で、まずは今練習中の「ゴルトベルク」から聴こうと思った…のだが、なにせ音源(CD)が多すぎる。「名盤」として挙げられているものだけでもかなりの数に登る。
お手本探しのときも難航したのだが、鑑賞ということになるとそれ以上かも…(^^;)。
《ゴルトベルクのお手本探し難航中…グールド?ダヴィッド・フレイ?…》
なので、まずはお気に入り演奏を選ぶ前に「名盤」の全体像をつかみたいと思った。
ネット上の記事で信頼できそうなものを選んで、斜め読みしてみた。中には「名盤」の歴史を概観するような記事もあって、それなりに面白いのだが…。
なお、記事によっては名盤というより、こういう(有名)ピアニストが録音していて演奏はこんな感じ…みたいな書き方もしているので、読み方は難しい…(^^;)。
参考にした記事(サイト)は下記。書かれた時期によって、最新情報(2021年ダヴィッド・フレイ、2022年ファジル・サイ、2023年オラフソン等)が入ってないのは仕方ない。
✏️①Bach’s Goldberg Variations - A survey of the piano recordings(Ralph Moore, 2020, MusicWeb)
✏️②Bach – Goldberg Variations – The Best Recordings – Part 3 – Piano Versions(Tal Agam, 2018, The Classic Review)
✏️③The Best Recordings of JS Bach's Goldberg Variations(BBC Music Magazine)
✏️④グレン・グールドをもとにしたゴルトベルク変奏曲の聴き比べ -アリア-(CZTのホームページ)
✏️⑤Bach's Goldberg Variations: a quick guide to essential recordings(2021, Gramophone)
①の資料が一番充実している(解説文も長いので読みきれない…(^^;)…)ので、ここに載っている "Selected Recordings" を抜き出してみる。太字はこの筆者のおすすめ。
最近の録音でのお勧めはイゴール・レヴィットとベアトリーチェ・ラナ。
歴史的録音ではグレン・グールド。ライヴ録音ではリフシッツとタチアナ・ニコラーエワ。スタジオ録音では "Gould 1981; Lifschitz 1994; Perahia 2000; Levit 2015; Tharaud 2015; Rana 2016" だそうだ。
西暦は録音年と思われる。2016年までしかないので、そのあとの主な録音を私が勝手に追加している(36番以降)。
- Glenn Gould; mono live June 21, 1954, CBC broadcast, Pristine (Ambient Stereo) (no repeats)
- Glenn Gould; mono studio, 1955, Naxos, Sony; Pristine Audio (Ambient Stereo)
- Glenn Gould; mono studio 1955, Zenph re-performance in digital stereo (no repeats)
- NB: this is a recreation of the 1955 studio recording
- Rosalyn Tureck; mono studio 1957, HMV/EMI
- Maria Yudina; studio 1968, Melodiya
- Charles Rosen; studio 1969, Sony
- Wilhelm Kempff; studio 1969, DG
- Tatiana Nikolayeva; studio 1979, Melodiya, Relief
- Glenn Gould; studio 1981, Sony
- Grigory Sokolov; live 1982, Melodiya
- András Schiff; studio 1983, Decca
- Tatiana Nikolayeva; live 1983, Classico
- Tatiana Nikolayeva; live 1986, BBC Legends
- Tatiana Nikolayeva; live 1987, Bluebell
- Chen Pi-hsien; studio 1988, Naxos
- Daniel Barenboim; live 1989, Erato, Warner Elatus
- Vladimir Feltsman; live 1991, Nimbus
- Tatiana Nikolayeva; studio 1992, Hyperion
- Andrei Gavrilov; studio 1993, DG
- Ekaterina Derzhavina, studio 1994, Arte Nova, Sony
- Konstantin Lifschitz; studio 1994, Denon @17歳
- Rosalyn Tureck; studio 1998, DG
- Evgeni Koroliov; studio 1999, Piano Classics
- Angela Hewitt; studio 1999, Hyperion
- Murray Perahia; studio 2000, Sony
