何と、金属板に何か型(たぶん音符?)を打ちつけたり、彫刻刀のようなもので彫ったりしている。凹版版画のエングレービングみたいなことをやっているように見える。
そうか、ヘンレ社は今でも職人が手作業で版を彫っているのか…(^^;)? IT全盛時代にそんなわけないだろうと思いながら、面白いので少し調べてみた。
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ヘンレ社サイトの "The Publishing House" というページを見ると、
"Our musical scores are engraved by first-class craftsmen. … A large number of the Urtext editions in our backlist were, however, engraved by hand, using traditional metal plate engraving techniques."
…と書いてある。「我々のスコアは一級の職人によって "engrave" されている … 大多数の原典版は伝統的な金属板のエングレービング技術によって…」…え!本当なのか?
さらに、"Music Engraving" というページに説明があって、制作過程の動画もある。見てみると実に面白い。でも、大変な作業だ…。音符の「ぼう」や長いスラーなどはフリーハンドで彫っている。本当なのか…。
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それでも、まだ信じられずに調べていたら、こんな記事(↓)を発見した。
✏️What Is a Music Engraver? (And What Does It Take to Become One?)
ここに、次のように書いてある。
"With the exception of a small few publishers, most current publishers use computer software to make their sheet music. G. Henle Verlag only just recently switched to software!"
「ほんの少数の例外を除いて、ほとんどの出版社はコンピュータソフトを使っている。ヘンレ社はつい最近になってやっとソフトに切り替えた!」そうだ。この記事が書かれたのは2016年1月12日である。
なので、今流通しているかなりの楽譜はおそらく「手彫り」なのだろうと思われる。
ちなみに、"Sibelius" と "Finale" というのがよく使われる二大ソフト(アプリ)のようだ。この記事には「音符タイプライター」?の写真なども載っていて面白い。
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ところで、この原版「売り」に出ていたりする。"Bach Partita 2 BWV826" のものが 1枚 £40 だそうですが、いかがですか…?(下の写真は一部を拡大したもの)
✏️Henle Original Music Engraving Plate
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おまけ。『ヘンレ社 ピアノコレクション』の記事には、人気ランキング(定番レパートリ)とスタッフのおすすめ10選というのがあって…。
定番のトップは『ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ全集 第1巻』
スタッフのおすすめトップは『At the Piano - ブラームスの有名な15のピアノ小品』
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《J.S.バッハ:平均律曲集の難易度(ヘンレ社など)》
《今年は「デジタル楽譜」元年となるか?》
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