2021年11月27日土曜日

来年のピアノのこと3:鍵盤音楽史を学びたいが、音大の授業内容は盛り沢山…

来年の My Piano Life についてボチボチと考え始めている。一昨日は「音楽に関する知識」のうち、楽典などの音楽理論に関するメモを書いた。今日は音楽史について…。


《来年のピアノのこと2:音大のカリキュラムを参考に勉強する内容を考えてみた…》


PTNA:作曲家生没年表より


前回同様、桐朋学園大学の✏️【大学】カリキュラム紹介で見つけた資料(↓ PDF)を参考にすることにした。


…のだが、その「鍵盤音楽史」が凄い! 中身が濃いというか、全部で 4つあって、J.S.バッハから 1965年生まれのエッゲルト(Moritz Eggert)まで盛りだくさん…。


とりあえず、その授業内容をコピペしたのでご参考まで(長文です…(^^;)…)。


鍵盤音楽史 Ⅰ:米田 かおり 講師
  1. 概説、および J.S.バッハ(1685-1750)以前の鍵盤音楽
  2. J.S.バッハ《Das wohltemperierte Klavier(平均律クラヴィ ーア曲集)》をめぐって―楽器、音律の問題
  3. J.S.バッハの鍵盤作品はどのように受容されてきたのか― エディションの問題/ロマン派以後の音楽家とバッハ
  4. 17~18 世紀フランスの鍵盤作品:F.クープラン(1667- 1733)、J.Ph.ラモー(1683-1764)を中心に(1) ―フランス・バロックの鍵盤組曲について
  5. 17~18 世紀フランスの鍵盤作品:F.クープラン(1667- 1733)、J.Ph.ラモー(1683-1764)を中心に(2)―フランス・バロックの鍵盤組曲と J.S.バッハの鍵盤組曲/ 後世への影響(ドビュッシー、ラヴェルの音楽に見られるこ と)
  6. D.スカルラッティ(1685-1757)の鍵盤作品(1) ―D.スカルラッティの生涯と作品、エディションについて
  7. D.スカルラッティ(1685-1757)の鍵盤作品(2) ―作品の特徴や奏法について/後世への影響(グラナドス やアルベニス等)
  8. C.Ph.E.バッハ(1714-1788)の鍵盤作品(1) ―C.Ph.E.バッハの生涯と鍵盤作品/ロマン派の先駆けと なる書法、思想
  9. C.Ph.E.バッハ(1714-1788)の鍵盤作品(2) ―作品の特徴/ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどに与えた影響
  10. J.ハイドン(1732-1809)の鍵盤作品(1) 真作、疑作、偽作の問題/エディションについて
  11. J.ハイドンの鍵盤作品(2) クラヴィーア・ソナタ、クラヴィーア・トリオを中心に
  12. W.A.モーツァルト(1756-1791)の鍵盤作品(1) クラヴィーア・ソナタ、クラヴィーア・コンチェルト
  13. W.A.モーツァルトの鍵盤作品(2) クラヴィーアを含む室内楽/モーツァルト周辺の音楽家に ついて
  14. 学習内容のまとめ

鍵盤音楽史 Ⅱ:上田 泰史 講師

  1. 時代背景とロマン主義の精神:独仏の比較
  2. 楽器の変遷
  3. ジャンル論1 協奏曲と小協奏曲:ヴェーバー、メンデル スゾーン、ショパン他
  4. ジャンル論 2 ソナタ:ショパン、シューマン、アルカン
  5. ジャンル論 3 幻想曲(1):前史~シューベルトまで
  6. ジャンル論 4 幻想曲(2):シューマンとショパン
  7. ジャンル論 5 前奏曲:前史~ショパン、アルカン
  8. ジャンル論 6 練習曲(1):クラーマー、クレメンティ、チェ ルニー
  9. ジャンル論 7 練習曲 (2): ショパン、シューマン、リスト、 アルカン
  10. ジャンル論 8 オペラ/民謡主題に基づく「変奏曲」から 「幻想曲」へ :エルツとタールベルク、リスト
  11. ジャンル論 9 独奏主題による「厳格な」変奏曲:メンデ ルスゾーンほか
  12. ジャンル論 10 バラードとスケルツォ:ショパン
  13. ジャンル論 11 性格的小品 ノクターンと無言歌:フィールド、ショパン、メンデルスゾーン
  14. ジャンル論 12 舞曲(カドリーユ、ワルツ、ポロネーズ)

