2016年2月21日日曜日

レコードの山から発掘したピアニスト:ラザール・ベルマン

いつかはまた聴くかもしれない?、とずっととっておいたLPレコードの山(というほど厖大なわけでもないが…)。そろそろ潮時?かと思い、処分することにした。

結婚前のカミさん(元音大生)と私の若かりし頃、それぞれが聴いていたレコードが混じっているので、面白いコレクションになっている。私の方はオーケストラ中心、カミさんの方はさすがにピアノが中心だ。




当然、ピアニストは昔の人たち。リヒテル、クライバーン、ケンプ、ポリーニ(若い時の)、等々…(↑)。


そういえばこんなの聴いていたんだ〜、などと思いながら、ジャケットの箱とレコードとその袋を仕分けしていく。ある意味「宝の山」、ある意味「青春の思い出」?をゴミとして分別していくのも、ちょっと悲しい気分ではあるが、致し方ない。時の流れである…。


で、ふと一枚のレコードに手が止まった。「ラザール・ベルマン」、懐かしい響き、そして好きなピアニストの一人だったような記憶がかすかに蘇る。

下の写真、右のレコードがそれ。曲はベートーヴェンのピアノソナタ23番「熱情」と18番。(ちなみに、左はその頃のポリーニ…若い!)




手を止めて、YouTube で、ラザール・ベルマン(Lazar Berman)を探して聴いてみる。ベートーヴェンの「熱情」ソナタ。なかなかいい、好みの演奏だ ♪ 若い日に聴いた感動を思い出す、とまでは行かないが、当時のお気に入りだったことは確信した。



あらためて、どんなピアニストかネットで調べてみる。

1930年、現サンクトペテルブルク生まれのユダヤ系ロシア人。4歳で演奏会、7歳でレコード録音という神童だ。「リストの再来」と言われ、ギレリスに「私とリヒテルの2人が4本の手で対抗しても勝てそうにないピアニスト」と言わしめたほどの人であった。2005年に74歳で亡くなっている。

1977年に初来日、1988年に再来日。ファツィオリ社のピアノを愛用したベルマンは、日本のリサイタルで初めてファツィオリを使ったピアニストと言われている(1988年)。1995年からはフィレンツェに移住。


リストに定評があるということで、「巡礼の年」(↓)を聴いてみた。これも、力強くかつ美しい。5曲入っているが、最後の「ジュネーヴの鐘」などは実にいい。



聴きながら感じたのは、十分にロマン派的な感情表現をしながら少しも乱れない演奏だということ。逆に言うと、きちんとした音楽の形の中に、美しい音色で感情表現が盛り込まれている。

『これを聴け』(アレックス・ロス 著)という本の中で、ビョークの歌が「精確なピッチと感情表現」を兼ね備えている、と書いてあったことを思い出した。


そうは言っても「昔の人」だよなぁと思いながら、ふと見ると、なんといまだにCDが発売(2016年4月15日予定)されているではないか。もちろん、過去の音源ではあるが…。



6枚組のCDであるが、その中の3枚目が上で紹介したレコードと同じ音源かもしれない。


…などと寄り道をしているうちに、レコードの処分作業はけっこう時間がかかってしまった…(^^;)。でも、なんとなく幸せな時間でした♪



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