2人目はケヴィン・ケナー(Kevin Kenner)。1963年生まれのアメリカのピアニストで、1989年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール、1988年のジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクールに入賞し、1990年にはチャイコフスキー国際コンクール第3位、ショパン国際ピアノコンクール第2位(1位なし)となっている。
本日、北海道旭川市でオール・ショパンのリサイタルを予定している。なお、下の写真はアイエムシー音楽出版のサイトからお借りした。
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ケヴィン・ケナーが1位なしの2位になったショパンコンクールで、審査員をしていた中村紘子さんの評価は1次予選から「優勝間違いなし」というものだった。…が、もともと胃腸が弱い彼は体調が悪く、審査が進むにつれて精彩を欠いていき、結果として1位は取れなかったという話が残っている。
ショパンコンクールでは、2010年には審査員を務め、2015年には優勝したチョ・ソンジンからの依頼によりコンクール直前に集中レッスンを行って、見事優勝に導いている。
2011年以降、ヴァイオリニスト、チョン・キョンファのデュオパートナーとして世界ツアーに参加し活躍している。また、教育者としては、英国王立音楽大学教授を経て、2015年9月より米国マイアミ大学フロスト音楽校教授。
プロフィールは、YAMAHA Pianist Lounge のインタビュー記事 に載っているものが詳しくて、分かりやすかった。
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YouTube にある音源をいくつか聴いてみた。
♪ Kevin Kenner - GIP 2014 - Chopin
ショパン弾きということで期待して聴いてみたが、舟歌も「英雄」ポロネーズも、私の感覚からすると普通(に上手い)。でも、それ以上に惹きつけられるものは感じなかった。ただ、録音の違いなのかこの演奏(↓)は美しいと思った。
♪ ショパン 舟歌 嬰ヘ長調 作品60 (Barcarole)/ケヴィン・ケナー
また、ショパンの中で比較的気に入ったのは次の「アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ」。
♪ Kevin Kenner – Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major, Op. 22 (1990)
でも、聴いた中で一番「ちょっといいかな♪」と思ったのは次のパデレフスキのノクターン。あまり聴いたことのない曲だがなかなかいい。
♪ Kevin Kenner _ Paderewski Nocturne, Op 16 No 4
で、チョン・キョンファとのデュオも聴いてみた。私の好みとしてはソロよりもこのデュオで弾いているケヴィン・ケナーの方が好きだ。アンサンブルが見事だと思った。
♪ Kyung Wha Chung plays Franck violin sonata (2016)
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で、(ソロ)ピアニストとしての好みで言えば、残念ながら「お気に入り」には入りそうもない…、というのがとりあえずの結論。
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