鍵盤音楽史 Ⅲ:上田 泰史 講師

  1. 19 世紀後半の時代背景(1):ロマン主義/「古典」への 憧憬
  2. 19 世紀後半の時代背景(2):ナショナリズム、象徴主義、 印象主義
  3. 1810 年代生まれの作曲家(1):リストの実験的《ピアノ・ソ ナタ》
  4. 1810 年代生まれの作曲家(2):ヘラーによるメンデルスゾ ーン、シューマン、ショパンの継承
  5. 1810 年代生まれの作曲家(3):アルカンにみる「クラシック」 と「モダン」
  6. 1820 年代生まれの作曲家(1):ゴットシャルクとアメリカ風 異国趣味
  7. 1820 年代生まれの作曲家(2):ロシアの動向、アントン・ ルービンシテイン
  8. 1830 年代生まれの作曲家(1):サン=サーンスのフランス 的/古典的な「明晰さ」
  9. 1830 年代生まれの作曲家(2):ブラームスとドイツ・ロマン 主義/古典主義
  10. 1840 年代生まれの作曲家(3): フォーレによるショパン の継承と現代性
  11. 1840 年代生まれの作曲家(3): シャブリエと「絵画的な」 フランスピアノ音楽
  12. ドビュッシー:ロマン主義から象徴主義/印象主義へ
  13. 19 世紀におけるピアニストとサロン
  14. 19 世紀における演奏の場、プログラミングの変化/19 世紀におけるピアノ教育の役割:パリ音楽院を例に

