ウィーンでのモーツァルトの人気が高まっていた 1784年に書かれた 6曲のピアノ協奏曲(第14番〜第19番)の 2番目の作品。
父への手紙には、「…私が作ったものの中でも一番いいもので…。 二つ(15番変ロ長調、16番ニ長調)とも、ひと汗かかせる協奏曲だと思います。 でも、難しさという点では変ロ長調の方がニ長調以上です」と書いていて、当時のモーツァルトの自信作のようだ。
モーツァルトは第15番〜第17番の 3曲を「大協奏曲」と呼んでいる。ピアノのテクニックや表現上の可能性の拡大が試みられているだけでなく、オーケストラの編成が増強され独立した役割が与えられている。管楽器が活躍する場面も増えている。
人気ピアニストのモーツァルトがステージで拍手喝采を浴びることを想定したような、技巧的な華やかさを前面に押し出した作りになっていると思われる。
ただ個人的には、冒頭の「遊園地」を思わせるような?管楽器のウキウキするメロディーがあまり好みではない…(^^;)。そのあとはだんだん良くなっていくのだが…。
いくつかの演奏を聴いたが、今回は古楽器(フォルテピアノ)による演奏も割と気に入った。たまたま読んだロバート・レヴィンの解説が興味深かったからかも知れない。
フォルテピアノを弾くロバート・レヴィン(Robert D. Levin、米、1947 - )と共演しているオーケストラは、古楽器アンサンブルのエンシェント室内管弦楽団(The Academy of Ancient Music)。指揮者は Christopher Hogwood。音と画像が少しずれている…(^^;)。
現代ピアノで一番気に入ったのはダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim、アルゼンチン、1942 - )の演奏 ♪
(トラックNo. 7〜9)
そして、内田光子さんのモーツァルトも安定して素晴らしい。
ここまでで終わるつもりだったが、クレア・フアンチ(Claire Huangci、米、1990 - )の音源を見つけたので聴いてみた。これも、ピアノの音がきれいで良かった。
(トラックNo. 4〜6)
ちなみに、このアルバムはアルファ・レーベルによる「次世代ソリストによるモーツァルト」シリーズの 1枚(Vol.5)。このシリーズは、モーツァルトの協奏曲(ピアノ以外も)を若手ソリストによる演奏で順次出しているもので、現在 Vol.9 まであるようだ。
参考:
✏️ピアノ協奏曲第15番 (モーツァルト)(Wikipedia)
✏️ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調 K.450(Mozart con grazia)
✏️モーツァルト時代の演奏会(musiquest)
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