明日あたり?韓国デビューのリサイタルで「夜のガスパール」を弾くらしい…。
個人的にもあとで読み返したいと思ったので、全文引用=コピペさせて戴いた…(^^;)。
ちなみに、務川くんのツイッターの自己紹介文(↑)、これも初めて読んだがちょっと文学的で面白い…(^^)♪
なお、プロのピアニストに対して「くん」付けは失礼だと思いつつ、我が家では親しみを込めて「務川くん」と呼んでいるので、ここでもそう呼ばせてもらうことにします…。
全文引用の前に、面白いと思ったポイントをいくつか…。
ラヴェルが「印象派的なピアノ書法」を、水の戯れ→ソナチネ→鏡→夜のガスパールという順に次第に練り上げていった、その到達点が「夜のガスパール」だということ。
なので、その後の「高雅で感傷的なワルツ」「クープランの墓」は「印象派的テクスチュアからは少し離れた書法」で書かれている。そうなんだ…。
「演奏技巧というかピアニズムというのは、そのものが最早アートの一部だと僕は思っていて…」のくだりは面白い。これは共感できる ♪
「ピアノ演奏技術を然るべき形でふんだんに活用した作品が僕は好きだ…」というのは、ピアニストとして演奏する側の感想だと思うが、聴き手としても、個人的にはそういう作品は好きだし面白いと思う。
ピアノ作品はピアノ(楽器)の魅力を最大限に引き出すものであってほしい。そういう意味でも、ラヴェルのピアノ作品は大好きである…(^^)♪
「夜のガスパールは…、僕の個人的評価としてはピアノ演奏技術の限界の範囲内にちょうどギリギリ収まっていて、つまり十分な訓練と合理的な手の使い方を徹底すれば無理なく弾けるようになっている」のところもナルホドと思った。
「ピアノ演奏技術の限界」というのは、プロレベルの話だとは思うが、私のような下手な素人にもそのレベルでそれなりの「演奏技術の限界」があって、その限界の範囲内の曲を選ぶ必要があるのかなぁ…などと余計なことも考えてしまった。
練習を始めたばかりのシャブリエの「牧歌」は、私のレベルでは限界を超えているのかも知れない…(^^;)。「合理的な手の使い方」は練習する中で考えてみようとは思うが…。
あとは(…というか、初めから…(^^;)?…)、原文を読んでいただいた方が早いと思う。それにしても、ツイッターでこんな長文をアップできるのはすごい…(^^)!
(以下、務川慧悟くんのツイートからの引用)
ラヴェルのピアノソロ作品のうち主要なものはほとんど各7~8回以上は本番にかけてきたけれど、唯一いちどしか人前で演奏したことのないものがある:夜のガスパール。
それは何も好きでないからというわけではなくて、ほとんど20世紀前半の遺産といってもよいくらい天才的なこの作品を真にあるべき姿で再現するのは並大抵のことではないと思うからだ。
ラヴェルが所謂印象派的なピアノ書法を、水の戯れ→ソナチネ→鏡→夜のガスパールという順に次第に練り上げていって、夜のガスパールは完全にその到達点と言えると思う。それが証拠に、その後ラヴェルは高雅で感傷的なワルツとクープランの墓、というそれぞれ印象派的テクスチュアからは少し離れた書法でしか曲を書いていない。
ところで、演奏技巧というかピアニズムというのは、そのものが最早アートの一部だと僕は思っていて、それはつまり頭の中には無限に広げることのできる想像の世界と、楽器という本来何かしらの限界を持った"機器"との境界は音楽をするにあたって常に課題となるに違いなく、その差異をどのように埋めてゆくのかが作曲家の挑戦であり創造そのものの一部だから。
だからこうした、ピアノ演奏技術を然るべき形でふんだんに活用した作品が僕は好きだ。
夜のガスパールは演奏困難な曲として知られているけど、僕の個人的評価としてはピアノ演奏技術の限界の範囲内にちょうどギリギリ収まっていて、つまり十分な訓練と合理的な手の使い方を徹底すれば無理なく弾けるようになっている(まぁそれが難しいんだけど)。
ちなみにスカルボはバラキレフのイスラメイの演奏難度を越えるよう意識して書かれたというけれど、僕にとってはイスラメイは一般的な人間の手の限界をギリギリ越えてしまっている(だから弾く時はどうしてもちょっと誤魔化す)、スカルボはその意味では自己の手の動きに対し完璧な自覚を持ってさえいれば無理なく弾ける。
ということでこの2曲を、僕は自分の思うピアノ技術の限界線の話をしたい時よく例に出す。それで、当時ラヴェルの用いていたあまり前例のない特有の書法(いわゆる印象派的な)に、これだけの技巧が結びついてくれたことを僕は素晴らしき奇跡と思っている。
そんなこんなで…この夜のガスパール、これから演奏にゆく韓国で明後日とても久々に弾くので、ここしばらくはこの曲に付きっきりだった。
上記のようなことを言ったとはいえやっぱり普通にムズかった(🥲)けれど、紛れもなくやはり素晴らしい作品だねぇ…
あの時代のフランスに固有な音楽語法が極限のピアニズムによって高い次元へと昇華される…それを演奏として実現するのは大変に困難なことだけれどがんばりますそしてまた日本でも今後しばしば弾いてゆきたいものですのぅ
(引用は以上)
ラヴェルのピアノソロ作品のうち主要なものはほとんど各7~8回以上は本番にかけてきたけれど、唯一いちどしか人前で演奏したことのないものがある:夜のガスパール。それは何も好きでないからというわけではなくて、ほとんど20世紀前半の遺産といってもよいくらい天才的なこの作品を真にあるべき姿で
— 務川 慧悟 Keigo MUKAWA (@keigoop32) September 6, 2021
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