昨日、久しぶりに図書館に行って、何かいい本はないかとブラブラしていたら面白いものを見つけた。『これで納得!よくわかる音楽用語のはなし』(↓)という本である。
副題が「イタリアの日常会話から学ぶ」となっていて、Allegro とか、Dolce とか、Legato といった音楽用語が、イタリアではどういう意味・ニュアンスで使われているのかが、分かりやすく書かれている。
Allegro !
たとえば、イタリアでタクシーに乗って「急いで!」というつもりで「アッレーグロ(Allegro)!」を連呼したのに急いでくれない…、といった話から始まる。
そう、"allegro"に「速い」という意味はないらしいのだ。もともとの意味合いは「陽気さ=明るさ+軽さ」だそうだ。なので、タクシー運転手に「陽気に行きましょう!」を連呼していたことになる…(^^;)。
ただ、人について「あの人は allegro」というときは注意が必要なようで、陽気よりも軽薄というニュアンスが強くなることもあるようだ。
Largo と Lento はどちらが遅いか?
"largo" には遅いという意味はなく、実は「幅が広い」という意味。洋服でいうと横方向に大きすぎてブカブカな感じ。風景でいうと広々と開けた景色、人についていうと心の広い人、といった意味で使われる。
一方、"lento" は遅いという意味を持っているが、「ちょっとゆるゆる」といったニュアンス。"a fuoco lento"(ア フオーコ レント)は「弱火で」という意味。洋服でいうと「少しゆるい」という感覚。
なので、感覚としては Largo の方が Lento より遅いということのようだ。Largo な洋服は別のに取り替えるしかないが、Lento な洋服はちょっと詰めれば(手直しすれば)OKということらしい。
Fermata はバス停?
フェルマータは普通「音を(2〜3倍に)延ばす」と説明されているが、"fermata"という単語には「延ばす」という意味はないらしい。イタリアで "fermata" というと、バス停や路面電車の停留所を意味することが多いようだ。
動詞形は"fermare" (フェルマーレ)で「動きを止める」という意味。機械を止める、歩いている人を呼び止める、ゴールキーパーがボールを止める、などが "fermare"という単語で表現される。それまでの動きを止める、一旦停止、といったイメージであろう。
ところで、イタリアでは音楽のフェルマータ記号のことを"fermata"とは呼ばずに、"corona"(コローナ)と言うらしい(えっ!?)。
"corona"とは「冠」という意味なので、形を言っているわけだ…。と思ったら、由来のひとつに「コロナ」(皆既日食で暗くなり生活が停止する)があるということだそうだ。
ほかにも面白い話がたくさんありそうなので、ここ数日は楽しめそうである。
詳しくは下記の読書メモをどうぞ ♪
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