2018年1月14日日曜日

ヘルムート・ラッヘンマン:ピアノ曲探索 ♪

1月6日の記事《リーズコンクールの課題曲:ピアノ曲探索はここから ♪》に書いたように、今年の「ピアノ曲探索」はリーズ国際ピアノコンクールのセミファイナルの課題曲から始めようと思う。

今年の目標:《2018年 My Piano Life の目標 ♪》 に書いた「新しいレパートリーを探す」ために、「今年は最初から自分で弾く(練習する)ことを想定した探し方をしてみよう」ということからするとちょっとずれるのだが、相変わらず現代のピアノ曲にも興味があるので、まぁいいか、ということで…(^^;)。

で、初めて聞く名前の作曲家からということで、今日は Helmut Lachenmann から。課題曲となっているのは "Schubert Variations" という曲。




Helmut Lachenmann(ヘルムート・ラッヘンマン)は、1935年シュトゥットガルト生まれ、ドイツの現代作曲家。ルイジ・ノーノの最初の弟子で、その後、シュトックハウゼンにも師事、というあたりで現代音楽の王道?を歩いてきたような人だと想像できる。

プロフィールで一番分かりやすかったのが下記。

✏️ヘルムート・ラッヘンマン[作曲家・2009年度武満徹作曲賞審査員]

これによると、「60年代前半からヴェネツィア・ビエンナーレやダルムシュタット国際現代音楽夏期講習などで作品を発表。60年代後半からは斬新な楽器の扱いにより新たな境地を見せ、以後、伝統的な要素を背景に垣間見せつつまったく新しい音響世界を追求する厳格な作風で、現代作曲界に確固たる地位を築き上げている」のだそうだ。

ここにある「斬新な楽器の扱い」はピアノにも登場する。(後述)

昨年、ピエール=ローラン・エマールさんが受賞した、音楽のノーベル賞とも言われる「シーメンス音楽賞」を1997年に受賞している。

ちなみに、最初の写真はお孫さん?とピアノを弾いている優しい表情のラッヘンマン。他のプロフィールなどに登場する写真はコワモテ?の顔が多いので、YouTube にあった動画(↓)からお借りした。この後お母さんらしき人も加わって「猫踏んじゃった」の合奏 ♪

 mit Opa Helmut am Klavier


さて、課題曲となっている "Schubert Variation" は楽譜付きで YouTube にあったので聴いてみた。最初のテーマのところで「あ!弾けるかも…」と思ったのもつかの間、変奏はとても無理。そりゃそうだ、コンクールの課題曲なんだし…(^^;)。

 Helmut Lachenmann - Schubert Variations (w/ score) (for piano) (1956)

曲は意外といい感じ。それほど「現代音楽」という感じでもないし、特殊奏法も出てこない。まぁ、コンクールで内部奏法とかは、あまりやらないのだろう。

ちなみに、弾けるかもと思ったテーマの部分は、シューベルトのワルツ "cis-Moll, D643"。


次に聴いたのがラッヘンマン自身の演奏によるコレ(↓)。

 Guero - Helmut Lachenmann

ちょっと面白い。鍵盤前面奏法とでも言うのだろうか、鍵盤のキーの前面(側面?)を指の先(爪)でグリッサンドしたりしている。まさに「斬新な楽器の扱い」! 百聞は一見にしかず…、動画をご覧あれ。

関連動画に "with score"(↓)というのがあったので見てみた。楽譜は下の絵のような感じ。何をどうしたらよいのか、この楽譜からは読み取れない…(^^;)。

 Helmut Lachenmann, Guero (for piano), 1969, with score

その他、YouTube の音源をいくつか聴いてみた。

 Wiegenmusik (1963) by Helmut Lachenmann

本人の演奏によるアンコールか何かの小曲。こういうテイストの曲は好きだが、短いこともありやや物足りない印象。私にちょうどよい「現代音楽」レベル?


 Helmut Lachenmann: Serynade für Klavier (1997/1998) Jan Gerdes- piano

聴いた中では一番ボリュームのある(38分ちょっとの)曲。「現代音楽」すぎて、私にはちょっと消化できない。音を出さずにキーを押さえて他の音を弾いたり、クラスター奏法を繰り出したり、内部奏法が出てきたりで、部分的には面白いところもあるのだが…。


 Helmut Lachenmann - Ein Kinderspiel (VIDEO REQUEST)

タイトルからしても子供向けなのかな?個人的な感想としては、ちょっと退屈…。


ところで、日本にも縁が深い人のようで、プロフィールで引用したページは2009年に「武満徹作曲賞」の審査員をしたときのものだし、このページの下の方に紹介されているピアニストの菅原幸子さんは奥様だそうだ。

✏️ヘルムート・ラッヘンマン[作曲家・2009年度武満徹作曲賞審査員]

他にも、「2000年3月歌劇《マッチ売りの少女》の演奏会形式日本初演、ならびに2003年12月サントリーホール国際作曲委嘱シリーズでのオーケストラのための《書》の世界初演の際に来日」とあるし、実は昨年も来日していたという記事(↓)もあった。

✏️今もっとも影響力のある作曲家、ヘルムート・ラッヘンマンが来日! 欧州の内側から現代音楽を脱皮させてきた鬼才を聴く


でも、全体的には「現代音楽」レベルが高すぎて、コンサートなどに行く機会もなさそうかな…(^^;)?



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