✏️チャイコフスキー国際音楽コンクール、国際音楽コンクール連盟から除外される(MCS Young Artists)
ロシア政府(プーチン)によるウクライナでの犯罪的な戦争・非人道的行為を見ると、当然だとは思うのだが…。
✏️Press Release: Exclusion of the Intl. Tchaikovsky Competition(WFIMC/ PDF)
除名の理由は次のようになっている。
「ウクライナにおけるロシアの残忍な戦争および人道的残虐行為を前に、非政治的組織である国際音楽コンクール連盟は、ロシア政府が資金を提供し、宣伝ツールとして使用するコンクールを支援することや連盟に加盟させることは出来ない」
…で、この「除名」によって何が変わるのか?
最初に引用した MCS Young Artists の記事にも書いてあるが、たぶん何も変わらないのではないかと思われる。チャイコフスキーコンクール側やロシア政府にとって「痛くも痒くもない」というところではないだろうか?
新しくできたコンクールなどにとっては、国際コンクールの一つとして承認された…という「名誉」というか「お墨付き」的な意味合いはあるのだろうが…。
次回のコンクール(2023年)も、たぶん普通に開催されるような気がする…。
今年 6月に新たにスタートするラフマニノフ国際コンクールも、ピアノ部門だけで 167人の応募があって、着々と準備が進んでいるように見える。
まぁ、チャイコフスキーコンクール自体、冷戦まっただ中の 1958年に「ソビエト連邦の文化的優位を誇示する」(Wikipedia より引用)という目的もあって創設されたものだ。
結果的には、アメリカ人のヴァン・クライバーンが優勝して、ソ連の思惑通りには行かなかったのだが…(^^;)。
今でも授賞式にプーチンが顔を出したり、入賞者の順位を入れ替えたという噂があったり(↓)…と、政治(ロシア政府)とは無縁のコンクールでは決してない。
第1回で、よくクライバーンの優勝が認められたものだと、逆に驚いてしまう。当時の第一書記のフルシチョフ偉い!…というか、当時のソ連にはまだ余裕があったのかな?
ところで、定年後にピアノを始めて以来、ネットで初めて「観戦」したコンクールがチャイコフスキーコンクールである。それ以来、いくつもの国際ピアノコンクールをネット経由で楽しませてもらっている。「ファン」と言ってもいいかもしれない…(^^;)。
…のだが、実は、コンクールの公平性(や非政治性)などはあまり信用していない。
コンクールに興味を持っていると、こういう情報(↓)に敏感になる。最初は「けしからん!」と思っていたのだが、所詮「人間」のやること、完全な「公平性」というのはあり得ないし、そもそも音楽(の演奏)に順位をつけることなど無理なのだ…。
そういうことを承知した上でも、若い音楽家たちが技を競い合う、よりよい演奏を目指して頑張っている姿には心打たれるし、自分の好みのピアニストを見つけたり応援したりするのもとても楽しい ♪
とはいえ、今年のラフマニノフコンクール、来年のチャイコフスキーコンクールのネット観戦はどうしようかな?…という気持ちもある。
ウクライナの状況を知りながら、その戦争犯罪を犯している政府が金を出しているコンクールを楽しめるものだろうか…???
国際音楽コンクール連盟のサイトを見ていて、もう一つ気になるコンクールがあった。
今年の 4月26日〜 5月 5日にウクライナのキーウ(キエフ)で開催予定の「ホロヴィッツ国際コンクール」である。
"Junior" (under 14 years)、"Intermediate" (from 14 to 19 years)、"Senior" (from 16 to 33 years) というグループごとに毎年順番で行われていて、今年は "Intermediate" グループのコンクールが開催されることになっている。
ウラディミール・ホロヴィッツ(Vladimir Horowitz、1903-1989)は、キーウ(近く?)生まれで、「ウクライナ国立チャイコフスキー記念音楽院」(キエフ音楽院)を卒業している。…ということを、今回初めて知った…(^^;)。
今のところ、中止などの案内は出ておらず、3月 1日には WFIMC からも支援を表明するコメントが出ている(↓)。
"We support in particular our member, the Vladimir Horowitz Competition for Young Pianists in Kyiv."
こんなことを気にせずに、ゆったりと豊かな気持ちで音楽を楽しめる日はいつ来るのだろう? 一刻も早くウクライナの戦火が収まりますように…。
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