読書メモ:『パルランド 私のピアノ人生』
(高橋アキ、2013年、春秋社)
PART 1 レパートリーと共感:その2(記事部分)
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博物館入りしているような名曲を学ぶのも大事だけれど、同時代の音楽を演奏することによって社会に参加していきたいと強く願っていた私だったから、デビュー当時から新作初演は、当たり前の出来事といってよかった。
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新しい音楽をやっていて楽しいことの一つに、作曲家との出会いがある。…いい作曲家ほど(つまり私がいいと思う音楽を書く作曲家ほど)人間も個性的で魅力がある。彼らの音楽観を知り、音符に込められた思いやイメージを知る。そのことで私自身の音楽観がどれだけ拡がり、豊かになったことだろう。
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まだ、評価の定まっていない現代音楽を演奏する者として、厳しい批評精神をもって音楽を、そして時代を見つめていきたいと思う。また、埋もれてしまった宝のような作品を探し出す楽しみも持ち続けたい。音楽は限りない喜びの源泉でもあるのだ。
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レパートリーとは単にすぐ弾けるというだけでなく、自分が好きで弾きたいと思う大事な曲の集合体のはずである。だからレパートリー全体は、当然その演奏家の音楽に対する"フィロソフィー"を表しているわけだ。
32 「私の"好み"の名曲」
エリック・サティ《グノシエンヌ》1〜3番
ジョン・ケージ《季節はずれのヴァレンタイン》《ア・ルーム》
武満徹《ピアノ・ディスタンス》
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