2021年11月6日土曜日

第18回ショパンコンクールの採点表発表、Final のデータがない…

第18回ショパン国際ピアノコンクールの採点表が公表された。ただ、一番見たい「ファイナル」のデータが含まれていない。あとで出るのかもはっきりしない…(^^;)?




公式サイトの記事は下記。この文末にステージ 1〜3 の採点表(PDF)へのリンクがあるが、"Final" はない。"all the stages" と書いてあるのに…?

✏️18th Chopin Competition - jurors' scoring

また、Wikipedia(↓英語)には一覧表が載っている。上の図はその一部。



仕方ないので、第3ステージまでの採点表にざっと目を通してみた。

まず、最初に驚いたのは、優勝したブルース・リウが全ステージで "Y" が 100% というダントツの成績だったこと。点数もたぶん最高点。

私の聴き方は「上手い/下手」ではなく、個人的な好みなので、この採点はちょっと理解(納得)できないのだが…。まぁ、まだ私の「耳」が未熟なのかも…(^^;)。

あと、Eva Gevorgyan の第3ステージの "Y" 率がガジェヴくんと同じ 88% と高い評価を受けていて、点数でも反田くんに次ぐ 6位となっていることも注目に値すると思う。アンデルシェフスキが「入賞してないのはおかしい」と言っていたのが思い出される。


それから、第3ステージの審査員ごとの評価が分かる採点表(下記 URL に PDF がある、文末にイメージ化したものも添付)もざっと見てみた。


興味本位で、各審査員が付けた点数の最低点から最高点の「範囲」、その最高点を付けたコンテスタントの名前、その審査員が Bruce Liu に付けた点数を一覧表にしてみた。


審査員

範囲

最高点

Bruce

Dmitri Alexeev

18-22

Bruce

22

Sa Chen

18-24

反田、ガジェヴ、Bruce

24

Đặng Thái Sơn

18-23

ガルシア、愛実

s

Akiko Ebi

18-25

ガジェヴ、ガルシア

24

Philippe Giusiano

16-24

Jakub、Bruce

24

Nelson Goerner

17-25

ガジェヴ

24

Adam Harasiewicz

19-23

Kamil Pacholec

22

Kevin Kenner

16-24

J J

20

Arthur Moreira Lima

18-25

Bruce

25

Janusz Olejniczak

18-24

Bruce

24

Piotr Paleczny

18-24

愛実、Jakub、Bruce

24

Ewa Pobłocka

17-25

愛実

24

Katarzyna Popowa-Zydroń

16-24

愛実

21

John Rink

18-25

ガジェヴ、愛実

22

Wojciech Świtała

19-25

Bruce

25

Dina Joffe

19-25

ガジェヴ、愛実

22


Bruce: Bruce Liu
Jakub: Jakub Kuszlik
J J: J J Jun Li Bui


こうやってみると、審査員によって点数の付け方にバラツキがあることが分かる。

例えば、Dmitri Alexeev さんなどは「18-22」と点数の範囲が狭い。そして、23人中 16人に 20点を付けていて、そのうち 10人には "N"、6人には "Y" を付けている。

"Y" を付けた人には 20点以上、"N" を付けた人には 20点以下の点数を付けることになっているので、ルール違反ではないがちょっと微妙な感じがする…(^^;)。

最高点を付けた審査員数で言うと、Bruce Liu が 7人、愛実ちゃんが 6人、ガジェヴくんが 5人とこの 3人が突出している。反田くんに最高点を付けた審査員は 1人。第3ステージではやや精彩を欠いていたかもしれないと思っていたので、それが表れているのか…?

J J Jun Li Bui に最高点を付けた Kevin Kenner さんは、Bruce Liu には 20点(Y)とけっこう辛い点数を付けていて、ちょっと興味深い…。


それにしても、一番興味のある「ファイナル」の採点表と入賞・順位を決めたときの詳細がないというのは、何とももどかしい感じがする。

ファイナルは、1〜10の点数(順位相当なので 1 が最高点)をつける。それを単純集計したものでは決まらずに、1位、2位、3位…などそれぞれの賞ごとに投票して決めたはずである。

なので、その辺りがどうやって決められたのか、ぜひ公表してほしいところだ。


追記@2021/11/07

11月4日に青柳いづみこさんが、Facebook にこんな書き込み(↓)をされている。低すぎる点数を付けた審査員に噛み付いている…(^^;)?


挙げられているのは2次予選の採点で、こんな感じ(↓)。アルゲリッチとネルソン・フレイレの代役だったモレイラ・リマ氏はちょっとどうなんだろう?

  • フィリップ・ジュジアーノ:牛田智大に 14点
  • ネルソン・ゲルネル:牛田智大に 15点
  • ダン・タイソン:ガルシア・ガルシアに 15点
  • モレイラ・リマ:香港のシャム、ロシアのムン、ベトナムのヌグエンに12点
  • モレイラ・リマ:アメリカのタロン・スミスに14点
  • 審査員長のズィドロン:ロシアのムンに14点


参考:第18回ショパンコンクール第3ステージ採点表






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