鍵盤音楽史 Ⅳ:池原 舞 講師
 ※【 】内はキーワード

  1. 調性機能からの脱却【無調、並行和音、教会旋法、半音階、複調】
    • リスト:灰色の雲(1881)
    • ドビュッシー:前奏曲集第 1 巻(1910)より〈沈める寺〉
    • ドビュッシー:ピアノのための 12 の練習曲(1915)より〈半音階のために〉
    • ストラヴィンスキー:ペトルーシュカの 3 楽章(1921)
  2. 色彩へのまなざし【並行和音、教会旋法、神秘和音、MTL、神智学、共感覚】
    • ラヴェル:水の戯れ(1901)
    • スクリャービン:ピアノ・ソナタ第 4 番(1904)
    • スクリャービン:ピアノ・ソナタ第 7 番(1911)
    • メシアン:幼子イエスに注ぐ 20 の眼差し(1944)
    • メシアン:鳥のカタログ(1956)
  3. 12音技法からトータル・セリエリズムへ【12音技法、トータル・セリエリズム】
    • ウェーベルン :子供のための小品(1924)
    • シェーンベルク:ピアノのための組曲(1921-23)
    • メシアン:4 つのリズム・エチュード(1949-50)より〈音価と強 度のモード〉
    • ブーレーズ:ストルクチュール Ia(1951-52)
  4. リズム語法の革新 【変拍子、アクセント、ポリフォニー、ポリリズム】
    • リゲティ:ムジカ・リチェルカータ(1951-53)
    • プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第 7 番(1939)
    • バルトーク:ミクロコスモス(1926-39)より アンタイル:航空ソナタ(1921)
    • リゲティ:ピアノのための練習曲第 1 巻(1985)より〈無秩序〉
  5. ナショナリズムと音楽 【ナショナリズム、原始主義、民謡】
    • バルトーク:ルーマニア民俗舞曲(1915)
    • アルベニス:イベリア(1905-08)
    • シマノフスキ:マズルカ(1924-25)
    • ヤナーチェク:草陰の小径にて(1908)
    • ヤナーチェク:ピアノ・ソナタ「1905 年10月1日 街頭にて」(1905)
  6. ジャズとの融合【ジャズ、ラグ、即興、騒音】
    • ドビュッシー:《子供の領分》より〈ゴリウォッグのケークウォー ク〉(1906-08)
    • ストラヴィンスキー:ピアノ・ラグ・ミュージック(1919)
    • アンタイル:ジャズ・ソナタ(1922)
    • ガーシュイン:ラプソディー・イン・ブルー(1924)
    • カプースチン:8 つの演奏会用練習曲(1984)
  7. 機械と人間【自動ピアノ、微分音、確率論】
    • ストラヴィンスキー:ピアノラのための練習曲(1917)
    • ナンカロウ:ピアノのためのソナチネ(1941)
    • ヴィシネグラツキー:4 分音ピアノのための 24 の前奏曲 (1934)
    • クセナキス:ヘルマ(1962)
  8. 反復音楽【反復、ミニマル・ミュージック】
    • サティ:ヴェクサシオン(1893)
    • ライヒ:カム・アウト(1966)
    • ライヒ:ピアノ・フェイズ(1967)
    • アダムス:フリジアン・ゲイト(1977-78)
    • 一柳慧:ピアノ・メディア(1972)
  9. 引用音楽【引用、コラージュ、新古典主義、パロディ、オ マージュ】
    • ヒンデミット :ルードゥス・トナリス(1942)
    • ショスタコーヴィチ:24 の前奏曲とフーガ(1950-51)
    • サティ:官僚的なソナチネ(1917)
    • シャリーノ:アナルモフォージ(1980)
    • シャリーノ:夜の(1971)
    • クラム:マクロコスモス第 1 巻(1972)より
  10. ダダイズム、シュルレアリスムの周辺〜そしてフルクサス へ【ダダイズム、表情記号、題名、楽譜、フルクサ ス】
    • サティ:(犬のための)ぶよぶよとした本当の前奏曲(1912)
    • サティ:グノシエンヌ第 1 番(1890)
    • サティ:スポーツと気晴らし(1914)
    • シュルホフ:5 つのピトレスク(1919)
    • ケージ:4 分 33 秒(1952)
    • ラ・モンテ・ヤング:デイヴィッド・テュードアのためのピアノ 曲(1960)
    • ラ・モンテ・ヤング:コンポジション 1960(1960)
  11. 図形楽譜【図形楽譜、偶然性】
    • ルリエー:大気のかたち(1915)
    • クラム:マクロコスモス第 1 巻(1972)
    • ケージ:ピアノとオーケストラのためのコンサートより「ピアノ のためのソロ」(1959)
    • 武満徹:ピアニストのためのコロナ(1962)
  12. 不確定性の音楽、偶然性の音楽【不確定性、偶然性、チャンス・オペレーション ズ】
    • シュトックハウゼン:ピアノ曲第 11 番(1956)
    • ブーレーズ:ピアノ・ソナタ第 3 番(1955-57)
    • ラ・モンテ・ヤング:H.F.へのアラビア数字(1960)
    • ケージ:易の音楽(1951)
  13. 特殊奏法、プリペアド・ピアノ【内部奏法、倍音、プリペアド・ピアノ】
    • カウエル:エオリアン・ハープ(1924)
    • カウエル:バンシー(1925)
    • カウエル:不吉な響き(1930)
    • ケージ:バッカスの祭り(1940)
    • ケージ:ソナタとインターリュード(1946-48)
  14. ピアノと身体【クラスター、ペダル、倍音、声、ピアノを弾く身 体】
    • カウエル:歓喜(1919)
    • アイヴス:ピアノ・ソナタ第 2 番「マサチューセッツ州コンコー ド 1840-60 年」(1911-15)
    • 武満徹:ピアノ・ディスタンス(1961)
    • エッゲルト:ハンマー・クラヴィーア第3番(1994)
    • ラッヘンマン:ギロ(1970)
    • エッゲルト:ハンマークラヴィーア第11番「もし一つの国の 一人の作曲家がソロ・ピアノのために 1 秒から成る 60 の小 品を作曲したら?」(1998)


