いつもと少し違うのは、ロマン派あたりの、つまりショパンとかシューベルトとかシューマンとかリストとか…を弾こうという気にまったくならないということ。これはどうしたことだろう…?
気分としては、聴き慣れた曲ではなく、少し新しい感じの現代音楽などをやってみたいのだが、具体的な曲をあまり知らないし、知っている曲はとても難しそうだ。
もう一つの気分としては、歌+伴奏的な曲はあまり気がすすまないこと。もともと「歌うように」ピアノを弾くことには苦手意識があるのだが、今回の気持ちは苦手というよりも、弾く気にならない…という感じ…。
最近、たまたまバッハの「フーガの技法」を聴いていて思ったことがある。
バッハの曲には「平均律曲集」なども含めて、何かの感情を表現したわけではない(たぶん)のに、何か心に訴えかけてくるものを感じることがある。
そして、その源(みなもと)には音(音響)そのものの美しさがあるような気がする。
「音の職人」たるバッハが、例えばクラヴィアの音を素材として、美しい音のタペストリーを紡ぎ出す…みたいなイメージ。
一方で、ロマン派的な曲の場合、音も美しいのだが、どちらかというとメロディーの美しさが前面に出ることが多く、いい演奏のためにはメロディーを「ピアノで歌わせる」こと、そしてそこに「感情」を乗せることが求められる。…のではないか?と思う。
ここが、まさに私の苦手分野でもあるし、今回思ったのは、私自身、そういう演奏をしたいとあまり思ってないのではないか?…ということ…。
では、どういう曲を弾きたいのか?
一つには、楽譜に書いてある音符を順番に押さえていくだけで、そこに音響の面白さが立ち上がるような、そんな曲かもしれない。下手でもそれなりに聴こえる…(^^;)?
例えば、ドビュッシーの「レントより遅く」にはそんな印象もあって、弾いていて楽しいし、ルバートが多いせいか「自由」のようなものも感じられる…。
最近、少しずつ現代ピアノ曲を聴いている。その中で、エリオット・カーターの曲についてこんな(↓)感想を書いたことがある。
「音楽の『流れ』や『歌』みたいなものはあまり感じられず、強いて言えば、現代的な演劇にあるようなアクセントの強いセリフを聴いているような印象…?」
言葉を変えていうと、ロマン派的なメロディーがあまり感じられず、その分「セリフ」的な?音の断片や塊の「音そのもの」に何かを感じるように思ったのだ。
現代ピアノ曲の中にも、「楽譜に書いてある音符を順番に押さえていくだけで、そこに音響の面白さが立ち上がる」ような曲があるような気もしている。
…とはいえ、現代ピアノ曲にはあまり候補曲を思いつかないし、とりあえずはベートーヴェンのピアノソナタとバッハの平均律から、気分に任せて試し弾きをしている。
ベートーヴェンは、時代としては古典派からロマン派へ移る時期、自らがロマン派的な要素を音楽に入れようとした作曲家だと思うが、なぜか私の感性は「バッハ的」なものを感じてしまうのだ。
そのピアノ作品は、音そのもので音楽を構築しようとしていることを感じさせる。
で、試し弾きを続けることにも少し飽きてきたので…(^^;)…そろそろ次の曲を決めなくてはと思っている。
急に秋めいてきて、ピアノの練習にはいい季節になってきたので、気分良く練習できる曲を選びたい ♪
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