嬉しいニュースが飛び込んで来た。そして、私にとってはまた一つ "BBT賞" という知識が増えた。
今日91歳の誕生日を迎えたクルターグ・ジェルジュ(ハンガリーの作曲家・ピアニスト)が、マールタ夫人とともに "BBT賞"(Borletti-Buitoni Trust award)を受賞するという。
夫妻の結婚70周年(プラチナ婚?)の日でもあるそうで、三重の喜びということになった。Congraturations!!
記事は下記(英語)。上の写真も引用させて戴いたが、内田光子さんがマールタ夫人に受賞を伝えている様子が微笑ましい。右の紳士がクルターグ・ジェルジュ。左の女性は Ilaria Borletti Buitoni さん(この賞の創設者の一人)と思われる。
✏️Kurtag, 91, wins young artists’ award(SlippedDisc)
さて、いろいろと解説が必要かもしれない…(^^)。
まず、クルターグ・ジェルジュであるが、ちょうど1年前に90歳記念の演奏会などの話が、ねもねも舎の記事に載っていて、そこで初めて知った作曲家・ピアニストだ。ご夫婦の連弾がなかなか味のあるいい演奏で、すぐにファンになってしまった。
詳しくはこちらをどうぞ。
で、"BBT賞"(Borletti-Buitoni Trust award)であるが、英文記事のタイトル "Kurtag, 91, wins young artists’ award" にもあるように、実は若い音楽家を応援する賞である。
Borletti-Buitoni Trust は、2002年に、Franco Buitoni、Ilaria Borletti Buitoni 夫妻によって設立された慈善信託(charitable trust)で、若いクラシック音楽家(器楽奏者、歌手、室内楽)を支援することを目的としている。
2003年からこれまでに100人/組ほどの音楽家が選ばれている。
ピアニストでは、私の知っている名前では、Martin Helmchen、Khatia Buniatishvili、Beatrice Rana などがいる。
今回、91歳と90歳の夫妻が選ばれたのは、昨年8月に創設者の一人 Franco Buitoni が亡くなられたことを偲んでの「特別な贈り物」であるようだ。
"This special tribute is in memory of Franco Buitoni (1934-2016) who co-founded the Borletti-Buitoni Trust (BBT) in 2002 with his wife, Ilaria."
Buitoni 夫妻も、おそらくクルターグ夫妻のように仲睦まじいご夫婦だったのではないだろうか…。
で、内田光子さんが写真に写っているので、BBT にはどういう人たちが関係しているのか見てみた。
"trustee"(被信託人)に名を連ねているのが、 Buitoni 夫妻、Sir Ewen Fergusson、David Landau、内田光子。で、"Chief Executive" が Susan Rivers という人、"Artistic Committee" が Adam Gatehouse、Martijn Sanders、Andrew Starling、内田光子という陣容。
アダム・ゲートハウスは、ポール・ルイスと一緒にリーズ国際ピアノコンクールの監督になった人だ。
その他に "Honorary Committee" として、ピアニストの Leif Ove Andsnes、Richard Goode、チェリストの Clemens Hagen、ヴァイオリニストの Christian Tetzlaff といった演奏家が名を連ねている。
内田光子、アンスネス、リチャード・グードといったあたり、ピアノ陣は充実している印象だ。
…それはさておき、クルターグご夫妻、若い人が対象のこの賞を受賞されたということは、これからも音楽家としての進化が期待されている、という意味もあるかもしれない。
ますますのご健康とご活躍をお祈りしたい ♪
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