シューマン「森の情景」との40日間の格闘?が終わった。「修了」と言いたいところだが「終了」としか言えないのがつらい…。
最初は「3. 孤独な花」「6. 宿屋」「1. 入り口」の3曲をやるつもりだったが、とてもそんな余裕はなく、3番と6番の2曲をやるのがやっとであった…(^^;)。
今回、初めてシューマンの曲を練習して、なぜだろうと思うことの連続であった。なぜ、簡単そうに見えるフレーズが上手く弾けないのか?指が覚えてくれないのか?暗譜できないのか?
課題ばかりが目立った40日間であったが、それも今後の糧(かて)であると前向きに考えて、いちおう反省文を書いておこうと思う。
終わってみたら難所だらけ!?
いまだに腑に落ちないことのひとつが「難所」である。
いつもは、譜読みの段階で難所になりそうな場所はほぼ確定できる。ところが今回は、最初「難所らしいところはない」などと豪語していたのに、練習が進むにつれて次々と新しい「難所」が出てきたのだ。
練習を終えた今の時点でいくつかの難所を挙げてみると以下のような感じ。いずれも最初は普通に弾けるだろうと思っていた箇所なのだ…。
ここは、上と下の苦手なスタカートが手につかず、真ん中の音も外しがち。ついでに、左手B♭の装飾音符が上手く入らない…。
この左手にある旋律がまったく弾けなかった…。
ここが結果的には最大の難所となった。左手のジャンプするタイプの伴奏は相変わらず苦手である。もちろん、トリルも最後まで苦労した…。
シューマンの曲の不思議さ?
上に書いた次々に出てくる「隠れた難所」?だけでなく、私にとっては、なんとも不思議な体験?であった。
その一つが「暗譜ができない」こと。いつもは、譜読みが終わったあたりから何となく覚え始めて、気がつくといつの間にか暗譜していた、というのが多いのだが…。暗譜が難しい理由はいまだに謎だ。
それから、最初の段階で戸惑ったことの一つが、ときおり登場する不協和音、というか2度のぶつかり。
練習を始めたころは、指使いを探しながら全体を mf で弾くので、汚い音にしか聴こえないのだ。なんでここで音をぶつけるのかなぁ?と思いながら弾いていた。
そのうちに、上の音(旋律)を少し強めに、下の音を弱めに弾くことを覚え、フレーズとしてもある程度弾けるようになると、その良さのようなものも少しは分かるようになったのだが…。
シューマンの曲には、これだけでなく妙な?(個人の感想です…)ヒネリのようなものがあちこちに感じられるような気がする。
とらえどころのなさが魅力?
もう一つの「もやもや」が、どう弾いたら自分の気持ちにしっくりくるのか、なかなか捉えられなかったこと。
もともと、ロマン派には苦手意識がある、というか自分に合うような気がしない。カミさんの表現を借りると「あなたがロマン派の曲をピアノで歌うように弾いている姿は想像できない」ということになる…。まぁ、その通りなのだ…(^^;)。
で、自分なりに優しく弾いたり、テンポを変えたり、いろいろ試してみるのだが、なかなか上手くいかず…。
結局、先週《近況:シューマンをベートーヴェンのように弾く?》で書いたように、男性歌手(たぶんテノール、たぶん狩人)がドイツ・リートを歌っているようなイメージで弾くことにした。
それで、少しは「しっくり感」が増したような気はするが、「腑に落ちる」ところまでは行っていない。シューマンの音楽は、意外と奥が深く、解釈(表現)の幅も大きいのかもしれない。
ピアノの技術的な課題(私の…)
ピアノの練習という視点で、技術的課題をあげるとキリがないが、気になるもの(早く克服すべき点)をいくつか書いておく。
・スタカート、弾む感じの弾き方
・メロディーを歌わせる
・装飾音符
・ペダル(今回は最後までできず…)
・脱力:ラクに弾くこと
まぁ、どれも以前からの課題である。進歩がないなぁ〜とも思うが、それぞれの項目で微々たる進歩はあると信じたいところだ…。
ということで、シューマンはいったん終わりとして、今日から「選曲週間」を始めたいと思っている。が、終わってみて、シューマンの音楽はどうだったのか?
かなり苦労はさせられたが、それでシューマンが嫌いになったかといえば、不思議とそんなことはない。
もともと、聴く曲としても少しとっつきにくさを感じていた作曲家ではあるが、今回たくさん聴いて、自分でもほんの少し弾いてみて、少しは近づけたような気がしている。
自分自身の好みとはややズレているという感じはまだ残っているが、やってみて良かったと思う。聴く方は、お気に入り曲も見つけたことだし…。
【関連記事】
《近況:シューマンをベートーヴェンのように弾く?》
0 件のコメント:
コメントを投稿