この膨大な一覧表を眺めながら、さてどうしよう?…と思案を巡らせていたのだが…。ふと、違和感みたいなものを感じた…。

よく見ると、私の大好きなベートーヴェンがいない! 32曲のピアノソナタは「ピアノ音楽の新約聖書」じゃなかったっけ?

さらに見ると、チャイコフスキーもラフマニノフもいない…。ショパン、シューマン、リストは入っているが、「ジャンル論」でぶつ切りにされている。シューベルトなどは、その中の「幻想曲」にしか登場しない…(^^;)。

3人の先生方で分担しているので、視点が異なるなど一貫性がなかったり、通史的な観点がなかったりするのだろうか? でも、ベートーヴェンがいない鍵盤音楽史って…(^^;)?


まぁ、元々こんなにビッチリ勉強するつもりもないので、あくまで参考にとどめておこうとは思っている。あと、ある程度知っているJ.S.バッハから現代音楽の途中?までは「落穂拾い」的に、抜けている知識を補うような形にしようかと思っていた。

なので、大まかには次の 3つのテーマになりそうな気がしている。

  1. J.S.バッハ以前
  2. J.S.バッハ〜近代:落穂拾い
  3. 現代ピアノ音楽の俯瞰?

とくに「現代ピアノ音楽」については、時代区分のようなことも含めて知りたいと思っている。もしかすると、近代と現代の境目も?



「現代」について、桐朋学園大学のカリキュラムでは一番新しい作品は、エッゲルトのハンマークラヴィーア第11番(1998年)である(↓)。なので、その後のピアノ作品については調べる必要がありそうだ。


1970年代
ラッヘンマン:ギロ(1970)
シャリーノ:夜の(1971)
一柳慧:ピアノ・メディア(1972)
クラム:マクロコスモス第 1 巻(1972)
アダムス:フリジアン・ゲイト(1977-78)

1980年代
シャリーノ:アナルモフォージ(1980)
カプースチン:8 つの演奏会用練習曲(1984)
リゲティ:ピアノのための練習曲第 1 巻(1985)より〈無秩序〉

1990年代
エッゲルト:ハンマー・クラヴィーア第3番(1994)
エッゲルト:ハンマークラヴィーア第11番「もし一つの国の 一人の作曲家がソロ・ピアノのために 1 秒から成る 60 の小 品を作曲したら?」(1998)


「J.S.バッハ以前」については、聖徳大学音楽文化学科の資料があったので、これを参考にしようと思っている(↓)。名前を知っているのは半分くらい…(^^;)?

✏️鍵盤音楽史 I(聖徳大学:坂崎 紀)

ランディーニ、カベソン、A.ガブリエーリ、バード、ファーナビー、ブル、スウェーリンク、フレスコバルディ、ヴェックマン、ブクステフーデ、シャンボニーエル、ダングルベール、フローベルガー、ベーム、J.S.バッハ、クーナウ


それから、今更ながら思い出したのだが、だいぶ前に『ピアノ音楽史事典』という本を読んだとき「20世紀」についてだけメモ記事(↓)を作成していたのだった…(^^;)。

これも参考になりそうだ…。











おまけ。音楽史について参考になりそうなリンク集。

✏️Music Appreciation(Lumen Learning)

✏️Classical Music Eras: A History of Classical Music(MasterClass):7つの時代区分






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