2015年10月26日月曜日

ショパンコンクールの採点表、面白い♪

ロンティボーがイマイチななか、ショパンコンクールについて、いづみこさんのFacebookで面白い記事を見つけた。

「王道を行ったチョ・ソンジンの勝利」というタイトルで、「審査員の採点表が発表され,フィリップ・アントルモンが優勝者のチョ・ソンジンにつけた異様に低い点数にあきれている」という文から始まる。

ショパンコンクールの採点表を見て、あれこれと分析・説明しているのがとても興味深い。で、ちょっとファイナルの採点表(↓)を見てみたが、これがけっこう面白い。



上の表の1行目は審査員のイニシャル(↓)。



上位6人について、いくつかの数字を調べてみた。下記4つの数字は、「合計点数 / 1位をつけた審査員数 / 満点をつけた審査員数 / 5点以下をつけた審査員数」である。

Kate、Eric、Yang の3人は、ダン・タイソンの弟子ということで得点がないので、合計点数は補正(×17/16)してある。

1:Cho  :143点 / 10 / 2 / 1
2:Hamelin:138点 / 9 / 2 / 0
3:Kate  :128点 / 5 / 3 / 4
4:Eric  :109点 / 1 / 0 / 5
5:Yang : 77点 / 0 / 0 / 10
6:Shishkin: 75点 / 0 / 0 / 11


こうしてみると、入賞と言っても、4位までと5・6位ではかなり差があることが分かる。細かく見ると、上位3人の争いに加えて、次回期待のEric君、そして何とか入賞という2人が続くという感じ。これは私の実感と合っている。


1位をつけた審査員の数で言えば、チョ・ソンジンとアムランはほとんど差がない。このあたりは、審査員による点数の感覚に左右されているような気もする。1位に10点をつける人と8点をつける人がいたりする。

注目したいのは「満点をつけた審査員数」。この数では、ケイト・リュウが3人で一番なのだ。チョ・ソンジンとアムランも2人なので、そう差がないともいえるが、何となく嬉しい。


「5点以下をつけた審査員数」も面白い。Cho君の1人は、いづみこさんが書いているフィリップ・アントルモン。

ここでも注目したいのは、Kateくんの4人という数字。彼女に対しては、満点をつけた審査員が3人、5点以下をつけた審査員が4人。つまり、評価が分かれている。これも、Kateくんにとってはいいニュースだと思う。


私の会社人間時代に、例えば複数の新規ビジネス案から一つを選択する場合、全員一致ではなく、賛否両論あるものを選ぶべし、という教訓?があった。全員一致はありきたり(誰でも思いつく)、賛否両論ある方は新規性が高く、成功した場合のスケールも大きくなる可能性がある、といった話である。

そのノリ?で行くと、やはり今回のチャンピオンは私の中では間違いなくケイト・リュウである。どうも、私の好みは伝統・正統よりも新規性のようなものにあるようだ。(チャイコンのルカ・デュバルグとか、キット・アームストロングとか…)


おまけ。採点表をじっと見ていて面白いことを発見した。

審査員が17人横に並んでいるのだが、DAからNGまでのKateくんを評価しないグループと、AHからYまでのKateくんを評価するグループと、はっきり分かれている(ようにみえる)のだ。

評価しないグループにアルゲリッチが入っているのがちょっと気になるが…。

興味本位で、「評価するグループ」だけの合計点を出してみた(↓)。Cho君の1位は変わらないが、Kateくんも1点差で善戦している。当たり前か…(^^;)。

Cho  :97
Hamelin:86
Kate  :96


それにしても、審査員の先生方の評価(見方、好み)も思ったよりばらついていることが分かって、少し安心した。表現芸術である音楽で、全員の評価が一致する方が気持ちが悪い。

一般聴衆の一人としても、自分自身の耳と感性を信じて、好きなものは好きと言いたい(^o^)♪



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