ピアノ関連ではヴィキングル・オラフソン、イゴール・レヴィット、ユンチャン・リムあたりが注目されている。ハープシコードのジャン・ロンドーの名前も上がっている。
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ニューヨークタイムズは 25項目を順番を付けずに並べている。複数の人(音楽評論家?)が選んだものなので、年間の記事を集大成したものかも知れない。
それぞれに音源が付いているので、普段聴かないジャンルの音楽も含めて 2023年のクラシック音楽界を音で概観できる…かも…(^^)♪
✏️Best Classical Music Albums of 2023(The New York Times, 12/21)
そのうち 6つがピアノ(とハープシコード)関連。
- Bach: ‘Goldberg’ Variations(Vikingur Olafsson)
- ‘Fantasia’(Igor Levit)
- Fauré: ‘Nocturnes & Barcarolles’(Marc-André Hamelin)
- ‘Gradus ad Parnassum’(Jean Rondeau, harpsichord)
- Liszt: ‘Transcendental Études’(Yunchan Lim)
- Ravel: ‘L’Oeuvre Pour Piano’(Philippe Bianconi, piano)
最後の Philippe Bianconi(初めて聞く名前)のラヴェル以外は、大体聴いている。
オラフソンの「ゴルトベルク」は何度か聴いたのだが、個人的には今一つ物足りなさを感じた。下記記事に書いた感想は「きれいな音でいい感じの演奏なのだが、ややおとなしくてもう少しダイナミズムが欲しい」…だった。
イゴール・レヴィットの「Fantasia」も少し聴いただけが、こちらも期待した演奏とは何かが少し違っている感じで、いつも聴くレヴィットの説得力は感じなかった。
ユンチャン・リムの「リスト:超絶技巧練習曲」は 2022年に優勝したクライバーンコンクールでの演奏。このピアニストは上手いとは思うが、どうも今のところ私の好みではないようだ…(^^;)。もう少し熟成?を待ちたい。
ジャン・ロンドーの「Gradus ad Parnassum」は、8月に CD チェックをしたときに気に入ったもの。演奏も素晴らしいが、プログラムの構成も面白いものになっている。
パレストリーナ、そして有名な古典的対位法教本 "Gradus ad Parnassum" の著者ヨハン・ヨーゼフ・フックスの曲から、ドビュッシーの「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」まで、時代順に音楽を探索し、またパレストリーナに戻っていく…。
ワシントンポストの記事は、演奏や演奏家というより「10大ニュース」のようになっている。トピック的なことが多く、ピアノに関連するものは入ってない。
✏️The best of classical music in 2023(The Washington Post, 12/8, Michael Andor Brodeur)
- Apple Music Classical
- The rebirth of ‘Madama Butterfly’
- Renée Fleming to the rescue
- ‘Blue’ at Washington National Opera
- ‘Universal Longings | Anhelos Universales’
- Carlos Simon’s ‘Four Black American Dances’
- Susanna Malkki and the Helsinki Philharmonic
- National Symphony Orchestra’s ‘Beethoven and American Masters’
- Opera Lafayette’s ‘Io’
- Rene Orth’s ‘10 Days in a Madhouse’
フィナンシャルタイムズは CD を 10枚選んでいる(順不同)。
オラフソンの「ゴルトベルク」はやはり人気がある。モーツァルトのコンチェルトを演奏している Robert Levin は初めて聞く名前だが、ここでは古楽器を弾いている。
✏️Best classical albums of 2023 — from Byrd and Mozart to Rodgers and Hammerstein(Financial Times, 12/14, Richard Fairman)
- Ravel: Daphnis et Chloé
- Byrd: The Golden Renaissance
- Mozart: Piano Concertos Nos 21 and 24(Robert Levin, piano)
- Silvestrov: Silent Songs(Konstantin Krimmel, baritone & Hélène Grimaud, piano)
- Puccini: Turandot
- Compositrices(Women composers: Cécile Chaminade, Nadia Boulanger, Charlotte Sohy, Jeanne Danglas, etc.)
- Adès: Dante
- Handel: Coronation Anthems
- Bach: Goldberg Variations(Vikingur Ólafsson, piano)
- Rodgers and Hammerstein: Oklahoma!
ニューヨーカーも注目すべき録音をいくつか選んでいる。最初の 6つにはユンチャン・リムの「リスト:超絶技巧練習曲」が入っている。
✏️Notable Classical Recordings of 2023(The New Yorker, 12/22, Alex Ross)
- Pygmalion’s Monteverdi Vespers
- New Works by Cassandra Miller
- Yunchan Lim’s Transcendental Études
- Cyrille Dubois’s “So Romantique!” Album
- The Pittsburgh Symphony Plays the Tchaikovsky Fifth
- The Ébène Quartet Plays Mozart
これに続いて "Twenty More" が挙げられていて、ピアノ関連は次の 3つ。
- “Fantasia”: works of Bach, Liszt, Schubert, Berg, and Busoni; Igor Levit (Sony Classical)
- Ligeti, Études, Capriccios; Han Chen (Naxos)
- Rachmaninoff, Symphonic Dances (arr. Inon Barnatan), Moments Musicaux, Prelude in G-Sharp Minor, Vocalise; Barnatan (Pentatone)
ピアノ関連で言えば、割と順当にどのメディアも同じようなところを見ているな…と思いかけたところで…。
そういえば、グラミー賞のノミネートとはまったく被ってないなぁ…と気づいたのだった。「音楽界」と上に挙げたようなメディアとは対象(ファンや読者)が異なるのか…?
ここでさらに昔書いた記事(↓)を思い出してしまった…(^^;)。
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