私の手はどちらかというと小さい。もう少し手が大きかったら、もっと楽にピアノが弾けるのでは…、とときどき思うことがある。
いま、バッハのフーガを譜読みしている。指遣いを決めていく作業をしているのだが、届かない箇所がある。目いっぱい指を広げて辛うじて音が出る、という感じだ。
こういう場合のコツのようなものが何かないかと、検索していたら、ピアニストの手の大きさとか、幅の小さい鍵盤のピアノとか、関連する話題がけっこうある。それに、思っていた以上に同じ悩みを持つ人が多くて安心?した。興味を持った話をいくつか…。
ラフマニノフは13度が届いたとか、バレンボイムは手が小さい(9度くらい)のに素晴らしいピアニストになったとか…。こういう話(↓)は面白いが役には立たない。
ピアノを弾くのに必要な手の大きさについての話題もいくつかある。例えば✏️ピアノ練習方法・上達法「肉体的条件の問題」という記事。
「…通説では、次の条件を満たすことが必要である…
1. 白鍵のオクターブを余裕をもって上から押さえられる…
2. ハ短調の4和音(ド、ミ♭、ソ、ド)を無理なく押さえられる」
「ピアニストの横山幸雄さんは、…専門的にピアノを弾くのに必要な 最小限の手の大きさは、9度が押さえられる大きさ…」
といったことが書いてある。
しかし、そもそもピアノの鍵盤の幅はどうやって決まったのか、昔はどうだったのか、ヴァイオリンのようにいろんなサイズがあってもいいのでは…、といった楽器自体の話題もけっこう出ている。
細かいことはさておき、昔はチェンバロとかオルガンとか発展途上のピアノとか、いろいろな鍵盤楽器があり、当然その鍵盤サイズはまちまちであった。
それが、ピアノ製作の効率化?みたいなことで今のサイズに落ち着いたと思われる。今となっては「なぜこのサイズ?」という疑問に対して正確に答えられる人はたぶんいないのでは?
ちなみに、ピアノにもJIS規格「JIS S8507」がある。(面倒なので調べてないが、たぶん国際規格も…)
この記事によると、
「ピアノの88個の鍵盤の端から端までの幅が、1220mmから1230mmと規定されています。 88鍵のうち、白鍵は52鍵ありますから、白鍵一つの幅は約23.46mm~23.65mm、オクターブで約164.23mm~165.58mm(中央値で164.90mm……ざっくり言って165mm)となります。」
意外にも値に幅がある。まぁ、精密機械ではないので…。
さらにネットを見ていくと、小さい鍵盤を作ったり、普及させようという人たちもいる。
PASK(Pianists for Alternatively Sized Keyboards)という推進団体のようなものがあったり、実際に小さな鍵盤のピアノを作っているSteinbuhler社(※サーバーが見つからない…この会社なくなったのかな?@2021/12/17)というピアノメーカがあったりする。
いずれも英語サイトなので、これらを紹介したり翻訳してくれているブログ「細幅鍵盤随想記」から引用させて戴くことにする。
その記事によると、Steinbuhler社が作っているのは、オクターブ(白鍵7個の幅)が 標準の6.5インチ(16.5cm)以外に、6.0インチ(15.2cm)、5.54インチ(14.1cm)、それに子供用の5.11インチ(13.0cm)があるそうだ。
また、面白いのは手のサイズの統計データ(サンプル数はそんなに多くはないが…)である。一部を引用すると…。(「ア人」=アジア人)
白人男性:19.8cm 〜 27.4cm / 平均 22.8cm
ア人男性:19.7cm 〜 24.0cm / 平均 22.0cm
白人女性:16.3cm 〜 24.1cm / 平均 20.2cm
ア人女性:17.2cm 〜 22.9cm / 平均 19.8cm
で、さっそく自分の手のサイズを測ってみた。21.7cm。やはり小さい、アジア人の平均にも届かない。どうりで下手なわけだ…、そんな訳はないか…(^^;)。
ちなみに、引用元の記事は「鍵盤のサイズ - 大まかな歴史」(※これも Not found…@2021/12/17)というタイトルで、歴史も少し書いてある。
…と、いろんな知識は増えたものの、ピアノを買い換えることもできず、そんなに簡単に小さいサイズのピアノが普及するとも思えず、とりあえずは、ごまかし方を探るしかなさそうだ…。
そんなことを書いた教本、どこかにないかな?
「小さな手のピアニストのための奏法 〜うまく誤魔化すために〜」
なんて…(^^;)。
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