一昨日の記事《近況:ブラームス間奏曲Op.117-1、悲喜交交》で、今回は「練習の順番ややり方を変えながら」やっていると書いた。
そう書きながら、いつもの自分の「練習手順」がどんな感じになっているのか、一度文章にしてみようとようと思い立った。1つの曲を初めてから終了するまで、経験的には1〜2カ月間の、練習の階段みたいなものである。
『湯山昭 ピアノ曲集 こどものせかい』より借用 |
はっきり意識しているわけでもないが、大まかには4つくらいの段階になっているような気がする。
1. 譜読み:曲を知る・指使いを決める
2. 暗譜:曲を覚える・指を慣らす
3. 部分練習:弾き方訓練
4. 通し練習:通して弾けること
1. 譜読み:曲を知る・指使いを決める
これに先立って、つまり選曲の段階で、大雑把に弾けるかどうかの試し弾きは何回かやっている。なので、全体の様子はなんとなく分かっているところからの「譜読み」である。
まずは、先頭から順番に、曲の構造を見ながら、難易度の程度もなんとなく感じながら(難所の予感)、指使いを探りながら進めていく。
「構造」はおおまかに2種類。一つ目は小さい単位での「パターン」。これは、右手左手の関係とか、旋律と伴奏の関係とか、声部や和音のこととかを区切りのいい単位に見ていく作業。
もう一つは、曲全体の構造。3部形式とか、ソナタであれば提示部(第1主題、第2主題)とか展開部とか…。大きな区切りマークと中くらいの区切りマークなどを書き込んでいく。
この段階でいちばん時間を使うのが、たぶん指使い。
楽譜に書いてある通りの指使いになることはほとんどない。私が「我流」でやっているせいかどうかはよく分からないが、自分自身がラクに弾ける指使いを見つけるのが目的である。
2. 暗譜:曲を覚える・指を慣らす
ここが、いつもうちのカミさんと議論?になるところ。ピアノをちゃんと習っている人は、「暗譜」というのはほぼ最終ステージに、ある程度「自然に」?覚えるものらしいのだ。
それも、音符の一つ一つというよりは、音楽としての曲想やタッチやテンポ(のゆらし)やダイナミクスなどが中心となるようだ。
私の場合は、楽譜どおりに弾けるようになるための「暗譜」。楽譜を見なくても次に弾く音がわかるようになるための「暗譜」なのである。
つまり、「暗譜」していないと「楽譜を見る→次に弾く音と指が分かる→弾く」という段階を経るので時間がかかる。たどたどしい初見状態である。
これが「暗譜」すると、「楽譜を見る」段階(時間)がなくなるので、よりスムーズに弾けるようになる、ということなのだ。
もちろん、指で覚える、というか指がその曲の「動きのパターン」に慣れていくように、という意識もある。とくに、すんなりと弾けないような箇所は、繰り返し「指慣らし」をする。
ちなみに、以前は意識しないでも、指使いなどで苦労している間に自然に覚えていたのだが、このところ「覚え」が悪くなっている。なので、意識的に「暗譜」するようにしている。
3. 部分練習:弾き方訓練
この段階になると、弾けるところと弾けないところがはっきりしてくる。難所もいくつか出てくる。難しいはずはないのに、なぜかいつも引っかかる、止まる箇所も見えてくる。
なので、そういうところをクリアすることが中心になる。弾き方の工夫と部分反復練習である。なぜ弾けないのか、どうすれば弾けるようになるのか、と四苦八苦する段階とも言える。
改めて、指使いを見直したり、とてもゆっくり弾いてみたり、思い切り「脱力」してリラックスして弾いてみたり…。考えつくすべてのことを試してみたりする。案外「楽しい」時間だったりする…♪
最近、わりと効果があると思っているのが、鍵盤に対する手首の角度(横方向)と鍵盤を押さえる指の奥行き方向の位置、である。この二つを変えながら、いちばんラクな形を探るのである。
どうも、奥行き方向の弾く場所というのは、苦手というか、あまり意識にない部分のようだ。
弾きながら、奥行き方向にも移動する基本練習みたいなものはあるのだろうか? シューマンの「目的別練習曲一覧」にも、そういう練習項目(基本技術)はない。
ちなみに、ピアノを弾いているとき以外での指の練習、お得意の《お薦め♪風呂での練習》も併用したりしている。
4. 通し練習:通して弾けること
一つ前の段階から、通して弾くことは少しずつ始めている(引っかかる場所を確認するためにも)が、難所がある程度クリアできたところから、曲を通して弾くことに練習の中心が移ってくる。
本当は、「曲として仕上げる」段階、と言いたいところなのだが、なかなか仕上がることはない…(^^;)。
…ので、基本は「通して弾けること」「気持ちよく弾けるように」というのが、この段階の目標になる。
それでも、自分なりに「仕上げる」(曲らしくする)ことはやりたいので、より「自己満足」できる演奏を目指して、強弱やテンポの揺らし(アゴーギク)やフレージングなどを、一応考えたりする。
自分でも考えはするのだが、実は、プロの演奏を YouTube で何人も聴いて、自分の好みの演奏を見つけて、真似することが多い。
といっても、真似ができるわけもないので(それが出来ればすごいことだ!)、部分的に参考にして、少しだけでもそれに近づける、ということなのだが…。
で、この段階の最後に、自分なりの仕上がりレベル(A=発表会OK?、B=自己満足、C=不満、D=挫折)を判定して、「めでたしめでたし♪」とか「残念でした…」とかになる。
修了・終了判定は気分任せで、なんとなく満足した場合と、これ以上やっても進歩がないかなと思った場合と、飽きてしまった?場合などがあるようだ。
以上、自分の日々の練習を振り返って、整理してみた。
この後に「5. 仕上げ:音楽として」みたいな項目を追加できる日がくるといいなぁ、などと思いつつ…♪
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