2020年4月14日火曜日

BTHVN op.18: 初期の弦楽四重奏曲6曲聴いてみた

「ベートーヴェンの全作品を聴く」プロジェクト、 今日は Op.18、ベートーヴェンが初めて作った6曲の弦楽四重奏曲(第1番〜第6番)である(1798-1800: 28〜30歳)。

6曲もあるのと、弦楽四重奏曲の良さ?聴き方?がよく分かってない?慣れてないので、少し時間がかかってしまった。全曲入った音源の長さは2時間44分ほど…(^^;)。


Op.18

🎼 List of works by Ludwig van Beethoven


YouTube で聴いたのは下記。1番から6番までの全曲が入っている。

♪ Beethoven - Op.18 Quartets, Quartetto Italiano


演奏は "Quartetto Italiano"(イタリア弦楽四重奏団)。活動期間は 1945年から1980年なのでちょっと古いカルテットだ。演奏はなかなかいいと思う。

"Quartetto Italiano" のボックスセット CD が出ているので、著名な四重奏団なのだろう。


Quartetto Italiano: Complete Decca, Philips & DG Recordings




一通り(2回ほど)聴いてみた印象だけで、好みの曲は🄱(好き)、そうでもない曲は🄲(普通)とした。好きな順番をつけられるほど違いが分かってない…(^^;)。

先入観をもたないために、ネット記事を読むのは後回しにした。

🄱(好き)を付けたのは第1番・3番・4番の3曲。他はとりあえず🄲(普通)。


いくつかの記事が参考になった。簡単に要点をメモしておく。

✏️Wikipedia 弦楽四重奏曲第1番 (ベートーヴェン)


ベートーヴェンは、交響曲(全9曲)と弦楽四重奏曲(全16曲)とピアノソナタ(全32曲)でそれぞれ次のように性格づけをしていたと書いてある。ちょっと面白いが、本人がそう考えて作曲していたかどうかは怪しいような気もする…。

演奏会で大勢の聴衆を前に自己の芸術を披露することのできる交響曲、人間関係など人生の微妙な問題を語るには弦楽四重奏曲、自己の内心の心情を吐露するには最も身近な楽器であるピアノソナタ

作品18はベートーヴェンの「初期」(1792年、22歳でウィーンに移り住んでからの約10年)の作品で、まだハイドンの確立した形式に忠実に従ったものとなっている。


内容としては、アマチュアのヴィオラ奏者のブログ記事(↓)が一番面白かった。

✏️ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第1番~第6番 作品18 名盤(ハルくんの音楽日記)


ここにも「外向的な性格の交響曲に対して、弦楽四重奏曲は極めて内向的な性格」を持っているという記述がある。

弦楽四重奏曲は、1番から6番までが「初期」、7番から11番までが「中期」、12番から16番までが「後期」と分かりやすくなっている。

作品18の6曲が書かれた順番は、3番、1番、2番、5番、6番、4番という順番だそうで、出版に際して、友人のヴァイオリニスト、シュパンツィッヒの助言によって順番を入れ替えたらしい。

最もよく演奏されるのが、最後に書かれた第4番とのこと。6曲の中で唯一の短調、しかもハ短調というベートーヴェン的な調で書かれているので、悲壮感を伴う傑作として人気…なのだそう。

次に演奏されることが多いのは第1番。第2楽章のアダージョはベートーヴェン自身が「ロメオとジュリエットの墓場の場面を思い描いた」という逸話があるようだ。第4楽章の中間部では「エロイカ」の終楽章によく似た音型が登場するそうだ。

ただ、ハルくん(ブログを書いた人)の意見としては「曲として一層充実していて飽きのこないのは、やはり第5番と第6番」なのだそうだ。

第5番は、「美しいメヌエットの2楽章に続く、3楽章の長大なアンダンテ・カンタービレが傑作」とのこと。

第6番は、「2楽章の悟ったような美しさと哀しみは中期以降を想わせます。終楽章に〈メランコリー〉と名付けた序奏を置くのもユニークで、完全にベートーヴェンそのものの独創性を感じ」るものになっているという。

名盤もたくさん紹介されているが割愛。こういうご意見を読んだあとで、もう一度(いずれ)、「名盤」も含めて、聴いてみることにするか…。

解説を読む前の、私の個人的な好みとはちょっと違う部分もあるので…(^^;)。


下記の記事は、バリリ四重奏団が1953年に録音した Op.18-6 の演奏を紹介したもの(「クラシック音楽へのおさそい」)であるが、6曲全部の簡単な解説が載っている。

✏️ベートーベン:弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 OP.18-6


第2番には「挨拶」というニックネームがついていて、それは第1楽章の主題がまるで挨拶をかわしているかのように聞こえるためだそうだ。

で、このバリリ四重奏団の録音は、1953年という時代もあって「昨今のハイテクカルテットを聞き慣れた耳からすれば明らかに『緩い』演奏」なのだそうだ。

この時代のヨーロッパの響きは、オーケストラも含めて「低声部をしっかりとならした重心の低いもの」で、「チェロを軸として低声部がかなり分厚く鳴り響」く演奏になっているとのこと。

それに対して現在は、細身の音でラインをくっきりと描き出すような演奏が主流で、それをここでは「ハイテクカルテット」(技巧派?)と呼んでいるようだ。

まぁ、もう少しいろんな弦楽四重奏団の演奏を聴き比べ・聴き慣れないと、私にはよく分からないが…(^^;)。



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