ピアノに関する記事をチェックしていたら、いきなり驚くニュース(↓)が目にはいった。マルタ・アルゲリッチが主催する「ルガーノ音楽祭」が今年で最後になりそうだ、というのだ!
「ヨーロッパの最も重要な音楽イベントの一つ、マルタ・アルゲリッチのルガーノ音楽祭が、資金(スポンサー)不足のため閉幕の危機に」
「ルガーノ音楽祭」は、"Progetto Martha Argerich"(マルタ・アルゲリッチ・プロジェクト)として、スイスのルガーノ(Lugano)で毎年開催され、今年で15回目を迎える音楽祭である。
アルゲリッチとその音楽仲間たちを中心にして、毎年魅力的なプログラムを聴かせてくれる。…らしい。一度も行ったことも聴いたこともないので詳しくは知らないが、チャンスがあれば一度は行ってみたい音楽祭の一つではあった。
ちなみに、ワーナー(Warner Classics)が、毎回その様子をCDにまとめて出しているそうで、2015年の3枚組CDも5月に発売されたばかりのようだ(↓)。
記事によると、直接の理由は、メインのサポーターであるスイスのプライベート・バンク BSI が支援の打ち切りを決めたことのようだ。この BSI、日本でも報道(↓)された「資金洗浄疑惑」で訴追されているような状況にあるらしい…。
✏️スイスの銀行に資金洗浄の疑い 検察が訴追手続き
(朝日新聞Digital 2016年5月24日)※この記事はすでになくなっているようだ…
「スイスの検察当局は24日、スイスのBSIバンクを資金洗浄や汚職の疑いで訴追する手続きを始めたと発表した。BSIは、不透明な資金の流れが問題視されているマレーシア政府系ファンド「1MDB」の取引に関与していた。」
銀行の不祥事で、アルゲリッチの音楽祭がなくなるなんて、とんでもない話だと思う。
ただ、音楽祭のアート・ディレクターである Carlo Piccardi 氏は「支援の打ち切りは自然な流れ?(the natural end of a cycle)であり、去年から銀行から言われていた」と説明している。
でも、少なくとも支援打ち切りの引き金にはなっているだろうと思うし、去年の時点で銀行の中では訴追されることが薄々わかっていたのかも…、などと勘ぐりたくもなる。
いずれにしても、この銀行に代わるサポーターが現れない限り、ルガーノ音楽祭は今年が最後になりそうである。残念なことだ。
今年の音楽祭は、アルゲリッチの75歳の誕生日(6月5日)のすぐあと、6月7日から始まる。
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