2018年8月7日火曜日

「レントより遅く」のお手本はやはりドビュッシーの演奏♪?

《▼ドビュッシー「レントより遅く」和音の集中練習!?》で書いたように、練習状況としては「引っかかる部分」をクリアするため、主に和音の反復練習をしている。

まず確実に弾けるようにすることが先決なのだが、どういう風に弾いたらよいのかよく分からない部分もあり、少しプロの演奏を聴いて参考にしようと思った。




YouTube にある音源をいろいろ聴いてみたのだが、ダントツにこれが好み!というものが見つからない。自分自身、曲のイメージが持てていないのかもしれない。

何となく、好みの順番に並べてみると…。


 Claude Debussy, 'La plus que lente'

ジャック・ルヴィエの演奏は、やや大人しい感じが上品で私の好み。ただ、この曲はもう少し際どさ?とか皮肉っぽい感じが必要なのか?とも思う。金子一朗さんの言葉(↓)。

それほど上品ではない普通のカフェで当時流れていたあまり上品ではないワルツを題材にして、それを皮肉タップリに、しかし、極めて上品な形で作曲しました


 Debussy - La Plus Que Lente - Valse - Aldo Ciccolini -Edgar Degas.

そう意味では、アルド・チッコリーニはいい雰囲気を出しているかもしれない。


 Samson Francois plays Debussy La Plus Que Lente

サンソン・フランソワの場合、もっと皮肉が効いている感じがして面白いけど、部分的には激しすぎたりして、ちょっと真似できそうもない。


とりあえず、この3人が割と私の感覚にあっているかな?と思った。


ちょっと古いピアニストも聴いてみたが、悪くはないのだけど私の好みではない。

 Debussy, Claude; La plus que lente(アルトゥール・ルービンシュタイン)

 Sviatoslav Richter plays Debussy La plus que lente(スヴャトスラフ・リヒテル)


実はチョ・ソンジンの演奏が一番最初に出てきたのだが、これはちょっと…(^^;)。この曲は彼には合わないような気がする。

 Seong-jin cho 드뷔시 '렌토보다 느리게'│Debussy - La plus que lente


で、もう一つ参考にしようと思ったのがドビュッシー自身による演奏。といっても、直接の録音ではなく、当時の「自動ピアノ」のためにドビュッシーが残した「ピアノロール」(作曲の3年後 1913年制作らしい)による再現演奏である。

YouTube には二つの音源があったが、たぶん再現したピアノが違うため、音はかなり異なっている。最初のはホールで "Steinway Welte" と書かれたグランドピアノでの再生。

 Claude Debussy plays for Welte-Mignon

 Claude Debussy (1862-1918): "La plus que lente"


「ピアノロール」の再現性とか問題はあるのかも知れないが、これもお手本の一つにしようと思っている。


もう一つ、直接弾き方の参考にはならないかも知れないが、面白かったのがドビュッシー自身によるオーケストラ版。楽器として、弦楽器、フルート、クラリネット、ピアノ、そしてツィムバロンが使われている。雰囲気があってなかなかいい ♪

 Claude Debussy - La plus que lente (Orchestral Version) [With score]


おまけ。最初に使わせてもらった写真は、この CD(10枚セット)のジャケットカバー。日本語では「ドビュッシー/歴史的初期録音集」

Debussy: His First Performers



ドビュッシーのピアノロールから始まり、ドビュッシーらのピアノ曲の初演者として歴史に名を残すリカルド・ビニェス、ドビュッシーと同時期にパリ音楽院に学んでいたアルフレッド・コルトー、ビニェスとコルトーからその教えを引き継いだマルセル・メイエらによるピアノ演奏」が入っている。名指揮者や歌手による初期の演奏とともに…。

0 件のコメント: