2017年9月5日火曜日

ミゲル・デル・アギラのピアノ曲いい♪:現代ピアノ音楽作曲家探索

《『蜜蜂と遠雷』風変わりな感想文?》に「コンポーザー・ピアニスト」に対する期待をちょっと書いた。「コンサートピアニストによる新曲発表リサイタル」なんていいよね ♪ という話も…。

そこで、さっそく現代の「コンポーザー・ピアニスト」をネットで探そうとしたのだが、なかなかうまく見つからない。どうしよう?と思っていたら、英語の Wikipedia にいいページを見つけた。"List of piano composers" という項目で、ピアノ音楽を作った作曲家の一覧表が載っている。


で、このページの「20世紀」と「コンテンポラリ」の作曲家を、片っぱし(ボチボチ…)チェックしてみようと思った次第。「コンポーザー・ピアニスト」の探索とはちょっと違ってくるが、中にはピアニストもいるだろう、ということで…。

「コンテンポラリ」から始めようと思ったのだが、「主なピアノ作品」が載っている「20世紀」から始めることにした。その一覧表はこちら(↓)。ここにチェック結果を随時追加記入する予定。



昨日、一人目をチェックしたのだが、いきなりいい感じの作曲家に出会ってしまった! リストの一番上に載っていたミゲル・デル・アギラ(アギーラ)という作曲家&ピアニスト。一人目から「コンポーザー・ピアニスト」、しかも59歳の現役。幸先のよいスタートだ…(^^)♪


Miguel del Aguila(ミゲル・デル・アギラ)、1957年ウルグアイ生まれの米国の作曲家・ピアニスト。グラミー賞に3回ノミネートされた人気作曲家。これまでに115以上の作品を発表し、CDは34枚にのぼる。

現代的な作風ではあるが「現代音楽」的ではなく、ラテン的なリズムやジャズのノリを感じさせ、ときにミニマル的な美しいフレーズなどの要素も出てくる。


本人のサイトがあるので、詳しいことはそちら(英語ですが…)をどうぞ…。




主なピアノ作品として紹介されていたのが、Toccata、Sonata No.2、Conga、Nocturne の4曲。これに、途中で見つけた Music in a Bottle という曲を聴いた第一印象を簡単に書いてみる。



1988年の作品。ウルグアイの Candombe(カンドンベ)というアフロ・アメリカン・ダンスのリズムが使われている。現代的な印象だが、パーカッション的なノリは嫌いじゃない。ハープシコード版やオーケストラ版もあるようだ。





1988年の作品。個人的な好みからいうとまあまあという感じ。…だけど、もう一度聴いてみたいという気はしている。解説によると…。

第1楽章:次第に盛り上がるオスティナートの上で"Gaucho song"(ウルグアイ、アルゼンチンのガウチョの民の歌)が自由に歌われる。

第2楽章:ヒナステラを思わせる静かなアルペジオで始まる楽章は、第1・3楽章の間奏のような役割を果たしている。

第3楽章:"witty, lively humorous and sarcastic"という解説。スケルツォ的ということ?冒頭から終わりまで "animando"(生き生きと速く)で、1920年代ジャズやカリビアン・ダンスのようなリズムが交錯する。



時計のチクタク(ticktack)のような、高音のきれいな音のリズムで始まるミニマル的なものを感じさせる曲はなかなかいいと思う。カリブ風、CONGA ダンスのリズムだそうだ。

解説には「長く連なる死者のダンス」とか「その魂を慰めるための歌」とか出てくるのだが、音楽そのものからはそういう暗さはあまり感じられず、むしろ繰り返されるリズムとフレーズの心地よさが印象に残った。



1998年に書かれた。静かなジャズの曲を聴くような、いい雰囲気をもった曲。



1999年に J. Miltenberger というピアニストの委嘱を受けて作曲された作品。タイトルから想像されるように "message in a bottle"(「ボトル・メール」:和製英語?)をイメージして作られた曲。

10分足らずの曲だが "I. The Journey", "II. The Message", "III. The bottle sinks" の3章からなる。解説によると、人間の存在や人生を内省的に描いたとあるが…。

"the symbolic journey of a bottle carrying a message across the oceans and finally sinking without its message never having been delivered..."

ちょっと切ない曲かも…。でも、聴いた曲の中ではいちばん好きな曲かもしれない。


一通り聴いただけでは本当のところは分からないかも知れないが、少なくとも第一印象は悪くない。かつ、もう一度聴いてみようという気になる曲がいくつかあったので、とりあえず「お気に入り候補」ということにはしておこうと思う。

次は、まぁ、ボチボチということで…(^^)♪



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