読書メモ(その4)
『A(アー)をください―ピアニストと室内楽の幸福な関係』
春秋社 (2003/10/1) 練木繁夫 著
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読書メモ4
第4章 練習室から会場へ
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それ(コンチェルト)に比べると室内楽の本番は相当楽しい。…楽譜を見ながら演奏できるということが、こんなに精神的プレッシャーを取り除いてくれるものなのであろうか。
…ソリストが譜面を見てコンチェルトを楽しみながら演奏できる日は、いつ来るのであろうか。…
66「客観的練習のすすめ」
練習には大きく分けて2種類ある。
一般的に呼ばれている練習とは、演奏不可能な箇所を可能にするためのものと考えられている。技術的に難しいところさえ克服してしまえば、この種の練習は成功したと言える。
…
私が演奏家としてこれこそ大切な練習であると感じるのは、もう一つの練習方法である。それは、自分が人前で演奏するということを念頭に置いた練習法である。
…
技術的な練習で獲得したものを効果的に活用させるためにには音色、クライマックスへの持って行き方、構成などを考えることが含まれる。
…この場合、…注意の対象が技術的なものだけに集中しないようにするのが大切である。
67「私の中の四人 イメージ・トレーニング」
技術的な難関を克服したということを自覚するには、その箇所で自分の集中力をすべて技術的なもののために使わず演奏が可能になったことを確認すればよい。…それ(余裕)を使って自分の演奏を常に聴いてくれる大切な聴き手をイメージしてはいかがであろうか。
…
私の場合だと…4人で足りている。その4人とは、尊敬している人のカテゴリーから2人、そして自分のことを親密に思ってくれる人のカテゴリーから2人が選ばれている。つまり、第1カテゴリーからは自分が演奏している作品の作曲家、2人目は自分の音楽的な長所と欠点を熟知している師匠に登場していただく。第2カテゴリーからは、自分の友人と愛する人の2人に登場していただき、…。その人たちに自分の演奏がどう響いているのかを想像してみる。
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