2017年3月2日木曜日

『楽譜を読むチカラ』からピアノ練習のヒント♪その2

『楽譜を読むチカラ』という本の感想文(その1)を書いてから(↓)ずいぶん経ってしまったが、今日は感想文その2である。



表情をつけるヒント

曲に「表情をつける」ときにヒントになりそうなことが「特徴をつけて演奏しよう」という章に書いてある。

下記のような項目について説明してあるが、ここでは、自分の練習に参考になりそうなことを順不同で書いておこうと思う。

1. 音楽の曲線
2. 細部の強調
3. 強弱による枠づけ
4. ルバートとアゴーギクによる枠づけ
5. アーティキュレーションとフレージングの関係
6. 突然の変化


音楽の曲線」というのは、楽譜の記譜法はほとんどが直線で書かれている(クレッシェンドとか…)が、音楽のダイナミクスや流れは「曲線的であること」が基本、ということである。

単純に絵にすると(↓)、例えば赤い線のようにではなく、緑の曲線のようにフレーズを作るということなのだろう。が、技術的にはそれなりに難しい気もする…。



曲線的に変化させるということを前提に、フレージングのやり方が2つ書いてある。強弱による方法と緩急による方法である。

強弱については、やや後半に山を持ってくるイメージで、クレッシェンドしてディミヌエンドする。上の絵もそういうつもりで作ってある。

緩急によってフレーズを作る場合は、原則として対象形、つまりアッチェレランドしてリタルダンドする折り返し点はフレーズの真ん中あたりになる。


フレーズの山では、アクセントをつけたり、少しゆったりしたり、といった「強調」をすることもあるが、聴く方もそれを期待しているので、いつも同じだと陳腐な印象になりかねない。

そういう場合、逆に小さくして緊張感を高めるとか、音の立ち上がりに変化をつける、一瞬の間をおいて遅らせる、といった方法もある。


面白いと思ったのは、朗読に例えられた「アーティキュレーション」の話だ。

すぐれた朗読家は言葉のアーティキュレーションをコミュニケーションの手段としています。また言葉のアーティキュレーションは独自のフィードバックをします。明瞭に発音された言葉は、語られた内容そのものにも影響を与えるのです。

音楽も同じで、明確なアーティキュレーションによって演奏の質を高め、音楽の流れをよくすることができるということだ。「朗読」の比喩は分かりやすいと思った。


独り言:言葉の力を借りる

練習で習得した技術を維持・強化するために、言葉の力が役に立つということが書いてある(↓)。

新たに習得した行動を半永久的に維持するためには、それを強化してやることが必要です。これには言葉が重要になります。言葉というのは私たちをとても励ましてくれます。…どんなふうにしたいのかを、練習のときに独り言でもいいから言ってみるのもいいでしょう。


自分の練習を振り返ってみると、何となくやって「うまくいかないなぁ」とか「だめだ〜」とか、「もう一度部分練習しよう」とかを心の中で思っているような気がする。

次に何を練習するのかとか、何を意識するのかとか、何がうまく行って何がダメだったのかとか、内容についてはあまり考えずとにかく弾いている、…のかもしれない。

なので、次回から練習中に「独り言」で自分を励ましてみようと思う。自分が「どう表現したいのか」「そのために何をするのか」「その結果どうだったのか」などを、練習の区切りでつぶやいてみよう…♪


待つ:結果を定着させる

もう一つ試してみようと思っているのは、弾き終わった後に「数秒間待って、練習内容を記憶する」こと。

とくに通し練習の段階になって、曲を弾き終わった後にはこういうやり方は意味があるのではないかと思う。その理由はこういうふうに(↓)説明してある。

頭で考えていた演奏を形にしていくにあたっては、まず全体を通した後に数秒間待って、今の練習内容を記憶することが大切です。終わってすぐに次の演奏を始めますと、しようとしている演奏と今聴いたばかりの演奏、さらに次の演奏とがオーバーラップしてしまい、干渉し合ってしまうからです。そうなると何をどのように演奏したいかがわからなくなってしまうのです。

少なくとも、「どういう演奏にしたかったか」と「どういう演奏だったか」を大まかにでも比較する時間が必要なのではないかと思った。


以上、感想文その2。下記は「読書メモ」(抜き書き)へのリンク。








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