モーツァルト自身も高く評価していたと思われるこれらのピアノ協奏曲の連作中で、このト長調協奏曲は最も美しいと後世の評価も非常に高い。
第1楽章の心地よい彩りの移ろい、第2楽章で突然現れる短調への変化、第3楽章の「主題+5つの変奏+フィナーレ」という構成の中での鮮やかな切り替えなど、多彩なモーツァルトらしさを味わえる作品。
「後世の評価」の例としては、吉田秀和の称賛(↓)がある。
「トーヴェイ(Donald Framcis Tovey, Essay in Musical Analysis の著者)は、この曲を『モーツァルトの全作品の中でも最も豊かで、最もウィットに富んだものの一つ』と呼んでいるけれど、私は全面的に賛成である。 あるいは、これを『モーツァルトのピアノ曲中の最高峰の一つ』と、まるで(アルフレート・)アインシュタインか何かになったみたいなつもりで呼ぶことだって、私は躊躇しないだろう」(『モーツァルトを求めて』より)
この作品も比較的よく演奏されるので名演奏が目白押しだ。オススメというより、私個人の好みで三つほどの演奏を選んでみた。
オーケストラ、とくに弦の響きが美しく、序奏で惹きつけられる演奏だ。そこに軽やかでさらに美しいアンデルシェフスキのピアノが登場する ♪
(トラックNo. 4-6)
*
内田光子さんが Cleveland Orchestra を弾き振りした 2017年のライヴ録音もなかなかいい ♪ 豊かな響きのオーケストラをゆったりと歌わせ、ややスタッカート気味の左手伴奏がいい感じのアクセント(特徴)になっている。
マウリツィオ・ポリーニ(Maurizio Pollini、伊、1942 - 2024)が 2005年にムジークフェラインにおいてウィーン・フィルを弾き振りしたライヴ録音も素晴らしい。
このときは第21番 ハ長調 K.467 も録音している。
この他、バレンボイム、ピリス、アシュケナージなどもそれぞれにいい感じ ♪
参考:
✏️モーツァルト :ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453(PTNAピアノ曲事典)
✏️ピアノ協奏曲第17番 (モーツァルト)(Wikipedia)
✏️ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453(Mozart con grazia)
✏️モーツァルト時代の演奏会(musiquest)
【関連記事】
《Mozart ピアノ協奏曲第16番 K.451:ラルス・フォークトとの再会、リーズ・ドゥ・ラ・サール見直した ♪》
✏️モーツァルト :ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453(PTNAピアノ曲事典)
✏️ピアノ協奏曲第17番 (モーツァルト)(Wikipedia)
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