2017年9月16日土曜日

ラビノヴィチ、興味深い♪ミニマル音楽元祖の一人、アルゲリッチとのデュオ…

《2017年秋冬の来日ピアニストのリサイタルを眺めて…》の記事にちょっと書いたラビノヴィチについて調べてみたら、なかなか興味深い音楽家だった。



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アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー(Alexandre Rabinovitch-Barakovsky)は、1945年3月30日ロシア(ソ連)生まれ、スイス在住の作曲家・指揮者・ピアニスト。紹介文として分かりやすいのは、これ(↓)かも知れない。…と言いながら、私はアルゲリッチとのデュオは「知らぬ人」だったのだが…(^^;)。

「アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキーと聞いてあまりピンとこなくても、かつてアルゲリッチとのピアノ・デュオで数々の名盤を世に出したあのラビノヴィチといえば、知らぬ人はいないでしょう。彼の本業は作曲家で、旧ソ連のミニマル・ミュージックの元祖と目されています」

これは、『アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー作品集』という、彼の代表作を4枚にまとめたCD(↓)の解説にあったもの。


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そのほか、ファン・サイト(RABINOVITCH-BARAKOVSKY FAN SITE)というのがあって、その "THE COMPOSER" というページに詳しい紹介文(英文)がある。

そこには、作風として "Minimalist", "neo-romantic", "neo-tonal", "repetitive" や "spirituality and compassion" といった言葉が並んでいる。とくにミニマリズムの世界では草分け的存在らしく、“La Belle musique n.3” (1977) というのがオーケストラでミニマルをやった最初の作品とのこと。

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ファン・サイトの "SELECTED WORKS" に主な作品が載っているが、ソロ・ピアノ曲は、2009年の "3 Manas for amplified piano or amplified electric piano" くらいしか見当たらない。

ピアノを使った曲(室内楽や2台ピアノの協奏曲など)はあるが、特徴的なのは、ピアノがすべて "amplified piano" となっていること。チェロやフルートなど他の楽器も、ほとんど "amplified" だ。

"amplified piano" というのは、マイクを使って音を増幅しスピーカーで鳴らすわけだが、そもそも音量のあるピアノなどの場合は「増幅」というより、音質・音響の変化を狙っているものと考えられるようだ。

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ピアノ作品を聴いてみた。まずは前回もご紹介した「悲しみの音楽、時に悲劇的な」という曲をもう一度聴いた。


出だしはわりといい感じだが、その後はいま一つまとまり感がなく、ミニマル的ないろんなフレーズが次々に出てくるだけ?という印象。和音連打とアルペジオ的な部分が印象に残るが、アルペジオ的な部分は個人的には好きだ。

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次に "Mana" を HJ Lim が演奏している動画を聴いてみたが、なんだか妙な舞台だ。ピアノの前に瞑想?しているお坊さんがじっと座っている。曲は、無窮動(常動曲?)というのか、心地よい音響の流れがたえず変化しながら続いていく。これはなかなかいい。


動画の最初に表示される解説を読むと、"Mana" というのは、マオリ、メラネシア、ポリネシアなどの文化でカリスマ性のある人物から出る "psychic energy"(精神力?)の強力な流れを指す言葉らしい。

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…で、「お坊さん」の謎は次の関連動画でとけた。上の "Mana" は、2015年7月27日に行われた「ダブリン国際ピアノフェスティバル」でのコンサート(↓)の一部(最後の曲)だったようだ。

♪ HJ Lim and Venerable Seongdam, Live in Dublin - Full concert -
※追記@2023/09/12:「非公開動画」になっている

これは1時間半ほどあるのであとで聴くとして…、お坊さんは Seongdam という名前の高僧らしく、最初に木魚を使いながら歌のようなお祈り?をしたり…という「共演者」だったのだ。ちなみに他のピアノ曲としては、プロコフィエフとシューベルトとスクリャービンのソナタが入っている。

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もう一つ、ラビノヴィチ本人の演奏(↓)もあった。 "amplified piano" のようだ。


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次に、アルゲリッチとのデュオ(ピアニストとしてのラビノヴィチ)を聴いてみた。

最初に聴いたのは、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448」の第2楽章。初めて聴く(たぶん)曲だが、曲自体も演奏も実に優しい感じで素晴らしい。弟子と一緒に弾くために作曲された、「モーツァルトを聴くと頭が良くなる」効果の検証に使われた、などの説明が納得できる。

♪ Martha Argerich & Alexandre Rabinovitch, Sonate pour deux pianos en ré majeur K.448 - 2
※追記@2023/09/12:再生できません…

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それから、ラヴェル「ラ・ヴァルス」の2台ピアノ版。これも実にいい感じの演奏だ。


この二人のデュオは、この「ラ・ヴァルス」でさえどこか優しさを感じる。アルゲリッチの気性を考えると、これはラビノヴィチの性格から来ているのかも…(^^;)?

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このデュオの出した「数々の名盤」が気になったので、活動期間などを調べてみた。

"MARTHA ARGERICH RECORDINGS" というアルゲリッチの録音を整理したサイトで見ると、一番古いのが 1987年10月25日(ジュネーヴ live)の「ラヴェル マ・メール・ロア」で、一番新しいのが 2005年3月5日(コペンハーゲン live)のブラームスとラフマニノフ(↓)となっている。少なくとも18年間は組んでいたことになる。

  1. ブラームス:2台のピアノのためのソナタ ヘ短調 Op.34b (Piano 1: ラビノヴィチ)
  2. ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 Op.56b (Piano 2: ラビノヴィチ)
  3. ラフマニノフ:組曲第1番 Op.5「幻想的絵画」 (Piano 1: ラビノヴィチ)
  4. ラフマニノフ:組曲第2番 Op.17(2台のピアノのための) (Piano 2: ラビノヴィチ)

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おまけ:Amazon で見つけた「数々の名盤」の一部。












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