のようなものがある。

そして年齢的なことを言えば、僕は、これもあらゆる芸術の領域において、より『ゆるく、シンプルな意味で難解な』テキストを求める傾向にあるかもしれない。」


村上春樹の本には「融通無碍」(ゆうずうむげ:何ものにもとらわれることなく自由…)という言葉も出てくる。その辺りから、こんな話(↓)も思い出した。

(日本の古来の音楽は)自然と融和した中で、竹林に吹く風のように奏でられ…。誰のためにでもなく、自らの瞑想と思索のために吹く

『西洋音楽論 クラシックに狂気を聴け』という本から(↓)。

《「西洋音楽論」:②日本人の演奏はつまらないか》


「誰のためにでもなく、自らの**のために弾く」というのが、私のピアノを弾くスタイルに近いと思う。といっても「**」に入る単語は「瞑想と思索」とかではなく、「自己満足」とか「楽しみ」とかだろうが…(^^;)♪


一人で好きな曲をピアノで弾いて悦に入っている(自己満足している)、そのときに流れる曲としてふさわしいのは…? それは、結局のところ「好きな曲」になるのかな?

もしかすると、まだリサイタル(聴衆)とかも存在せず、神に仕える職人として曲を作っていたバッハあたりが、私には一番あっているのかも知れない。


…などと考えているうちによく分からなくなってきた…(^^;)。まぁ、あまり難しく考えずに、弾きたい曲を探していきたいと思う。

でも「曲のイメージ」というのは、それが弾かれる「シチュエーションのイメージ」とか、それを「弾いている人」の表情・物腰・心の持ちようなどのイメージも含まれるのかも知れない…という気がしてきた。


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