2024年1月16日火曜日

Bach.KB.BWV820:序曲ヘ長調、フランス風の組曲

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、2曲目からは「初期の組曲」をいくつか聴いてみようと思っている。最初は BWV820 序曲(組曲)ヘ長調。

この中の「メヌエット」は初級向けの曲として『バッハ ピアノ小品集』(全音)などに入っている。私自身は聴き覚えはなかった。




この作品は「アンドレアス・バッハ本」のフランスのジャンルに含まれている。

「序曲」(=管弦楽の様式で書かれた組曲)では序曲楽章(プレリュード)に重点が置かれ、そのあとに 4つの舞曲が続く形をとる。全体構成は「プレリュード、アントレ、メヌエット(トリオ)、ブレ、ジーグ」となっている。

大部分が 2声〜3声の薄いテクスチャで書かれており、フーガ主題にもまだ和声進行を含ませるという意識はない。


音源は少なく、ピアノによる演奏ではラミン・バーラミ(Ramin Bahrami、イラン。1976- )という、ピアニストが 2013年にリリースしたこのアルバム(↓)に入っている。

このアルバムにはインヴェンション、シンフォニアと共に初期の作品のいくつか(BWV820、BWV832、BWV996など)が入っている。

🎧Bach J. S.: Inventions and Sinfonias(アマゾン配信)


YouTube 音源は下記。トラック番号 34〜39 が「序曲 ヘ長調 BWV820」。



ラミン・バーラミは、ロザリン・テューレックやアンドラーシュ・シフといった、バッハを得意とする名ピアニストたちに学び、イタリアを中心に活躍しているピアニスト。

イタリア・デッカから、パルティータ、ゴルトベルク、フーガの技法などを出している。2007年リリースの『フーガの技法』は、イタリアのポップ・チャートで 7週連続トップ10入りするなど高い評価を得ている。


ハープシコードによる演奏はいくつかある。

♪ Overture (Suite) F-dur BWV 820 - Johann Sebastian Bach
(ハープシコード:Robert Hill)


ちなみに、この作品はピティナのステップ課題曲「応用1〜5」に選ばれていたりする。

「メヌエット」の楽譜は、『バッハ ピアノ小品集』(全音)以外にも『ファースト・レッスン・イン・バッハ』(シャーマー社ライセンス版)に収録されている。

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