モーツァルト初期のピアノ協奏曲では第9番 K.271「ジュノム」が有名で演奏機会も多いが、個人的にはこの第8番はそれに負けず劣らず初期の名曲なのでは?…と思った。最初に聴いたリュカ・ドゥバルグ(お気に入りピアニストの一人)の演奏が気に入ったからかも…(^^;)?
リュッツォウ伯爵夫人はモーツァルトの父レオポルトの弟子であり、ピアノの技量も高かったようで、とくに曲の難易度を下げたりはしてないようだ。
この作品の音源を YouTube で検索して最初に見つけたのがリュカ・ドゥバルグ(Lucas Debargue、仏、1990 - )の演奏。あのルカ君がモーツァルトのそれも初期のピアノ協奏曲を弾いていること自体意外だったが、興味津々で聴いてみた。
放送の録音のようで音質はあまり良くないが、演奏は思った以上に素晴らしく、活き活きとした新しいモーツァルトを聴かせてもらった気分になった ♪
第1楽章冒頭のオーケストラの弦の響きと律動感もいい感じで、すぐに引き込まれた。ちょっと意外性のあるピアノの入り方も面白く、芯のあるよく響くピアノの音が美しい。
リュカ・ドゥバルグ作のカデンツァも素晴らしい ♪ モーツァルトとしてはやや骨太のしっかりしたドライヴ感のある演奏…という感じだろうか…。
オーケストラはバイエルン放送交響楽団。指揮者名が書いてないのでルカ君の弾き振りなのかも知れない。
もう一人、個人的にはやや意外な名前であるが、ゲザ・アンダ(Anda Géza、ハンガリー、1921 - 1976)の演奏もなかなか良くて気に入った。
♪ Complete Edition ゲザ・アンダ:アルバム
(トラックNo.:34〜36)
コンクール名を通して名前は知っていたが、じっくり演奏を聴くのは今回が(たぶん)初めて。ちなみに、今年の審査員にリュカ・ドゥバルグが登場していたりする…(^^;)。
正統派?の演奏も、名盤紹介記事などを参考にしながらいくつか聴いた。
ケンプやツァハリスもいいのだが、やはり何といっても私の耳には内田光子さんの「格調」のようなものを感じるピアノの響きが一番合っているようだ ♪
今回の聴き比べでちょっと感じたのは、オーケストラの違い。指揮者の「解釈」というのもあるのだろうが、演奏によって印象がかなり違う。
今回聴いた中では、バイエルン放送交響楽団の弦(特に低音部分)の響きが気に入った。それが曲全体の躍動感やボリューム感を出すのにとても効いているような気がした。
そう思って他の演奏を聴いてみると、オーケストラの響きがやや物足りないものもあった。軽さを出そうとしているのかも知れないが…。まぁ、好みの問題もあるだろう。
参考:
✏️ピアノ協奏曲第8番 (モーツァルト)(Wikipedia)
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