- András Schiff; live 2002, ECM
- Jenő Jandó; studio 2003, Naxos
- Nicholas Angelich; studio 2010, Virgin Classics
- Konstantin Lifschitz; live 2012, Orfeo
- Jeremy Denk; live 2013, Nonesuch Records
- Angela Hewitt; studio 2015, Hyperion
- Igor Levit; studio 2015, Sony
- Alexandre Tharaud; studio 2015, Erato
- Beatrice Rana; studio 2016, Warner
- Zhu Xiao-Mei; 2016, Accentus Music
- Kit Armstrong; 2016 Concertgebouw Live, C Major/ King International
- Ji; 2017, Warner Classics
- Tianqi Du; 2018, Naïve/ King International
- Lang Lang; 2020, DG
- David Fray; 2021, Warner Classics/Erato
- Fazil Say; 2022, Warner Classics/Erato
- Víkingur Ólafsson; 2023, DG
※更新 "Mahan Esfahani; 2016, DG" はチェンバロだったので削除@2024/01/10
資料②も年代順に主なものを挙げているので、①とかぶる部分が多い。
この筆者のおすすめは、ペライアと 2002年のシフ(ECM)。"Sleeper Choice"?というのがあって、エカテリーナ・デルジャヴィナだそうだ。
ちなみに同じ筆者によるチェンバロ版の記事では、Richard Egarr と Pierre Hantaï(first take)がおすすめで、"Sleeper" version が Ignacio Prego となっている。
なお、①のリストに入ってない名前としては次の 8人が挙がっている。
- Alexis Weissenberg (1981)
- Maria Tipo
- Andrew Rangell
- Simone Dinnerstein
- Joanna MacGregor
- Andrea Bacchetti (2012)
- Lars Vogt (2015)
- Lori Sims
資料③には次の 6人が挙がっている。
グールド 1981、ペライア 2000、シフ 2003、イゴール・レヴィット 2016、ベアトリーチェ・ラナ 2017、ラン・ラン 2020
資料④は、第18変奏のお手本を探したときに参考にしたものだが、この筆者が所有している音源の解説・感想の可能性がある。…ので、ここにある名前は参考程度にしておく。
資料⑤はグラモフォンの記事なのだが、シンプルなチョイスになっている。
"Modern Choice" ならペライア、"Classic Choice" ならグールド、そして "Hidden Gem" としてチェンバロの Céline Frisch という人が選ばれている。
ちなみに、私が第18変奏のお手本を探したときに選んだのは下記。お手本としては最初の 4人+キースジャレット。以下の 6人はそれなりに気に入ったが「お手本」にはならなかったもの。聞いたけど、ここに登場しないピアニストもたぶんあと 5〜6人はいたと思う。
- グレン・グールド:意外にまとも?メリハリがあっていい感じ
- ダヴィッド・フレイ:ゆったりと柔らかく歌う、強弱の付け方いいかも
- シュ・シャオメイ:ゆっくりなのがお手本向き?いい感じ
- ラルス・フォークト:クリアな音でメリハリありよく歌う
- キース・ジャレット(ハープシコード):端正な演奏
- ファジル・サイ:テンポが速く面白い
- オラフソン:きれいな音でいい感じなのだがややおとなしい
- コロリオフ:ゆっくり、繰り返しでオクターブ上げるなど変化
- イゴール・レヴィット:意外に普通に弾いている、あっさりした印象
- シフ:意外にもあまり好みではない、テンポが速いわりにはやや粘る?
- ペライア:やや太めの音で、私のイメージするバッハには合わない?
参考:このとき Spotify で聴いた(選んだ)CD。
💿バッハ:ゴールドベルク変奏曲(グレン・グールド)
💿Bach : Goldberg Variations BWV 988(ダヴィッド・フレイ)
💿GOLDBERG-VARIATIONEN(シュ・シャオメイ、1990年)
💿Bach, J.S.: Goldberg Variation(ラルス・フォークト)
ということで何となく様子は分かってきたのだが…。さて、この中から選ぶとなるとちょっと大変そうだ。
グールド、ペライア、シフ、レヴィット、ラナあたりは外せなさそう。リフシッツは聴いてみたと思う(前回は忘れてた…(^^;)…)。タチアナ・ニコラーエワはどうなんだろう?
最近好きになってきたダヴィッド・フレイの名前があまり出てこないのだが、もう一度「鑑賞」するスタンスで聴き直してみたい。
まずは、これまでに聴いてないベアトリーチェ・ラナ、コンスタンチン・リフシッツ、それとアレクサンドル・タローあたりは聴いてみようと思う。
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