2024年7月3日水曜日

Mozart 3つのピアノ協奏曲 K.107:J.C.バッハのソナタを編曲、ペライアの好演 ♪

モーツァルトのピアノ協奏曲、今日聴くのは「3つのピアノ協奏曲 K.107」(3 Piano Concertos after J.C. Bach)。ヨハン・クリスティアン・バッハの「6つのクラヴィーアソナタ 作品5」(1768年出版)から3曲を選んで編曲したもの。協奏曲番号は付いていない。




モーツァルトのピアノ協奏曲第1番〜第4番(1767年/11歳)は、他の作曲家のピアノソナタから楽章を選んでピアノ協奏曲に編曲したものであるが、1770〜1772年(14〜16歳)にザルツブルクで作曲された K.107 も J.C.バッハのソナタを編曲したものである。

モーツァルトが手がけた最初のオリジナルのピアノ協奏曲は「第5番 ニ長調 K.175」(1773年/17歳)。


ヨハン・クリスティアン・バッハ(1735 - 82)は J.S.バッハの末子で、活躍した場所から「ロンドンのバッハ」と呼ばれることもある。

モーツァルトは、1764年から翌年にかけてロンドンに滞在した際(8歳)、29歳の J.C.バッハと親しくなり、そのイタリア風の優美で明るいギャラントな様式に影響を受けている。


「3つのピアノ協奏曲 K.107」は、独奏ピアノ(チェンバロ)とヴァイオリン2部、そしてバスという簡素な編成で、原曲を大きく改作することなくその雰囲気を保持している。

第1番の第1、第2楽章には自作のカデンツァが付けられている。

第1番 ニ長調(原曲:ソナタ第2曲)
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アンダンテ
第3楽章 テンポ・ディ・メヌエット

第2番 ト長調(原曲:ソナタ第3曲)
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アレグレット

第3番 変ホ長調(原曲:ソナタ第4曲)
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アレグレット


音源としては、マレイ・ペライアが 1984年にイギリス室内管弦楽団に弾き振りをしたものがあり、この作品の雰囲気をよく捉えた好演だと思う ♪



なお、K.107 とともに収録されているのがヨハン・ザムエル・シュレーター(Johann Samuel Schröter、独、1753 - 1788)のピアノ協奏曲第3番。

シュレーターは、J.C.バッハの支援を受けて活動したピアニスト/作曲家/音楽教師。また、モーツァルトはシュレーターの協奏曲数曲にカデンツァを書いているそうだが、この第3番かどうかは不明。

また、シュレーターの作品タイトルは「ピアノフォルテ、2つのヴァイオリンとバスのための協奏曲」で、K.107 と楽器編成が同様であることも収録された理由の一つなのかも…?


参考:


✏️3つのピアノ協奏曲 K.107(Wikipedia)



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