2021年9月29日水曜日

Bach100: ヨハネ受難曲 BWV245 オランダバッハ協会の演奏が素晴らしい ♪

「J.S.Bachの作品100曲を聴く」《Bach100BWV🎧》プロジェクト、今日はいよいよ大曲の一つ「ヨハネ受難曲」Johannes-Passion、BWV245。

昔何度か聴いている筈だが、はっきりと聴き覚えがあるというほどではない。マタイ受難曲 BWV244 の方が有名らしいが、作曲(初演)された順番ということで、先にヨハネ受難曲を聴くことにした。


BWV245 🎼バッハ(1685-1750)の作品一覧/Wikipedia


2時間ほどかかる作品なので、YouTube で少しずついくつか聴いてみた結果、一番気に入ったのはオランダバッハ協会の演奏。出だしの響きからして素晴らしい ♪

個人的には、「テオルボ」というリュートをかなり長くしたような通奏低音(バッハ協会が追加したらしい)の音が効いていると思う。

指揮は Jos van Veldhoven(ヨス・ファン・フェルトホーヴェン、オランダ、1952〜)。ソリスト(声楽)は下記。2017年 3月11日、ナールデン大教会 (Grote Kerk Naarden) での録音。

Raphael Höhn, evangelist (tenor)
Myriam Arbouz, soprano
Maria Valdmaa (Maid), soprano
Daniël Elgersma, alto
Marine Fribourg, alto
Gwilym Bowen, tenor
Guy Cutting (Servant), tenor
Felix Schwandtke (Jesus), bass
Drew Santini (Peter), bass
Angus Mc Phee (Pilate), bass

YouTube に載っている解説によると、歌い手やリーダー以外の器楽奏者は、オーディションで選ばれてマスタークラスで訓練を受けた 35歳以下のメンバーだそうだ。


ちなみに、オランダバッハ協会は 2008年 2月に来日していて「ヨハネ受難曲」を演奏している。この時の感想をブログに書いている人が何人かいた。

それによると、フェルトホーヴェンの指揮は同じだが、声楽家は次のようになっている。

ゲルト・テュルク(T/福音史家)
ステファン・マクレオー(Bs/イエス)
マリア・ケオハナ(S)
マシュー・ホワイト(C-T)
アンドルー・トータス(T)
ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(Bs/ピラト、ペテロ)


参考にしたブログ記事は下記。加藤浩子さんは音楽評論家でバッハやオペラに関する著書も出されているようだ。



✏️バッハ:ヨハネ受難曲BWV245(芸の不思議、人の不思議)


「受難曲」というのは、キリスト教の復活祭(4月)の頃に演奏されることが多いそうだ(初めて知った…(^^;)…)。正確には復活祭前の「受難節」、その聖金曜日の頃となる。

復活祭はイエスの復活を祝うお祭りだが、その前に「受難」つまりイエスの捕縛・裁判・磔刑があるわけで、「受難曲」ではその辺りを中心にした内容になっている。

ちなみに、下記記事によると、オランダでは「復活祭前の受難節には各地で開かれる受難曲コンサートを避けて通るのは難しい」ほど盛んに演奏され、日本の年末の「第九」に近い状況になるようだ。



このヨハネ受難曲の構成であるが、全体で 40曲からなり、演奏時間は 2時間弱。

キリストの受難(捕縛されてから十字架の上で処刑されるまで)のストーリーに音楽をつけて、オラトリオ(音楽劇)風に構成されている。

エヴァンゲリストによる語り(レチタティーヴォ)、登場人物などによる歌(アリア)、合唱の 3種類の音楽が交互に演奏されて物語が進んでいく。

合唱には、全体のテーマや雰囲気を歌い上げる合唱、群衆の声を歌う「トゥルバ(群衆)合唱」と、コラールとがある。

10曲ほど挿入されるコラールは、劇から離れて「出来事や発言の意味は何だったのだろうかと…神学的な内省を行う」(ある意味、聴衆と一緒に…)部分になる。

簡単にいうと、「語りが話を進め、歌が登場人物の心情を代弁し、合唱やコラールが我々…つまり聴き手であり信仰を持つ側の共感を訴える」といった感じ…。


主な登場人物(ソロ)は次の通り。

  • エヴァンゲリスト(福音史家=ナレーター的役割):テノール
  • イエス:バス
  • ペテロ(イエスの弟子):バス
  • ピラト(無罪を認めながらイエスの処刑を指示したローマ帝国の総督):バス

その他に、Maid(ソプラノ)、Servant(テノール)など。

以上、主な出典記事は下記。


✏️正しい?ヨハネ受難曲の聴き方(清水誠:PDF)

✏️BWV245ヨハネ受難曲(Johannes-Passion)解説(頑張る指揮者 津田 雄二郎 Darts-studio)


さらに詳しい解説や対訳もあり、分からないドイツ語の中身の翻訳や解説を見ながら聴いてみるのもいいかも知れない。詳しい順に並べたつもり…。

✏️J.S.バッハ ヨハネ受難曲 BWV 245 解説及び歌詞対訳(ムシカ・ポエティカ:淡野太郎)

✏️ヨハネ受難曲 BWV245(Ensemble Bach)

✏️《ヨハネ受難曲》の物語(Ensemble Voce)


その他の参考記事。



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