2018年3月18日日曜日

アンデルシェフスキのバッハ、最高でした ♪

昨日は待ちに待ったピョートル・アンデルシェフスキのリサイタル。感想は、ひと言でいうと「至福のとき」。久しぶりに「感動」という言葉が素直に出てくる…(^^)♪

✏️ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル
※下記写真はこのサイトからお借りした。ネコは大あくびしているようにも見える…(^^)



プログラムはオール・バッハ。平均律クラヴィーア曲集第2巻の1番・17番・8番、続けてイギリス組曲の3番、休憩を挟んでイギリス組曲の6番、という構成。

カミさんが「今日のリサイタルは(時間的に)短いね…」と言っていて、しかも平均律の「6曲」が「プレリュードとフーガ」が6セットだと思っていたら、半分だった…(^^;)。

…ところが演奏が始まると、中身が濃いというのか、「音楽密度」(←造語です…)の高い時間が、興奮と幸福感とともに過ぎてゆき…。

終わってみれば、十分に満足、お腹いっぱいに満たされた感じで、とても充実したバッハの時間を堪能していた。


ところが、アンコールがすごかった。

割れんばかりの拍手(7〜8割の客の入りにしてはすごい音)に応えて、ベートーヴェンの「6つのバガテル Op.126-1」、そしてショパンの「マズルカ Op.59-1」…。

で、3度目のアンコール、軽い曲で終わりかと思っていたら、気合の入った演奏が始まり、ひとしきり本気の演奏が続くではないか…。これにはびっくりしながらも大喜び ♪

帰りにロビーで確認すると「ヤナーチェク:草陰の小径 第2集」(5曲で17分ほど)。今日のヤマハホールでの演目だ。思わぬ贈り物を戴いた感じ…(^^)。

なかなか面白い曲だったが、たぶん初めて聴く曲で十分に消化できたとは言えない。…ので、あとで音源を探して聴いてみようと思う。


ところで、「感動」を言葉で説明するのは難しい。説明しない方がいいのかも知れない。でも「いい音楽とは何か」の疑問が捨てきれない私としては、何が良かったのか書いてみたくなる…。


まずピアノの音が素晴らしかった。音が艶っぽいというか、音そのものに何かを感じさせるものがある。例えば、高音部の歌うような音が、たとえピアニッシモであってもしっかりとこちらの感受性や琴線に直接響いてくる。

低音部は、あるときはオルガンのような音で通奏低音を奏で、あるときはコントラバスやチェロの力強い旋律を響かせる。

速いパッセージが確かな音で弾かれているのだが、それが一つの音の塊としての音楽となり、その響の塊の中に確かな旋律(声部)が織り込まれていく。

そして音楽の躍動感。前へ前へと進んでいく推進力のようなものにワクワクする。

バッハがこんなに興奮する音楽だったとは!これは初めての体験かも知れない…。とにかく、大満足の一日(2時間)でした…(^^)♪


おまけ。少し前の記事《もうすぐアンデルシェフスキ ♪》でご紹介したアンデルシェフスキの言葉が、ちょっとだけ実感として分かったような気もする。

これらの(モーツァルトの)コンチェルトはまるでオペラなんです。背後に物語も言葉もありませんが…。私が言っているのは音楽のフレーズとかテクスチャーのこと。それがこの曲の「語り」になっているんです


昨日のバッハは、フレーズやテクスチャーそのもので魅力的な音楽が紡ぎ出されていて、それがバッハの曲を通してのアンデルシェフスキの「語り」、あるいはアンデルシェフスキによって音として具現化されたバッハの「語り」になっていたのではないかと思う。


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