一般的には「ジュノーム(Jeunehomme)」という愛称で呼ばれてきた。…が、献呈された女流ピアニストが、モーツァルトの友人で著名なフランス人舞踏家ジャン=ジョルジュ・ノヴェールの娘のヴィクトワール・ジュナミ(Victoire Jenamy)であることが 2004年に発見され、最近では「ジュナミ」と表記されることが増えているようだ。
この作品は、モーツァルトとしてはそれまでのピアノ協奏曲にない新鮮さ、大胆さ、規模の大きさを特徴としている。
第1楽章冒頭すぐに独奏ピアノが登場するのは、モーツァルトのピアノ協奏曲ではこの第9番だけであるし、当時はかなり斬新なものであった。
第2楽章の中間楽章に短調が使われているのも、モーツァルトとしては初めて。第3楽章のロンドの途中にカンタービレのメヌエットが挿入されているのも新しい。
有名な曲だけに多くのピアニストの演奏(音源)が見つかる。内田光子さんなど「定番」のピアニスト以外に、トリフォノフ、ユジャ・ワン、チョ・ソンジン、アレクサンドル・タロー、ダヴィッド・フレイなどの名前もある。
それぞれのピアニストがどんな演奏をするのかという興味で一通り聴いた。で、自分でも意外だったのだが、気に入ったのはユジャ・ワンとチョ・ソンジン。トリフォノフは期待したのだが、わりと普通?
二人とも、私の持っているイメージと違う演奏で素晴らしいモーツァルトを聴かせてくれた ♪ ある意味モーツァルトらしいピアノの響きに乗せた快活さと、予想外の?「しっとり感」のような味わいがあり、ちょっと見直してしまった…(^^;)。
あと、ベテランのピリスさんの安定した演奏も光っていた。もちろん、内田光子さんの演奏も安心して聴けた ♪
ユジャ・ワン(Yuja Wang、中、1987 - )
Los Angeles Philharmonic conducted by Lionel Bringuier
Walt Disney Concert Hall Nov 20, 2015
チョ・ソンジン(Seong-Jin Cho 、韓、1994 - )
Salzburg Festival 2023/7/30
Salzburg Mozarteum, Großer Saal, Salzburg
Mozarteum Orchestra Salzburg /Conductor : Ivor Bolton
ダニール・トリフォノフ(Daniil Trifonov、露、1991 - )
Orchestra dell'Accademia Nazionale di Santa Cecilia / Antonio Pappano
Sala Santa Cecilia, Auditorium Parco della Musica, Rome, Italy
Nov. 25-27, 2021
マリア・ジョアン・ピリス(Maria João Pires、ポルトガル、1944 - )
Orchestre Philharmonique de Monte Carlo conductor Kazuki Yamada
2022?
追記@2024/07/28
2024年 7月23日ピリスさん 80歳の誕生日コンサートのゲネプロ。
内田光子
Jeffrey Tate - Mozarteum Orchester
それにしても、クラシック音楽関連の記事というのは、どうしていつまでも古いもの(だけ)を大事にするのだろう?
名演奏を探そうと思って検索すると、クララ・ハスキル、ヴィルヘルム・ケンプ、ルドルフ・ゼルキンといった大御所・巨匠の名前ばかりが出てくる。
新しい演奏や若いピアニストたちの演奏には興味がないのだろうか?聴いてないのだろうか?あるいは聴いた上で評価してないのだろうか?
もちろん、昔のピアニストたちの演奏も嫌いではないし、いまだに新鮮で勢いの感じられる素晴らしい演奏もあるのだが…。
参考:
✏️ピアノ協奏曲第9番 (モーツァルト)(Wikipedia)
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