今回は1枠1時間しか取れなかったので、カミさんと私と30分ずつ。最初にカミさんがバッハとシューマンを弾いて、そのあと私がシューベルトのソナタ18番第1楽章を弾く。
シューベルトは、PTNAのピアノ曲事典で見ると18分ほどかかることになっているが、私の場合、テンポがゆっくりな上に弾き直しなどもあり、家での練習では「提示部」の繰り返しなしでもゆうに30分はかかってしまう…(^^;)。
なので、最後まで一通り弾けるか一抹の不安を抱きながら最初の和音を弾いた。「あれっ?なんか違う?」と思ったが、家で弾くのとはピアノも環境も違うわけだし、まぁこんなものかと思いながら弾き進めた。
いつもより頻繁に引っかかったり弾き直したりしながら、なんとか最後まで来て、終わってみればちょうど30分。何とか1回は弾き通すことができたのでとりあえずは良かった。
…のだが、何だか思ったほど達成感がない…?
まぁ、練習不足で気持ちよく弾けるレベルに達してないというのもあるのだが、ホールの音響のせいもあったのではないかと思う。
実は、カミさんが弾き終わったあとに、「このホール、自分の音が聴こえないみたい」「音が響かなくてポコポコした音に聴こえる」と言っていたのだ。そばで聴いていた私は、少し反響が大きすぎるのかな?と感じていたので、ちょっと意外だった。
そういう、弾いている音がピアニストに聴こえづらいホールがあるという話は聞いたことがあったのだが、そのときは実感としてどういうものだか分かっていなかった。
で、自分が弾いているときに感じたことを振り返ってみると、「聴こえない」というよりも「自分の弾いた音がどこかに行ってしまった」という感覚。
結果として「十分な大きさの音が出てないのでは?」という不安が頭をもたげ、いつの間にか必要以上に指が力んでしまって「脱力」どころではなくなっている…。
強弱やタッチのコントロールが上手くいかなくなり、弾いている間じゅう「もどかしさ」のようなものを感じていたように思う。聴こえてくる音が痩せているというのか、音の色合いが感じられず、今ひとつ面白くない…。
ホールによっては自分の弾く音が聴こえなくて、とても弾きづらいことがある、という話を自分の感覚として実際に感じられたことはいい経験にはなったが、「ホールで気持ちよくグランドピアノを鳴らしたい」という願望は、残念ながら叶えられなかった。
それにしても、プロのピアニストはこんなホールで弾くときはどうやっているのだろう?もちろん豊富な経験と技術があるわけで、リハーサルの中で弾き方を調整したりしているんだろう…たぶん。
私の場合そんな能力はないので、単純に「このホールは今回限り!」としたい…(^^;)。
ただし、リサイタルを聴きに行くホールとしてはOKだ。弾いている人に聴こえない分(なのか?)客席ではちゃんとした音が聴こえているらしい。カミさんが客席で聴いていて大丈夫だったと言っていたので…。
もう一つ感じたのは「中途半端な暗譜はダメだ!」ということ。
《近況:「暗譜」を前提とせず「楽譜を見て弾く」練習をしようかな?》という記事でも書いたように、今回の「暗譜」はかなり「まだら模様」になっていた。
そこで、暗譜できていない「展開部」だけ楽譜を見て弾くことにした。…のだが、実は「展開部」の中でも暗譜している箇所があって、その部分は楽譜を見ない方が楽なのでつい楽譜から目が離れてしまう。すると…当然のようにその次の部分で「迷子」に、つまりどこを弾いているのか分からなくなってしまう…(^^;)。
なので、完全に「暗譜」で弾くのか、「楽譜を見ながら弾く」技術を習得するのか、どちらかに決めないといけないと思ったのだ。曲によってどちらにするかを決めてもいいのかも知れない。
その辺りはもう少し考えてみようと思っているが、とりあえずは「このシューベルトは『完全暗譜』を目指す」、そして「楽譜を見ながら弾く」練習は12月になってから始める(練習方法を考える)ことにしようと思う。
…ということで、今回の「ホールでグランドピアノ」は「よかった!♪」ということにはならなかったのだが、面白い経験にはなったと思う。でも、なんだか疲れた〜(^^;)〜。
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