✏️サラブレッドは挑戦をやめない―ルーカス・ゲニューシャス ピアノ・リサイタル、5/23(水)から先行発売!
24の前奏曲「ブコビナの歌」のうちの12曲だそうだ(何で全曲じゃないの…^^;?)。その中の1曲は、今年のラ・フォル・ジュルネでもアンコールに弾いたようだ。
ルーカス・ゲニューシャスといえば、2015年のチャイコフスキーコンクールではまぁまぁ良かったのだが、2016年のラ・フォル・ジュルネであまりにもガッカリしたので、私の中ではまだもう少し様子を見るか…という感じのピアニストになっている。
↓
《チャイコフスキーコンクールのファイナリスト(ピアノ部門)》
《ラフォルジュルネ:ゲニューシャスくん!》
そのゲニューシャスくんがロシアの現代曲、それも出来たてホヤホヤの作品を日本で弾いてくれる!…というので少し見直してやろうかと思っているところである…(^^;)。
ショパンの代わりに、例えば他のロシア現代作曲家の曲(後述)を揃えてくれていれば、すぐにもチケット買おうかと思うのだが…。ちなみに今回のプログラムは下記。
[ルーカス・ゲニューシャス ピアノ・リサイタル]
- ショパン: 3つのマズルカ op.33、3つのマズルカ op.63、ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
- チャイコフスキー: ドゥムカ
- デシャトニコフ: 12の前奏曲(ブコビナの歌)[日本初演]
デシャトニコフの「ブコビナの歌」を聴いてみたくて、音源を探したが見当たらない。その代わりに、ゲニューシャスが2015年に録音・リリースした『調和の解放~現代ロシアのピアノ作品集』というCDを見つけた。
NAXOS にあったので聴いてみたが、なかなか面白い。ゲニューシャスくん、意外と真面目にやってるではないか…。収録内容は下記。
- ヴァレリー・アルズマノフ[1944-]:ピアノのための27の小品集より (1985)
- レオニード・デシャトニコフ[1955-]:劇場の共鳴 (1985)
- ウラディーミル・リャボフ[1950-]:ピアノのためのロシア歌曲編曲集 Op.73&Op.74より (1989-1990)
デシャトニコフの「劇場の共鳴」(1985) という、7つの小品からなる組曲のような作品も入っていて、なかなかいい曲もある。
この辺りの曲を日本でのリサイタルのプログラムに入れてくれれば、「挑戦をやめない」ゲニューシャスと言ってもいいかなと思うのだが…。
ちなみに、『調和の解放~現代ロシアのピアノ作品集』という CD は限定販売だったらしく、現時点ではほとんど手に入らないが、アマゾンの「デジタルミュージック」として聴くことはできるようだ(↓)。
27 Light Pieces for Piano, Op. 74: No. 1, To a Brighter Future
(現在は無くなっているようだ@2021/05/11)
ところで、作曲家のレオニード・デシャトニコフ(Leonid Desyatnikov)の方であるが、それほど情報が(日本語・英語では)見当たらない。とりあえず、 Wikipedia。
✏️Wikipedia: Leonid Desyatnikov(英語)
1955年10月16日、ウクライナ生まれ。サンクトペテルブルク音楽院を卒業し、最初に映画音楽で頭角を現し、その後オペラや室内楽なども作曲している。
ギドン・クレーメルが実演でも録音でも世界に紹介してきた作曲家で、ゲニューシャス家とも親しくしているそうだ。
主な作品は上記 Wikipedia にあるが、ピアノ関連の作品としては、24の前奏曲「ブコビナの歌」(2017)と「劇場の共鳴」(1985)以外で、YouTube にあったものを載せておく。
♪ Desyatnikov, The Target - Martha Argerich et al_, Paris 2012
"The Target" というのは映画音楽(2010 or 2011?)で、これは編曲なのかも知れない。アルゲリッチ、ギドン・クレーメル、Kremerata Baltica の2012年の演奏。
♪ Leonid Desyatnikov. Du coté de chez Swann
"Swan for two pianos" というデュオ曲。
おまけ。NAXOS を聴いたあとで、ゲニューシャスが「劇場の共鳴」を弾いている YouTube の音源を見つけた。作品タイトルは "Teatro atgarsiai, piano cycle" となっている。
♪ Geniusas plays Desyatnikov
Leonid Desyatnikov - Teatro atgarsiai, piano cycle
Oct 20, 2014, Vilnius, MK Ciurlonis Festival
さらに、アンドレイ・ググニンも弾いていて、こちらは "Nachklänge aus dem Theater" というドイツ語のタイトルになっている。英語では "Echoes from the Theatre"。
♪ Leonid Desyatnikov: Nachklänge aus dem Theater. Andrey Gugnin, piano
Leonid Desyatnikov: Nachklänge aus dem Theater
Andrey Gugnin, piano. Live from G-18, Helsinki, 2017. Part of the Key Discoveries piano recital series.
参考までに、曲の構成を下記に載せておく(英語表記)。
I. Overture: Masque
II. From the Life of Kashchei
III. Vaudeville
IV. Jamais (Elegy)
V. Chase Rondo
VI. Little Bells (to the memory of E. Rosenfeld)
VII. Finale: Masque
2 件のコメント:
10月27日群響のラフマニノフピアノコンチェルト2番ゲニューシャス聴いてきたところです。アンコールで、デシャトニコフの24のプレリュードの12番演奏してくれました。まさにロシアの現代曲とても面白く聴きました。早速検索して投稿を拝見しました。とても参考になりました。ありがとうございました。
コメント、ありがとうございます。
好き勝手な記事ばかり書いているので、ご参考になってとても嬉しいです。
ゲニューシャスのデシャトニコフの24のプレリュードは一度ちゃんと聴いてみたいと思っています。
コメントを投稿