2017年1月7日土曜日

Amazonランキング大賞2016で見る人気クラシック音楽

クラシック音楽部門、2016年(集計期間: 2015年11月16日~2016年11月13日)の「Amazon ランキング大賞 2016」が実に興味深い。

トップ10のそれぞれに、ランキング入りした様々な理由や背景が見えて面白いのだ。何となく見えてくるのは、曲とか演奏家よりも「話題性」とか「実用性」によって選ばれているような気もする。




ジャンルを超えて、アニメとかゲームとの関わりで売れているものもある。これはこれで、クラシック音楽の新しい可能性・展開につながる面白い傾向かもしれない。

以前、2015年上半期の同じ大賞を見て記事を書いている(↓)ので、その比較も含めて、ざっと見てみる。



定番?:育脳・癒し・お得
 
1位:0歳からの育脳クラシック
2位:THE ART OF MIDORI
3位:100曲クラシック=ベストが10枚3000円=
6位:パッヘルベルのカノン~バロック名曲集


1位は『0歳からの育脳クラシック』。2015年上半期と同じで1位キープ、根強い人気があるようだ。子供に対する親心…?


6位の『パッヘルベルのカノン』も前回同様ランクイン。こちらは大人の癒し系?

3位の『100曲クラシック』は、前回(2015年上半期)7位からアップ。こういうのは昔から、ある意味「定番」ですね。

2位の『THE ART OF MIDORI』も実は「お得」感では?と思った。

「MIDORI」とはヴァイオリニストの五嶋みどりさん。

昨年、ソニーからでた「10枚組BOX新シリーズ」の中の1つで、これまでの主な演奏をCD10枚に収めて¥2,648(Amazon)というお得感と「完全生産限定盤」??というのが売れた原因かな?

でも、同じシリーズのマレイ・ペライア『THE ART OF MURRAY PERAHIA』はランクインしていないので、MIDORIさんの人気もあるのだろう。



話題性:グラミー賞、逝去
 
4位:ラヴェル:歌劇「こどもと魔法」
7位:月の光 - シンセサイザーによるメルヘンの世界
10位:月の光 ~ドビュッシー / ピアノ名曲集


4位の『こどもと魔法』は、間違いなく昨年のグラミー賞受賞によるもの。賞の力は大きい。

→✏️小澤征爾 80歳でグラミー初受賞の快挙
※追記@2023/02/03:リンク切れ

7位の『月の光 - シンセサイザーによるメルヘンの世界』は、昨年5月に亡くなられた冨田勲さんのCD。これも「期間生産限定盤」。

10位の『月の光 ~ドビュッシー / ピアノ名曲集』はこの影響?


アニメ、ゲーム関連
 
8位:四月は君の嘘 僕と君との音楽帳
9位:20th Anniversary テイルズ オブ オーケストラコンサート アルバム


「四月は君の嘘」関連では、前回も『四月は君の嘘 トゥインクル リトルスター』がランクインしている。アニメ人気の高さだろう。

9位の『20th Anniversary テイルズ オブ オーケストラコンサート』というのはまったく知らなかったのだが、『テイルズ オブ』シリーズというゲーム関連の音楽らしい。面白い。

クラシック音楽、とくに「現代」の新しいオーケストラ音楽は、映画とかゲームとかとのコラボレーションというのが主流になっていくのかも知れない。



人気ピアニスト?
 
5位:あなたのためのサウンドトラック
12位:THE BEST


5位の『あなたのためのサウンドトラック』は、清塚信也のアルバム。

昔「のだめカンタービレ」でピアノ演奏(吹き替え)を担当したピアニストだが、調べてみると「2013年公開の映画『さよならドビュッシー』で岬洋介を演じ俳優デビュー」しているみたいだ。タレント的人気?なのかな…。

ベスト10ではないが、12位に辻井伸行の『THE BEST』というアルバムが入っている。彼もテレビで見かけることの多いピアニストだ。


こうしてみると、『レコード芸術』とかで選ばれるものとはかなり趣が違っていて、それはそれで面白い ♪


ちなみに、今回は「ブラバン」(『挑戦! ブラバン少女』とか)がなくなったが、吹奏楽の人気も根強いのでまたそのうち出てくるのだろう。



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