フランスのピアノ曲を勝手気ままに、とりあえずはケフェレックさんのプログラムにあった作曲家を当たっている。(参考記事:《フランスのピアノ曲:ケフェレックさんのレパートリーから》)
今日は、ケクラン(ケックラン)。名前は聞いたことがないが、プロフィールをみるとすごい人のようである。ピアノ曲もなかなかいい。
■ ケクランのプロフィール
ピティナのピアノ曲事典より抄録。
シャルル・ケクラン(ケックラン) Koechlin, Charles [ フランス ] 1867 - 1950
パリに生まれる。1890年からパリ音楽院でマスネ、フォーレに作曲を、ジェダルジュにフーガと対位法を学ぶ。管弦楽技法に優れ、フォーレ《ペレアスとメリザンド》やドビュッシー《カンマ》など数々の管弦楽作品のオーケストレーションを担当。
1910年には、ラヴェルやフローラン・シュミットらとともに、保守的な国民音楽協会 (1871年に設立されたフランスの作曲家・演奏家団体)を抜けてSMI(独立音楽協会)を立ち上げた。
作品は、旋法を駆使した作風により、民謡にそのまま和音をつけたような素朴なものから、前衛の響きをもつものまで幅広い。
新しい音色を生み出すことに積極的であり、管楽器を中心にさまざまな楽器の組み合わせを試みた。ピアノ作品も、音色豊かで、親しみやすい中にも高い作曲技巧を窺わせる佳作が多い。
ケクランは優れた作曲家であると同時に、重要な『管弦楽法 』(1954-59)や『和声法 』(1927-1930)などを残した偉大な理論家であり、教育者であり、また批評家であった。
■ ケクランの主な曲とYouTube音源
試聴した曲と第一印象(○:好き、△:普通、×:好みじゃない)。
●エスキス / Esquisses Op.41 [1905-15年]
「エスキス」とは小さな下絵をさす。12の小品からなる曲集だが、まるで珠玉の詩集のようである。
●陸景と海景 / Paysages et marines Op.63 [1915-16年]
1. Sur la falaise /2. Matin calme /3. Promenade vers la mer /4. Le chant du Chevriér /5. Soir d'été
6. Ceux qui s'en vont pêcher au large dans la nuit /7. Soir d'angoisse /8. La chanson de pommiers en fleurs /9. Paysage d'Octobre /10. Chant de pêcheurs /11. Dans les grands champs /12. Poéme Virgillien
ピアノはミヒャエル・コルスティック(Michael Korstick)。ほとんどがゆったりした曲である。第一印象としてはあまりピンとこない(好みではないかもしれない)が、2~3曲面白いものもあった。(No.6、No.7あたり)
●ペルシアの時 / Les heures persanes Op.65 [1916-19年]
ピアノはヘルベルト・ヘンク(Herbert Henck)。現代的な響きをもつ曲。たぶん、もう少し聴きこんでみないとよさが分からないと思う。
●4つの新ソナチネ / Quatre nouvelles sonatines Op.87 [1923-24年]
ピアノはミヒャエル・コルスティック(Michael Korstick)。No.1は4楽章構成で5分に満たない短い曲だが、素朴で美しく好ましい。もう少し聴きたいところで終わる感じ。
No.2は静かな曲、悪くない。No.3はピアニスティックで美しい曲。No.4は元気で軽快な曲。どれもなかなかいい。「ソナチネ」という名前を信じて楽譜を見てみようと思う。
■ 感想、お気に入り度
プロフィールに「素朴なものから、前衛の響きをもつものまで幅広い」とあるように、ひとまとめに論じられない作曲家である。もういちど聴きたいと思った曲もいくつかあった。
前衛的な響きの曲も面白いが、今のところ私の肌には合わない。一方で、「4つの新ソナチネ」はメロディックでもありお気に入りになりそうだ。普通のピアノの練習曲に入れてもいいのではないかと思った。
いずれにしても「幅広い」ので、もう少し時間をかけて探索してみたいと思う。
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