2022年1月19日水曜日

ルネサンス音楽概観:フランドル、ヴェネツィア、ローマ楽派など

鍵盤音楽史の勉強中であるが、鍵盤音楽以外も含めた知識も少し仕入れようと思って、「ルネサンス音楽」を分かりやすく(手短に…)解説した記事を探してみた。

ちゃんと勉強しようと思うと結構大変そうなので、いくつかの記事を斜め読みした…(^^;)。その中でちょっと面白かったことをメモしておこうと思う ♪


ラファエロ《アテナイの学堂》1509-1511


まず、ルネサンスの時代、とくに前半はほとんどが声楽曲であった。

なのだが、実は声楽(合唱)曲の一部ないし全パートを楽器で演奏することが普通に行われていたらしい。楽器の種類はとくに決まっておらず、即興も当たり前だった。

例えば、合唱曲のメロディーを歌い、残りを楽器で演奏すると独唱曲になる…(^^;)? こういう音楽の楽しみ方は、何だかのどかで自由でいい感じだ…(^^)♪


16世紀頃からは純粋な器楽曲も登場するが、声楽曲を編曲したものもかなり含まれる。

当時作られた器楽曲の様式としては、シャンソンの様式を手本にして生まれた「カンツォーナ」canzona、モテットの様式を手本にした「リチェルカーレ」ricercare などがある。

また、16世紀後半に舞曲が作られるようになったが、「パヴァーヌ」pavane(ゆったりとした2拍子系)と「ガイヤルド」gaillarde(活発な三拍子系)の組合せが多い。

以上の出典は下記。

✏️ルネサンス音楽(7)器楽(音楽論的)


ルネサンス音楽の特徴を一言で言うと、「フランスの複雑なリズム」「イギリスの 3度 6度のハーモニー」「イタリアのメロディアスな旋律」などの要素を含んだ「ポリフォニー音楽」であること。

ルネサンス前期(15世紀)には、次第に職業としての作曲家が登場してきて、芸術性を意識した曲作りが始まる。

その中の最大楽派が、ベルギーやフランス北部周辺の「フランドル楽派」。

主な作曲家は、ヨアンネス・オケゲム(J. Ockeghem, 1430頃-95)、ヤコブ・オブレハト(J. Obrecht, 1450頃-1505)、ジョスカン・デ・プレ(Josquin des pres, 1450頃-1521)、そしてこの楽派最後の巨匠、オルランド・ディ・ラッソ(Orlando di Lasso, 1532頃-94)など。


ルネサンス後期(16世紀)は印刷技術の革新と器楽の発展により、音楽が庶民にも普及し、ヨーロッパ各地に多くの楽派が生まれた。

とくにイタリアでは、ヴェネツィア楽派とローマ楽派の二つが台頭する。

ヴェネツィア楽派は、1527年からヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂の楽長を務め、多くの弟子を育てたヴィラールト(A. Willaert, 1490頃-1562)とその後継者を中心とした楽派。

特徴的なのは、2つの合唱隊と 2台のオルガンを用いた二重合唱。空間的な広がりを持つ音響効果、声楽と器楽の結合、和声音楽への萌芽など、後世への影響は大きい。

この学派からは、ツァルリーノ(G. Zarlino, 1517-90)、アンドレア(1510頃-86)とジョヴァンニ(1557頃-1612)の両ガブリエリ(A. およびG. Gaburieli)などが出て、17世紀になってモンテヴェルディへと受け継がれることになる。


一方、ローマ楽派は伴奏のないア・カペラの教会音楽を特徴とする楽派。保守派ではあるが、旋律と和声との完全な融和をもたらし、バロック音楽への発展に影響を与えた。

中心となったのはパレストリーナ(G. P. da Palestrina, 1525頃-94)。他に、ナニーノGiovanni Maria Nanino(1545ころ‐1607)、ソリアーノFrancesco Soriano(1549‐1621)、アネリオGiovanni Francesco Anerio(1567ころ‐1630) などが挙げられる。


その他のヨーロッパ地域では、スペインのア・カペラ様式の合唱曲、オランダのスウェーリンク(J. P. Sweelinck, 1562-1621)による鍵盤音楽などがある。

イギリスでは、英国国教会の設立という宗教上の問題もあり、カトリック的な音楽も盛んになって、バード(W. Byrd, 1543-1623)やギボンズ(O. Gibbons, 1583-1625)などが出て、宗教曲や世俗的な器楽曲を残している。

なお、当時のドイツは宗教改革運動で混乱しており、音楽面では見るべきものない。


以上、主な出典は下記。

✏️【音楽史】ルネサンス音楽の特徴を紹介(Atelier Eren)

✏️14~16世紀の音楽/フランドル楽派(ヤマハ music pal)

✏️14~16世紀の音楽/16世紀の諸楽派(ヤマハ music pal)


その他、以下の記事も参考にさせて戴いた。

✏️ルネサンス音楽(音楽力の泉)


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