シューベルトが初めて完成させたピアノソナタ。6曲のソナタを作曲した 1817年の最初の作品。自筆譜にはなぜか「第5番」とある。
第2楽章のテーマは後に第20番 D 959 の第4楽章で使われていることで有名。個人的には、第1楽章も聴き覚えがあるので、学生時代に聴いていたのかも…。
1817年には 6曲のピアノソナタを作曲しているが、完成したのは 4番・7番・9番の 3曲。6曲中 3曲が短調だが、完成作品ではイ短調の 4番のみ。
Allegro ma non troppo、Allegretto quasi andantino、Allegro vivace の 3楽章からなる。
第1楽章のテーマはこれまでにない重厚なものとなっていて、ピアノソナタに取り組むシューベルトの意気込みのようなものも感じる。
第2楽章の愛らしいテーマは第20番の第4楽章でも使われているが、20番の方では力強く展開されていて、聴き比べるとなかなか興味深い ♪
完成したソナタなので多くのピアニストが弾いている。この曲は第1楽章冒頭の提示部から、ピアニストによって弾き方(解釈)が分かれるので、聴き比べると面白い。
冒頭の付点のリズムのところをスタッカート気味に弾くのか、レガート気味に弾くのか、そしてそのあとの 16音符のパッセージをどう弾くのか…最初からピアニストの力量が試される曲だとも言える。聴き手の心をつかむ「入り」ができるかどうか?
第2楽章もテンポの取り方、テーマの解釈(弾き方・表現)で表情がかなり変わる。
7〜8人の演奏を聴いたが、気に入った順番に 4人ほど挙げてみる。
一番気に入ったのはダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim、アルゼンチン、1942 - )の歯切れの良い弾き方(アーティキュレーション)。個人的には一番しっくりくる感じがした。その後のメリハリある展開も素晴らしい。
第2楽章も遅すぎず、ちょうどいい感じの "Allegretto quasi andantino" になっている。
ポール・ルイス(Paul Lewis、英、1972 - )のシューベルトは、10年前に初めて聴いたときから気に入っていて、この第4番ソナタも素晴らしいと思う ♪
(トラックNo. 8〜10)
エリザーベト・レオンスカヤ(Elisabeth Leonskaja、ジョージア、1945 - )さんの、ややレガート気味で量感のある冒頭もいい感じだ ♪
(トラックNo. 6〜8)
舘野泉(1936 - )さんの、全体的に柔らかさを感じるシューベルトもいいと思う。第2楽章のややゆったりした優しい感じは、聴いた中で一番好きかも…(^^)♪
(トラックNo. 9〜11)
参考
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