《トリフォノフ 2020年秋のプログラムが凄い!♪》
YouTube に楽譜付きの音源があったので、聴いてみた。ピアニスト名は書いてない。
ベースがオスティナート(ostinato)なので、「執拗音型」が執拗に反復されていくのだが、ミニマル音楽よりもいろんなパターンが変化していくので面白い。
♪ John Corigliano - Fantasia on an Ostinato for Piano (1985) [Score-Video]
途中で「あれっ?」と思った箇所があった。聴き覚えのあるメロディーが出てきたのだ。でも、何だったか思い出せない。
あとで調べて分かったのは、ベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章からの引用だった。下記楽譜の2段目。曲の終わりの方にももっと分かりやすい形で登場する。
実は冒頭に近いところにもベートーヴェンのテーマを予告するような音が鳴っている。
この引用を教えてもらったのは下記ブログ。
✏️コリリアーノ/オスティナートによる幻想曲(気ままな生活)
以下のようなことが、作曲者本人のプログラムノートに書かれているとのこと。
「…この幻想曲はベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章で4分以上に渡って繰り返し演奏される有名なパッセージが元になっている。ベートーヴェンのこのミニマリスティックに近い素材の扱い方と、コリリアーノが書きたかった曲~演奏者自身がリピートするパターンの持続時間を決める~とが結びついて、このミニマリスト的テクニックの実験的な作品につながった」
また、「ピアニストのセンスとリピートするパターンをどれくらいの時間続けるのかを演奏者自身が決めることによって、この曲の最終的な形が変わる」といった作りになっていて、音型が単純なだけに、ピアニストの「感性と想像力が試される曲」であるようだ。
ちなみに、ベートーヴェンのこの第2楽章が「ミニマリスティック」というのは初めて聞いたが、言われてみると確かに同じテーマの繰り返しだ。先進的だったんだ…(^^)♪
♪ ベートーヴェン 交響曲第7番・第二楽章 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル
知っているピアニストの演奏も聴きたいと思って、スチュワート・グッドイヤーのアンコール演奏のような動画を見つけて聴いた。演奏としてはこちらの方が好きだ ♪
♪ Corigliano: Fantasia on an Ostinato ∙ Stewart Goodyear
スチュワート・グッドイヤーは 1978年カナダ生まれの黒人ピアニスト&作曲家。2016年4月、Alte Oper Frankfurt での演奏。
ところで、作曲家のジョン・コリリアーノ(John Corigliano, 1938年2月16日〜)であるが、ニューヨーク出身の著名人のようだ。以下、Wikipedia 情報。
オーケストラ作品が多く「1991年、交響曲第1番でグロマイヤー賞を受賞、2001年、交響曲第2番(弦楽合奏のための)でピューリッツァー賞を受賞」している。
映画音楽でも活躍しており、「『レボリューション・めぐり逢い』(1985年)、『レッド・バイオリン』(1999年)」が有名。『レッド・バイオリン』を引用した最初のヴァイオリン協奏曲を2003年に発表している。
また、上記『気ままな生活』のブログ記事に、「ピアノ独奏曲のなかで、有名なのは《エチュード・ファンタジー》と《オスティナートによる幻想曲》の2曲」と書いてあったので、"Etude Fantasy" の方も聴いてみた。クレア・フアンチの演奏。
♪ Claire Huangci – John Corigliano | Klangraum Waidhofen
5つのエチュードからなる。第1曲は左手のための練習曲 "For the Left Hand Alone"。
こちらは、現代曲っぽい、難しいエチュードっぽい曲で、コンクールなどで弾くのにはいいかも知れないが、鑑賞する曲としてはあまり好みではない。
Etude 1: For the Left Hand Alone
Etude 2: Legato
Etude 3: Fifths to Thirds
Etude 4: Ornaments
Etude 5: Melody
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