1783年(27歳)に自らが開催した「予約演奏会」で披露した 3つのピアノ協奏曲(第11〜13番)の成功で自信をつけたモーツァルトは、その後この演奏会で自らが演奏するためのピアノ協奏曲を量産していく。
また、モーツァルトはこの頃から完成した作品の記録を自ら「作品目録」に書き残すようになる。その記念すべき 1曲目がこのピアノ協奏曲第14番 K.449 である。
ピアノ協奏曲第14番 K.449 は、当時ピアニストとして活躍していた弟子のバルバラ・プロイヤー嬢(19歳)のために作曲されたので、「プロイヤーのための協奏曲 第1番」と呼ばれることもある。ちなみに「第2番」は第17番 K.453。
第11〜13番が、ウィーンの聴衆の好み(レベル?)に合わせて、「難しいのと易しいのの丁度中間のもので、非常に華やかで、耳に快く響く」ことを意識して作られたのと異なり、第14番はそういう「制約」を少し緩めて作ったのではないかと思われる。
メロディアスな第2楽章の美しさなどは本当に素晴らしい ♪
この時期のピアノ協奏曲の量産と進化は目を見張るものがある。1784年に第14番〜第19番の 6曲、1785年に第20番〜第22番の 3曲、1786年に第23番〜第25番の 3曲!
そのあとは、1788年の第26番 ニ長調 K.537「戴冠式」と 1791年の(最後の)第27番 変ロ長調 K.595 しかない。
ここまでにあまり登場しなかったピアニストを何人か聴いてみた。
ルドルフ・ブッフビンダー(Rudolf Buchbinder、オーストリア、1946 - )がウィーン・フィルを弾き振りした演奏は、やや重厚で柔らかい感じがとてもいいと思う ♪ オーケストラもさすがである。たまに録音の乱れがあるのがちょっと残念…。
マウリツィオ・ポリーニ(Maurizio Pollini、伊、1942 - 2024年3月23日)の意外に?よく歌う演奏も私の好みに合っている ♪ 1981年のライヴ録音。オーケストラはこれもウィーン・フィル。指揮者名が書いてないので弾き振りかも?
ミハイル・プレトニョフ(Mikhail Pletnev、露、1957 - )の弾き方も嫌いではない。
ロシア・ナショナル管弦楽団はプレトニョフが 1990年に設立しずっと芸術監督を務めたオーケストラなのだが、2022年の夏に契約打ち切りとなっている。ウクライナ侵略戦争に関連してロシア政府を非難したことが理由だとも言われている。
✏️ロシア・ナショナル管弦楽団、プレトニョフとの契約打ち切り(office yamane)
上の音源の日付が2022/07/05なので、ロシア・ナショナル管弦楽団との最後の演奏かも?
参考:
✏️ピアノ協奏曲第14番 (モーツァルト)(Wikipedia)
✏️ピアノ協奏曲 第14番 変ホ長調 K.449(Mozart con grazia)
✏️モーツァルト時代の演奏会(musiquest)
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