先月末に、それまで練習していたベートーヴェン「月光」ソナタの第2楽章を終わりにして、次の練習曲を探しているときに、ネルソン・フレイレが亡くなったことを知った。
SNS で、ネルソン・フレイレのお気に入りアンコール曲 "Mélodie"(Gluck/Sgambati)というのが紹介されていて、聴いてみるとこれがとても良かったのだが…。
聴いたのは BBC Proms でのアンコール演奏(↓)。亡くなったことを知って聴くと、思わず涙が出そうになるほど、切々とした美しい曲だ。
上の音源は少し録音状態が良くないので、"Nelson Freire/ Encores" という CD からの音源(↓)もご紹介しておく。
この "Mélodie" は、グルック(Christoph Willibald Gluck、ドイツ、1714-1787)が作曲したオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』(伊: Orfeo ed Euridice)を、イタリアの作曲家ジョヴァンニ・ズガンバーティ(Giovanni Sgambati、1841-1914)がピアノソロ用に編曲した中の 1曲。
原曲は、第2幕 2場のバレエ音楽「精霊の踊り」で、フルートと弦楽合奏で演奏される。この曲は、ヴィルヘルム・ケンプもピアノ曲に編曲しているようだ。
で、試し弾きをしたくて楽譜を探した。いつもお世話になっている IMSLP で見つけた。
…のだが、3弾楽譜(↓)になっている。見るからに難しそう。少しだけチャレンジしてみたが、とても私の手には負えない…(^^;)。ということで、あえなく諦めた…。
ちなみに、この曲が収められている "Nelson Freire/ Encores" という CD にはネルソン・フレイレのアンコール・ナンバーが 30曲入っている。今後の選曲の参考になるかも ♪?
Nelson Freire/ Encores
収録曲は下記。青字にしたのは一通り聴いて気に入ったもの。ネルソン・フレイレはグリーグも好きだったようだ ♪
- Gluck: Orfeo ed Euridice, Wq. 30 - Melodie (Arr. Sgambati)
- Purcell: Hornpipe in E Minor, Z.T685
- D. Scarlatti: Sonata in D Minor, K. 64
- D. Scarlatti: Sonata in B Minor, K. 377
- Stojowski: Aspirations, Op. 39 - 1. Vers l'azur
- Paderewski: Miscellanea, Op. 16 - 4. Nocturne in B-Flat Major
- R. Strauss: 6 Lieder, Op. 17, TrV 149 - 2. Standchen (Arr. Godowsky)
- Grieg: Lyric Pieces Book I, Op. 12 - 1. Arietta
- Grieg: Lyric Pieces Book I, Op. 12 - 2. Waltz
- Grieg: Lyric Pieces Book I, Op. 12 - 5. Popular Melody
- Grieg: Lyric Pieces Book II, Op. 38 - 1. Berceuse
- Grieg: Lyric Pieces Book III, Op. 43 - 2. Solitary traveller
- Grieg: Lyric Pieces Book III, Op. 43 - 4. Little Bird
- Grieg: Lyric Pieces Book III, Op. 43 - 6. To Spring
- Grieg: Lyric Pieces Book IV, Op. 47 - 4. Halling
- Grieg: Lyric Pieces Book V, Op. 54 - 1. Shepherd's Boy
- Grieg: Lyric Pieces Book VIII, Op. 65 - 6. Wedding Day at Troldhaugen
- Grieg: Lyric Pieces Book IX, Op. 68 - 3. At your Feet
- Grieg: Lyric Pieces Book IX, Op. 68 - 5. At the Cradle
- Rubinstein: Melody in F, Op. 3, No. 1
- Scriabin: 2 Poemes, Op. 32 - 1. Poeme in F-Sharp Major
- Rachmaninoff: 13 Preludes, Op. 32 - No. 10 in B Minor: Lento
- Rachmaninoff: 13 Preludes, Op. 32 - No. 12 in G-Sharp Minor: Allegro
- Shostakovich: 3 Fantastic Dances, Op. 5 - 1. March: Allegretto
- Shostakovich: 3 Fantastic Dances, Op. 5 - 2. Waltz: Andantino
- Shostakovich: 3 Fantastic Dances, Op. 5 - 3. Polka: Allegretto
- Granados: Goyescas - Suite - 4. Quejas o la maja y el ruisenor
- Mompou: Scenes d'enfants - 5. Jeunes filles au jardin
- Albeniz: Espana, Op. 165 - Tango in D Major (Arr. Godowsky)
- Albeniz: Navarra (Compl. Severac)
実はもう一つ、今回の選曲に関連してネルソン・フレイレとの出会いがあった。
そのときに聴いたのがこのネルソン・フレイレの素晴らしい演奏(↓)。
♪ Brahms: 7 Piano Pieces, Op.116 - 4. Intermezzo in E Major
これを聴いて、かなりこの曲に心が傾いたのだが、弾けそうかどうか怪しい…(^^;)。
これを聴いて、かなりこの曲に心が傾いたのだが、弾けそうかどうか怪しい…(^^;)。
上の音源の元はこの CD(↓)のようだ。メインは「ピアノ・ソナタ 第3番」で、12曲の小品がカップリングされている。この CD もあとで聴いてみようと思っている ♪
Nelson Freire/ Brahms
(収録曲)
- ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 作品5
- 8つの小品 作品76: 第3曲: 間奏曲 変イ長調
- 8つの小品 作品76: 第4曲: 間奏曲 変ロ長調
- 幻想曲集 作品116: 第1曲: カプリッチョ ニ短調
- 幻想曲集 作品116: 第4曲: 間奏曲 ホ長調
- Intermezzi, Op.117: 第2曲: 間奏曲 変ロ短調
- 6つの小品 作品118: 第2曲: 間奏曲 イ長調
- 6つの小品 作品118: 第3曲: バラード ト短調
- 4つの小品 作品119: 第1曲: 間奏曲 ロ短調
- 4つの小品 作品119: 第2曲: 間奏曲 ホ短調
- 4つの小品 作品119: 第3曲: 間奏曲 ハ長調
- 4つの小品 作品119: 第4曲: ラプソディ 変ホ長調
- 16のワルツ集 作品39: 第15番 変イ長調
…と書いていて、ふと思い出したのが、以前にネルソン・フレイレのインタビュー記事か何かを読んでブログに書いたこと。
探してみると、古いブログにあった…ので、早速こちらのブログに引っ越してきた…(^^)♪ 今読み返してみても、このインタビューはとてもいいと思う ♪
そして、自分のブログ記事を読んでみると、実はこのブラームスの CD は発売された 4年前に、上の記事を書きながら聴いていた…(^^;)。
…ということで、練習する次の曲を選んでいる途中で、思わずネルソン・フレイレの演奏を鑑賞するモードになって、候補曲はまだわずかしかない。
ブラームスの Op.116-4「間奏曲」が何とかなりそう…という感触を得られれば、ちょっとやってみたい気持ちにはなっているのだが…。
まぁ、あと少し考えてみるか…(^^)♪
最後になってしまったが、ネルソン・フレイレのご冥福をお祈りしたいと思う。
実は、ウチのカミさんがネルソン・フレイレの大ファンで、本当に悲しいと言っていた。私も、直前にショパンコンクールの審査員辞退があって、気にかけていたので、自分でも不思議なくらい辛い気持ちになっている…。
これまであまり聴いてこなかったピアニストだが、アルゲリッチとのデュオも含めて、残された音源を少し聴かせて戴こうかと思っている。
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