「順番」という意味は、簡単にいうと、新しい曲を始めたときから「全体を練習する」のか、最初はブロックごとに「順番に練習する」のかということである。全体といっても、部分練習を全曲にわたってやることにはなるのだが。
ドビュッシーの「アラベスク 第1番」のときは、早く全体を弾きたいこともあり、最初から「全体を練習する」という方法になってしまった。結果的には、最初の3週間くらいほとんど進歩を感じられずに苦戦することになった。
このときは、途中から全体をブロックに分けて、ブロックごとに集中的に練習するという「順番に練習する」方法に変えてみた。そこからしだいに進歩が実感できるようになった。
なので、たぶん「順番に練習する」というのが普通というか、まっとうなやり方(王道?)なのかなと思う。レッスンを受けている人は、次のレッスン日までにここまで…という感じで「順番に練習する」ことになるのだろうし…。
ところが、一方でやはり全体の曲を早く弾いてみたいという気持ちもある。曲全体を知っていないと、各ブロックの弾き方も決められないのではないか、という考え方もありそうだ。ネイガウスやバレンボイムも、音楽は全体でとらえるべきだと、言っていたような気もする。
もう一つ、順番にやっていくと、どうしても最初の方を多く練習することになり、後半がおろそかになりがちである。後ろから逆順に練習するという方法もありそうだが、感覚的にはなかなか難しい。
ところで、我が家に『ピアノピース 2週間マスター』という本(楽譜)が2冊ほどある。これは、例えば「月の光」を14日かけて、完全に「順番に練習する」というアプローチで練習方法を解説したシリーズである。
1日目に8小節(まず右手、次に左手、そして両手練習)、2日目に6小節、…といった感じで13日間の練習があり、最終日が通し練習である。本当にこの通りにやれと言っているわけではないと思うが、分かりやすい例である。
それはさておき、悩み続けていても仕方ないので、今回の「プレリュード」(ドビュッシー『ベルガマスク組曲』より)については、ブロックに分けて「順番に練習する」アプローチをとることにしようと思っている。もちろん、一度は全体を軽く譜読みしているが。
これで、同じドビュッシーの曲を「全体を練習する」方法と「順番に練習する」方法でやることになるので、比較検討ができるはずだ。「プレリュード」はブロック分けがやや難しいところもあるのだが、そこは感覚で適当にやることにしよう。
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