Wikipedia を簡単に要約すると…。
アルノ・ババジャニアン(Arno Babadzhanian、1921年1月22日 - 1983年11月11日)は、アルメニアの作曲家でピアニスト。民族的色彩の強い作品を残している。ハチャトゥリアンの強い民族性を持つ音楽やラフマニノフのロマンティシズムとヴィルトーゾ的な音楽に憧れを抱いていて、それらを融合させた作品をつくろうと試みた。
その代表的な作品がピアノと管弦楽のための《英雄のバラード》である。この作品でスターリン賞と労働赤旗勲章を受章。後に、半音階や、十二音技法をとりいれ、1965年にピアノのための《6つの描写》などを作曲した。アルメニアの切手にもなっている。
PTNA に載っているピアノ作品は多くはない。コンチェルトを入れて4曲(↓)。
英雄のバラード [1951年] (ピアノ協奏曲)
→部分的にはちょっと「いいな〜」というのも感じるが…。
ポリフォニック・ソナタ/ Polyphonic Sonata [1946年]
→前奏曲、フーガ、トッカータの3曲からなる。トッカータは超絶技巧的、面白い。
6つの描写/ Six Pictures [1965年]
♪ Arno Babadjanian: Six Pictures performed by Hayk Melikyan
※追記@2023/09/13:再生できません…
→個人的感想だが、ほどよい「現代音楽」感がいいかも知れない。
詩曲/ Poem [1966年]
→チャイコフスキーコンクール(1966年第3回)のために作られた課題曲。いい感じ。
シャルル・リシャール=アムランが来年1月のリサイタルでとりあげる曲は、上記の作品とはまったく違っていて小品が多い。
エレジー(アラム・ハチャトゥリャンの想い出)
→いかにも「エレジー」的な旋律が繰り返される。ベタだがいい感じ。
前奏曲 – ヴァガルシャパト舞曲
→感想「普通」。
即興曲 「エクスプロンプト」
→民族的メロディーが好きかも。
カプリッチョ
→異国情緒を感じさせる旋律が面白い。2017年4月のマイアミ国際ピアノフェスティバルでの Misha Dacic というピアニストの演奏。
ちなみに、『アルノ・ババジャニアン:ピアノ独奏のための作品全集』というCD(ピアノ:Hayk Melikyan)が出ていて、これには10作品(↓)が収められている。
【収録曲】
Polyphonic Sonata (1942-47)
Six Pictures (1965)
Melody and Humoresque (1973)
Elegy (1978)
Reflection (1973)
Prelude (1947)
Vagharshapat dance (1947)
Impromptu, “Exprompt” (1936)
Capriccio (1951)
Poem (1966)
※追記@2023/09/13:YouTube でこの CD のプレイリストを見つけた。
弾いているのは、のちに(2022年)認識したハイク・メリクヤンというピアニスト。
ひと通り聴いた感想としては、なかなか面白い作品もあって、ときどき聴いてもいいかな?と思った。作品数は少ないが、民族的・ロマン派的な「エレジー」から現代音楽的な「6つの描写」まで色々楽しめる。
最後に「公演情報」からシャルル・リシャール=アムランの言葉をご紹介。
ショパンと同様に、作曲家兼ピアニスト、A.ババジャニアンの作品には彼の自国への愛情が満ち溢れています。ロシアの後期ロマン派ピアニズムに分類されているババジャニアンの音楽は、アルメニアの民族音楽、特にそのリズムに強く影響されています。
「エレジー」、「前奏曲」と「即興曲」は詩的でかつ哀愁的、そして「ヴァガルシャパト舞曲」と「カプリッチョ」はとても刺激的で技巧的な作品です。彼の音楽はとても深く、感情豊かな作品なのになぜもっと演奏されないのかを不思議に思っています。
【関連記事】
《2017年秋冬の来日ピアニストのリサイタルを眺めて…》
0 件のコメント:
コメントを投稿