(高橋アキ、2013年、春秋社)
※高橋アキ公式サイト
PART 7 教育・聴衆・文化
258("新しい音"をめぐる教育論)
子供のほうがよっぽど可能性がありますね。…変な先入観を植えつけないでほしいと思うの。中学校なんかに行って現代曲か何かをやると、子供たちはもうのってくる。一柳さんの《ピアノ・メディア》とか《タイム・シークエンス》なんか…
…だいたい耳慣れないものを、ただそれだけの理由で拒んでしまいがちだから。だけど、そんなの作品の価値とはなんの関係もない。耳慣れた音楽の中に安住しているだけにすぎないから。これ、現代だけではなくって、いつの時代でもそうなのかもしれない。…
時代は少しずつ、新しい創造を受けいれて、音楽は豊かさを増していくものなんじゃないですかね。
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インタビュアー:こう時代が進展(※「進展」なのか?)してくると、目に見えないものとか、不思議なものとか、そういう昔は大事な契機(アーティストのインスピレーション)だったのが弱まっている感じもしますね。
高橋:そうですね。だから、何かそういう恐れというか、昔から人間は大自然とかいろいろ恐れるものがあって、その中で何とか折り合いを付けてきたけれど、今は恐れとか、イデアみたいなものがなくなっちゃていて、若い人なんかは何でもありがあたり前みたいなふうになっている。だから、やっぱり何かバックボーンにね、宇宙とか大自然とか、奥深い精神世界とか、そういう中で自分が生かされているような、そいういうことをもうちょっとみんな知っていたほうがいいと思うんです。
【読書メモ完】
『パルランド 私のピアノ人生』
(高橋アキ、2013年、春秋社)
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